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pikako
2018年2月25日 12:27
車までゆっくり歩くと、この家の守り神様たちの祠が見えたので止まって手を合わせてお礼を言った。 ユキさんは、ますます笑顔になり私の補助をしてくれた。 「サヤ、ドア アケマス。ヒトリダイジョブデスカ?」 「はい。大丈夫です。」 首からかけたカメラの重みで振り子のようにカメラが動くのを抑えてドアにつかまるとゆっくりと車の中にカラダを滑らせた。車のシートに深く座ると、背中に感じ
2018年1月31日 20:06
首からかけたカメラの重さが日本での毎日を私に思い出させていた。確かにここにお世話になって、いや、あの穴みたいなのに落ちてからアレヨアレヨと色んなことが起こっていたから、ホテルに連絡するなど頭の隅にも浮かばなかった。しかも、持ってきた携帯は、落ちた衝撃で見事に壊れているときたから連絡のしようがない。 ユキさんたちに頼めばよかったがさっきも言ったけどあまりにも事の展開がすごすぎて脳が通常通り
2018年1月17日 08:40
#47 キッチンにいるお母様の携帯が鳴りお母様が驚いたような声をあげていたので何だろうと気になってきた。ちらっと顔を出して私の様子をうかがってきたみたいなので、ちょっとだけ不安になってきた。 「沙耶、あなた、大変なことになっていますよ。」お母様は手を拭きながらこちらへ来るとそう言って私の足の様子を見ていた。 「お母様。何のことですか?さっきの電話の事ですか?」 「はい。さっき
2017年12月26日 01:13
さっきのやり取りがなかったかのように楽しく食事が終わると、サリナちゃんは、ユキさんと学校へ行く準備をするのにバタバタし出した。お母様は、片付けと私の足の病院へ行く段取りをするのに村長さんへ連絡を取っていた。そういえば昨日のある意味主役の村長さんについては二人とも何も話さなかったが、実際のところどうなんだろう。 お母様の昔の思い出で、光一さんとの別れの原因だった村長さんの告白以来、お母様と村長
2017年11月22日 21:33
私にとって一生のうちで、もう二度と体験することはないであろう激しい1日の次の日は、嘘のように普通の朝だった。かなりの高揚と疲れとアルコールでいつの間にかベッドに運ばれ朝を迎えている。 本当にあった出来事なのかと疑いたくなるほど穏やかで柔らかい朝だった。日本では、何を差し置いてもカメラを離さずデーターチェックを常にしていたが、バリに来てからは、私自身が驚くほど二の次、三の次になっている。テ