広報ブランディングのすすめ vol.1～広報と広告の違いって？

広報と広告の違いって？

“広報”という言葉を聞くと、人によって様々な受け取り方があるかもしれません。例えば、

「新しい方針が決まったから、広報して。」

などのように、何らかの情報を告知したり広く知らせること全般を指す場合もあります。

また、広報と広告の違いも、一見わかりにくいかもしれません。テレビなどで流れるCMは広報なのでしょうか、それとも広告なのでしょうか？情報を広く知らせるという意味では広報とも言えそうです。

しかし、広告などと対比される場合の広報は、言葉の意味がもっと限られてきます。さて、どう違うのか。

会社などで広報部と広告宣伝部とが別で設置されているケースはよくあります。実は、その違いは明確です。広告は、お金を払って情報を発信してもらうもの。一方、広報はお金を払いません。

また、広告は営業部やマーケティング部、販売促進部などでも取り扱いますし、相応の予算枠を持って運営しています。その予算枠は会社規模などによっても異なりますが、結構な金額です。テレビCMなら億単位は当たり前ですし、ネットメディアにバナー広告を出す場合でも、やはり規模にピンキリはありますが数万から数百万という金額がかかります。

なら、広報はお金をかけずに何をしているのか？それは、テレビや新聞などのメディアにニュースとして報じてもらっているのです。

テレビや新聞、雑誌、ラジオ、ネットニュースなどのweb媒体といった各メディアは、記者やディレクターと言われる人たちが社会との間に入り、第三者の「眼」の代表として情報を報じています。そこにお金は、かかりません。

もしお金を受けとれば、その対価として依頼した通りの情報を伝えなければならなくなります。しかし、それでは報道の自由や公平性、客観性が損なわれてしまいます。メディアが伝える情報の判断基準は、お金ではなくニュースバリュー（news value：報じる価値）の高さです。

以上から大まかに整理すると、広告とはお金を払って、金額に応じた情報を伝えてもらうこと。広報とはお金は払わず、ニュースバリューが高い情報を伝えてもらうことだと言えます。どちらも情報を伝えるのはメディアですが、扱う情報の内容は大きく異なるのです。細かいことは抜きにして、よりわかりやすくイメージするならば、広告は宣伝、広報は報道と言いかえても良いと思います。

広報ブランディングの目的

さて、広報と広告の違いを線引きしたところで、このコラムのタイトルにある「広報ブランディング」について少し触れたいと思います。広報ブランディングとは、広報活動を通じて行うブランディングです。

それがどういうものかというのは追々説明したいと思いますが、先に広報ブランディングの目的をお伝えします。それは、

『事業』と『社会をリードする意志』を結びつけること。

これだけではよくわからないと思いますが、一つお伝えしておきたいのは、広報活動を通じて広告宣伝効果を高めることが目的ではないということです。

では、ただメディアに露出して目立ったり良いカッコしたいだけかというと、それも違います。広報ブランディングは、事業運営において様々な効果が期待できる戦略的施策です。

そんなことをこれからお伝えしていきたいと思います。

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