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情報時代の学校をデザインする 【@毎日1冊「教育」本チャレンジ13日目】

13日目です!!今日はこちらの本!

わ、高っ!と思って一瞬戸惑ったのですが、ものすごく深い本でした!
アメリカの本が翻訳されたので主にアメリカの教育について書かれています。
その中で、本当に多くの問題が日本と共通していることに気づきました!


【忙しいあなたに】Yuki's Summary📚
アメリカの教育が抱える問題点は、画一的な授業形式、ICTに対する教師間の認識のづれなど日本が抱える問題点と共通しているものがほとんどだ。こうした教育は工場パラダイムと呼ばれ、工場で働く人を育てるためのカリキュラムである。本書ではそこには「裏のカリキュラム」があると指摘し、知らず知らずのうちに子どもたちが標準化していき、大人に服従するようになっていることを指摘する。
しかし、時代は変わり「情報時代」に突入している。インターネットの発展により「多様性」が叫ばれる中で学校は依然として画一的な支援を行っている。そこに関して、かつて「平等」とは同じように扱うことであったが、現在の多様性の文脈においては個々に合わせたサポートが「平等」であると指摘する。
そんな中で、提唱される「プロジェクト型学習」であるが、本書はこの問題点を指摘する。例えば子どもたちはこうした学習においては「反復練習」ができないためにスキルの習得が難しい。その解決策として取り上げられたのが「教育オーバーレイ」という手法で、探求学習の中でつまずいた時点で、機械が反復練習を施していくのだ。こうした、流れから考えても「情報時代」の新しい学校はもう来るし、そこに変えていかなくてはいけないと主張する。
変革に際して多くの問題点が生じることが予想されるが、本書では「大中小」でのアプローチを紹介し、システム全体として全く新しい学校システムの構築が必要と話す。


変化のプロセス

本書を読む中で、「変化のプロセス」に関して大変参考になった図がある。

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こちらのグラフは、鉄道と飛行機を例にとり、どのようにパラダイムが変わっていったかを示す。

例えばEの時点は飛行機が発明された時であるが、まだまだ効率性などが未熟であり、生産性は鉄道に劣る。
しかし、その生産性はS字カーブに駆け上り、Fの時点から鉄道の生産性を上回る。
Fの時点ですでに限界を迎えている鉄道と、そこからまだ成長し続ける飛行機の生産性の差はどんどん開いていく。


そして、現在学校の変化はここにいる。(赤で示した部分)

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つまり、多くの先生は今だに鉄道に生産性を見出すが、これからさらなる進化を遂げていくためには飛行機の生産性を上げていくことが必要なのだ。
こうした、パラダイムの変化は歴史をみてもたくさん起こっていることであり、教育だけ不思議なわけではないのだ。


教育現場における問題点は、鉄道に乗る方からの反発が多くあることだ。
鉄道にのる方からは以下のような理由を用いて反発を受ける。

1 関係者はすでにある最善策を採用し、自身の理想について検討するプロセスを省略したがる傾向がある
2 教育者は実践家であるために、理想はあくまで非現実的で、時間の浪費だと考える傾向がある


しかし、このグラフを見ても分かる通り、飛行機のS字カーブ、つまり新しいムーブに乗ることが将来的に、子どもの未来を開いていくことは明白なのだ。




プロジェクト型学習4つの欠点

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本書では、プロジェクト型学習に移行する未来を見据えつつ、問題点をあらかじめ予測し、そこに対する解決策まで提示している。4点は以下の通りだ。

①生徒がプロジェクトで学ぶことを保障することが難しいい
(協働的でなく、協力的 つまりここで頑張ってそれを集めるケースがある)
②スキルの獲得という観点においては反復性がないためになかなか習得が難しい
③スキルとはそもそも考えなくてもできるようにしていかなくてはいけないものであるがその次元に対応するスキルの育成はプロジェクト型では望めない
④情報の検索・十分なサポートがないために学習時間を多く割かなくてはいけない(学習が担保されない)

「協働」と「協同」は大きく違う。
「協働」とは協力し合いながら一つのものを作ることだが、
「協同」とは個々で別々に活動したものを最後に合わせるという違いだ。

後者では、学習意欲に大きな差が生まれる可能性が否めない。


また、スキル獲得という面では「反復練習」が必要であるが、その時間がない。
本書では、この解決法としてテクノロジーの活用が有効的だと唱えている。(教育オーバーレイ)

ある技術の習得の際に繰り返しの実践を促進するテクノロジーを活用することで、スキルの習得も図る。



変革の際の注意点

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「工業時代」から「情報時代」の教育パラダイムの変革は全く新しいものにしなくてはならないという点が本書の主張だ。

変革というと、いいものを残し、悪いものを変えようというアプローチが取られることが多いが、根こそぎ変えていく必要がある。

そこで、注意しなくていけないのが教育に関わる全てのもののマインドセットだ。
工業時代においては「独裁的なプロセス」においてマインドが変わった
民主的な意思決定では「多数決」によってマインドが決まった

しかし、今回においては「合意形成プロセス」が必要であり、意見を同じくさせなくてはいけないのだ。
ここが、なかなか難しく、多くの方の理解が必要であるのがこの点に集約される。



最後に感想を!

変化が叫ばれる教育業界だが、これは教育に限ったことではない。
変化に対応しなくてはいけないのは全人類だと言えるし、それこそが「ダーウィンの進化論」ではないが、人間が進化をして来たプロセスと言える。

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教育に関してはある程度ICT導入や探求学習による改革という大まかな流れはある。しかしながら、変革に対しての自分の考えがある。

ある一定の成功法則があり、そこに従えば成功できた過去。
しかし、インターネットの普及により急速に多様性が生まれたことで成功法則というものがなくなって来ている。
教育も同じで、教育の成功法則や子どもの成功法則はない。
「新しい教育のシステムを作る」というと、なんか成功法則を見つるみたいな考えだと思うが、結局のところは「教師も生徒もトライアンドエラーで進むしかない気がしている。」
自分もそうだが、答えを探す教育をされてきた身として、どうしても、一定の型がないと落ち着かないし、子どものためになっているのかわからない気持ちはめちゃめちゃあるけど、ぐっとこらえて「トライ・アンド・エラー」を全力で進めていくべきなのだと思う。

新任教師として、これから「トライ・アンド・エラー」で進む覚悟が必要だと感じている。




13日目終わりました!!

今日は一段と気合い入れて書きました!!
「本」の内容もすごく勉強になったので是非手にとっていただきたいなと思います!📖


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
毎回、読んでくださる方がいらっしゃることにも本当に感謝です😭
チャレンジももうすぐ、折り返しに突入します。

今後ともよろしくお願いします!



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