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機械分野の話

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#流体力学

熱音響現象の話

熱音響現象とは熱音響現象とは音と熱の相互作用です。その現象にはエネルギー変換とエネルギー輸送の2つの形態があります。

エネルギー変換では、熱から音波あるいはその逆に音波から熱へエネルギーが変換されます。ここでいう音波とは、純然たる音波ではなく、発生する振動流れに付随して生じる音の意味です。

熱音響効果1本の長い管の軸に沿って大きな温度勾配があると管内気体は振動します。これが熱音響効果です。詳細

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少し専門的な流体力学の話2

少し専門的な流体力学の話2

今回は流体解析に関するお話です。

流体解析とは、空気や水などの流体の流れをシミュレーションによって解析する技術です。

空調機による部屋の気流解析や天気予報の気圧解析、他にも建築、車両設計、石油工学、外科学、気象学など様々な業界で幅広く利用されています。

最近でも咳の飛沫の飛散シミュレーションで使われています。

流体解析とはコンピュータを用いて計算する流体解析を一般にCFD「Computat

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少し専門的な流体力学の話

少し専門的な流体力学の話

流体力学とは、文字通り力学的な視点から流体の運動を扱う学問です。

その中でも特に「加えられた力」と「それによって生じる変形の速さ(流速)」との関係が考察の対象となります。

流体(空気や水)が豊富な地球に居る以上、切っても切り離せない学問といえ次の土台となっています。
船舶工学、航空工学、宇宙工学、化学工学
水理学、河川工学、海岸工学、応用力学
環境工学、建築環境工学、流体素子

流体力学はキー

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流体騒音の話2(解析)

様々な流体騒音解析方法を紹介します。

流体騒音の背景流体騒音の大きさは流れの速度のの6乗〜9乗に比例します。そのため流体機械の小型化や高速化により騒音問題が顕在化してきました。

従来は個々の製品ごとに経験に基づき流体騒音の予測や低減を図ってきましたが、このような対策には限界があります。今では数値流体解析(CFD)に基づく流体騒音の予測に大きな期待が寄せられています。

流体騒音の正体流体騒音の

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流体騒音の話1(概要)

流体騒音流体騒音とは流体の運動、特に渦によって生じた圧力変動が音波として周囲に伝播して生じる騒音のことです。

その中でも風の音や飛行機の騒音などのように空気力学的な機構で発生する音を空力音と呼びます。

例えば、強風の中で電線が唸る音やジェット騒音があります。他にも渦音やエオルス音(渦放出音)、エッジ音(干渉音)などが知られています。

流体騒音の数値計算には、流体の圧縮性を考慮した解析から音の

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