pikako

突然書きたくなったのでいろんな話書いてます。登場人物が勝手に動いていく不思議な感覚は、…

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突然書きたくなったのでいろんな話書いてます。登場人物が勝手に動いていく不思議な感覚は、いつまで続くのやら。頭の中の彼女、彼たちに振り回されながら書いてます。バンド好き ロック好き ライブ好き 音楽からイメージもらうこと多々!

マガジン

  • あなたの思い出買いますから(仮)

    悲し思い出。しあわせな思い出。ひとには必ず思い出の品がある。この世に未練を残した人のそんな思い出にまつわる品ものを見つけ出しその思いを叶えてあげる片付け屋のお話です。

  • silver story

    神々の島バリ。なんで私なの?バリの神様のいたずらか?「Street Story」と絡まっていく不思議な物語

  • 大好き別府私の癒し

    今ハマってる私の癒しの地 別府についてのお話です。

  • レトロ好き

    レトロなアクセサリーや雑貨のいろいろ

  • 博多すとーりー

    博多のいろんなことです。

最近の記事

あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑨

 僕はしゃがんで車椅子の彩さんに紅茶缶を差し出した。 「まあ、何かしら?」 彩さんは受け取ってくれてあまり目が見えないのか鼻の前辺りまで缶を持ち上げていた。 「まあ、懐かしい匂いだわ。これはうちから出てきたの?」 「はい、台所の高い棚の上にありました。古いバスケットの中にありました。」 「え⁈もしかして左右に開くあのバスケット⁈」 「そうですよ。ちょっと待っててくださいね。」 僕は彩さんの肩をそっと触って家に戻って行った。もちろん、あのバスケットを彩さんに渡すた

    • あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑧

       朝から始めた片付けだったが暑さが増してきて昼近くなってきたのがわかった。相変わらず時折り吹く風に助けられてまだここに居ることができる。 揺さぶられた方向を見ると社長が居た。とても珍しいことでちょっと戸惑ってしまった。 「おい、進んでるか?お前に、多分お前にだろうがお客だ。」 「社長。なんで、、、。僕にお客なんて、誰だろう。」 僕の傍には相変わらずおじさんが居るのだけど社長にはもちろん見えてない。 僕は紅茶缶を持ったまま社長に従って外に出て行った。 二人の姿が見えた

      • あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑧

         朝から始めた片付けだったが暑さが増してきて昼近くなってきたのがわかった。相変わらず時折り吹く風に助けられてまだここに居ることができる。 揺さぶられた方向を見ると社長が居た。とても珍しいことでちょっと戸惑ってしまった。 「おい、進んでるか?お前に、多分お前にだろうがお客だ。」 「社長。なんで、、、。僕にお客なんて、誰だろう。」 僕の傍には相変わらずおじさんが居るのだけど社長にはもちろん見えてない。 僕は紅茶缶を持ったまま社長に従って外に出て行った。 二人の姿が見えた

        • ぽっかり夏雲

        あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑨

        マガジン

        • あなたの思い出買いますから(仮)
          9本
        • silver story
          69本
        • 大好き別府私の癒し
          2本
        • レトロ好き
          0本
        • 博多すとーりー
          6本
        • Coffee story
          24本

        記事

          あゝ夏休み

          あゝ夏休み

          夏空と大麦畑

          夏空と大麦畑

          黒猫が我が家にやって来た(犬派の私が猫好きになるまで)

          春の暖かい日のある日、仕事場の外でそこにふさわしくない声がしていた。 「ミー ミーミーミー、ミーミーミーミー…」 永遠に続く高い鳴き声。 子猫だ! どこにいるか探すが見当たらない。 声を頼りに探すと事務所の壁の隙間に光るものがあった。 「猫がいますよ。」 「親猫が来るやろ。様子見よう。」 その日は、一日中子猫の甲高い声を聞きながら過ごした。 夜になってその声は、途切れ途切れになりそれでも鳴き続けていた。 「こんだけ鳴いても親来ないから捨てられたんじゃない?」 「死なれたら

          黒猫が我が家にやって来た(犬派の私が猫好きになるまで)

          milky way

          final chapter ハジマリ p28 どれくらい 僕らは抱き合って泣いたのだろう。サトさんは、いつの間にかいびきをかいて寝ていた。 リズミカルにいびきが聞こえてきて、思わず吹き出してしまった。 それきっかけで りさも笑い出した。 まったく サトさんは、何度もいうけど ホントにお坊さんなんだろうか?   でもその格好と行動に似合わず彼から発せられるコトバには、温かみがあり 僕は何度も 救われた。   昨日偶然来たこの寺で 出会った人なのに ほんと 随分前から知っ

          milky way

          ChapterChapter 5 僕 自身(p22〜p27) p22 ブランケットの中で僕たちは、仲のいい兄妹のようにくっついて その時を待った。   『かなり冷えてきたね。大丈夫かな?お二人さん。』   サトさんは、今度は銀色の水筒、いや、あれはウイスキーがはいった入れ物だな。スキットルとかいうやつ それをチビチビやっていた。   まったくこの人は ほんとに住職か⁈   だんだん辺りが白々としてきた。星はもういない。 あんなに綺麗だった星の帯ももう消えてしまった

          milky way

          Chapter 4 星空の下(p18〜p21) p18 その時間がくるまで僕たちは 仮眠を取ることにした。 目的の池までは かなり森の奥まで行かないといけないらしく、それなりの準備が必要だった。 今は心地よい夜風だが、明け方にはきっと冷え込むだろうと、サトさんが ブランケトを僕たちに用意してくれた。 チョコレート コーヒー サンドイッチ まるでピクニックだった。 りさが用意した。 仮眠を取った時確かに眠ったがその間は夢を見なかった。 『さあ そろそろ 出か

          Milky Way

          Chapter 3 寺の中 (p12〜p17) p12 彼女にエスコートされたみたいに中にはいると 四角い石が左右交互に道を作っておかれていて その上を歩くと 心地好いリズムになってきた。 その奥に引き戸の玄関があり 彼女は自分の家に帰るように その扉を開けた。 小あがりのような場所を通って 障子をあけると その 部屋のひんやりとした空気に驚いた。 扉ひとつ開いただけなのに そこは姿勢を自然とただしてしまうくらい静寂で お香のいい香りが漂っていた。 部屋の奥で 真ん中には 仏

          Milky Way

          Chapter 2 マダム猫 p10 ふと横を見ると 一匹の猫が いた。ここは自分の家だといわんばかりに くつろいでいた。 僕たちが降りたことなんかまったく気にとめる様子もなかった。その猫は まるでリゾート地にいるように初夏の太陽をからだいっぱいに浴びて伸びをしたり 耳の後ろをかいたり ほんとにくつろいでいた。 猫のくせに ベージュの体に茶色の斑点がまんべんなくあって まるで ヒョウ柄のマントを着ているようだった。 ゴージャスなマダムのような品も漂わせていいた。 その

          Milky Way

          〈あらすじ〉 「とにかくこの場所から逃げ出したかった 。あの夢をみるようになってからそのおもいは日に日に増していった。 違う 僕のいるべき場所はここじゃないと 強く思いだした。」 ある青年が自分の存在に違和感を持ち自分探しの旅に出る。 途中で出会ったのは、全身みどり色の女の子、不思議な猫、そして庵寺の住職。そして行き着いた土地に言い伝えられた伝説に深く関わることになる青年の結末は? 過去と現在が夢という繋がりで結びついていく不思議な話 chapter1スケッチブック(p

          あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑦

           間違いない。目の前にいるのはおじいさんだ。 ずいぶん若いけどさっき見た顔の面影はある。 横にいるのはほんとうにさっき聞いたまんまの綺麗ないや可愛らしい女の人だ。 泣いている!! じゃあ、さっきのおじいさんが話していたまんまのその時に、僕は連れて行かれたってことなの⁈ こんなリアルな思い出の引き渡しは初めてだ! 大体話だけでそのタマシイは満足して成仏していくのに、今回は僕を彼らの思いの中に引きずりこむなんて、どんなに強い思いだったんだ! 大丈夫か?初めての事だから自分も

          あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑦

          あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑥

          他の部屋から着々と片付けの作業の音が続いている。 早くこの台所を終わらせて次の部屋に行きたいけどこの事態を収めないと絶対に進めない。 さっきチラッと同僚が覗いて行ったけどニヤッと笑ってそそくさと作業に戻って行った。 どうせ「また捕まってしまったのだな。」くらいにしか思ってないのだと思う。それくらい頻繁にソレが現れるのだ。はじめの頃はひどく叱られて「何やってんだ!急げ!」と怒鳴られていたけど社長の理解と説明でみんななんとなく納得してくれている。 まあ、時々からかわれたりす

          あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑥

          あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑤

          「えーっと。あなたはここのご主人だった方ですか?つまりあのおばあさんのご亭主?」 「ああ、そうじゃよ。ところでなんでおまえさんはこのバスケットを見つけたのかな?」 「えーっと、この家の片付けを頼まれて、たまたま手にしたのです。 で、あなたが現れた。 失礼ですがおじいさんは、なんでこのバスケットに憑いているんですか?」 「そーか、とうとうこの家も手放すことになったのか。ばあさんはどうなるんじゃ?息子が連れて行くのか?」 「そう聞いてますよ。おばあさん 1人では心配だから

          あなたの思い出買いますから(仮)イギリスアンティーク⑤