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ねこの(心の声)~経過報告~@国語科単元学習

 ねこの(心の声)の経過報告です。

➊ 協働的な学びができるように

 今の単元から、少しずつ子供同士の対話的な学びの機会を作っています。withコロナの時代だからと言って、学びの歩みを止めるわけにはいきません。というわけで、今の単元から、ほぼ初めて、ペア対話やグループ対話を限定的に取り入れました。まだまだ限定的にですが…。

 グループ学習の指導は、今年度から大きく方針を変えました。

 これまでは、どちらかと言えば、話し方指導が中心でした。初任の頃は、話型を示したり、台本を示したりしました。最近では、話合いの場面を動画で撮って共有したり、モデルになるようなグループの周りに子供を集めて、対話の様子を観察したりしていました。

 ですが、今年度は、聞き手を育てる指導に中心を据えました。おしゃべりな子供ではなく、話合いの上手な子供を育てたいと真に思ったからです。

 今年度も、今までも、いつでも、どこでも、非常におしゃべりが好きな子。自分の考えを友達に伝えたくて伝えたくて、熱弁をふるう子。論理的思考力が高く、筋道立てた考えを創り出すのが得意な子。そんな子供が、グループ対話を席巻しがちです。現象面で言えばです。ですが、必ずしも、このように前に出ている子供が話合いのスキルに長けているわけではありません。話合い上手は、話合いの流れを読んで、出たり引っ込んだりできる人のことを言います。そして、何より、一人でも、誰とでも話ができるスキルが、これから求められている資質・能力だと思っています。

➋ 子供たちが生んだ新たな問い

 子供たちは、単元の序盤でこんな問いを立てました(とりあえず4つだけ)。

A ひげをぴんと立てて、手をふり上げたのは、どうしてかな?

B どうして、ねこは、『何って、べつに。』って言ったのかな?

C 『だれって、だれって……たまだ。』の『……』はどうしてあるのかな?

D さいごに、どうして小さな声で、ニャーゴって言ったのかな?

 これからの中で、Aは、個人で解決しやすかったようで、『ねずみを食べるつもりだったから。』とか『ねずみをおどかしたかったから。』とか言ってました。

 BとCは、グループで解決していました。Bは、続く『口をとがらせて答えました。』と結びつけて、『ねずみを食べようとしていたのに、うそをついたから。』とか『本当は、食べたいけど、ごまかしたから。』とか読んでいました。そうすると、Cは、本当のことを言うかどうか考え込む時間だと読めます。子供たちは、……6つあるので、6秒間の間があったと言っていましたが、本当にそれくらい考え込んだのかもしれませんね。

 そこで、ある子が、新たな問いEを立てます。

E ねこのさくせんって何だったのか?

 最初は、ねずみを食べようとしたけれど、…の続きです。子ねずみたちから言われるがまま、桃を取りに行き、しめしめと思いながらも…。この説明って大人でも難しいですよね。でも、ある子が言いました。

『最初は、ねずみを食べるつもりだったけど、ねずみと一緒に桃を食べて、自分のだけでなく子供のお土産をもらって…』

 それに対して、ある子が、

『いや、それって作戦じゃないじゃん。』

 おお。と納得する声が上がりました^^

D さいごに、どうして小さな声で、ニャーゴって言ったのかな?

 最難関の問いだったのが、Dです。ここには、二つの問題があります。一つは、どうして小さな声だったのか。もう一つは、ニャーゴと鳴いたときに、何と言ったのかです。

 それはもう、それはもう、盛り上がっていました^^『でもさ』『でもさ』と批判的思考で、納得解を見つけようとするって、こういう姿なんだろうなと思います。その中で、ある子が言います。『桃を四個ももらったのに、どうして小さな声だったの?お礼だったら、大きな声で言うんじゃない?』

 国語の読むことの学習で、低学年で、逆説言葉が出てくるといいですよね。『のに』『だけど』『けれど』…。深まりつつある合図です^^

 そして、そんな中、ある子が教科書の最後のページの挿絵を指さして、みんなに言います。

『みなさん、大発見です。五場面のねこが泣いています。』

 単元一番の驚きの声が教室中を駆け巡ります。そこで、最難関の問いを立てました。

F ねこのなみだのいみは何か?

 Dの問いから、派生したF。思わず、ううんとと考えてしまいますよね^^

➌子供の声

 うちの学級では、毎月、独自に学習や生活のふり返りをしています。5点満点で自己評価をさせています。

 9月のふり返りで、国語の欄を見ると、軒並み10点を書く子供が多かったです(どうしても、というので、5点を超えた人は10点としています。)。2や3を書いている子供もいました。熱弁をふるうタイプの子だったので、理由を尋ねると、『考え足りなかった。』とか『ぼくは、まだできる。』とか言ってました。やりがいは感じていたようです^^

 何より、国語に対していつも後ろ向きだった子供が、頭を寄せて問いを解決する姿を見ることができたのが一番の収穫。写真を見せながら、『こういう姿が、かっこいいって言うんだね。』と伝えました^^


 次は、『ビーバーの大工事』です。


一人でも、多くの先生方の今日が、幸せで、明日が待ち遠しいものになりますように。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。みなさまに、よき明日が訪れますように^^


 

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