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日記 一〇二号室

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夜ごはんときもちを記録した日記。 踊る阿呆に、見る阿呆。 踊ってころんでしょげて蹴っ飛ばしてうたって仰いで。 よきもあしきももらったものを消化して、ここに淡々と暮らしを綴る。 ち… もっと読む
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道具のべんりとふべん

二〇一七年二月二十六日日曜日 晴れ 東京マラソン 銀座 自転車 二十万円あったら 三越でおむつ替え 山野楽器と小沢健二 教文館とパペット在庫なし 西友 ロージー 米ばらまき事件 夜ごはんは、厚揚げ、ミートソーススパゲッティー。

サービスエリアのパンは300円

二〇一七年二月二十五日土曜日 晴れ 水戸芸術館へ石川直樹さんの展示を観に行った。やっとゆけた。 かんがえていたこと、ぼんやりずっとひっかかり思っていること、それらを言葉にし、体現している石川さんにこのタイミングで会えてよかった。 夜ごはんは、母によるごちそう。手巻き寿司、肉じゃが、白菜のお漬物、とりにくの南蛮漬け、豚汁。 この日一日のことをふりかえり浮かぶのは、水戸芸術館の外、芝生のうえをうれしそうに歩くのんさんの姿だな。あるくよろこび、生きるよろこび。

スパゲッティの花

二〇一七年二月二十四日金曜日 晴れ 生きるよろこび。 あるくよろこび。 手をつないで、靴を履いて、外を歩くことがほんとうにまあうれしそうで、聞いたことのない声をあげるほどに、なんども見合っちゃうほどに、よろこびに満ち満ちていて。彼女は線をひいてあると思い込んでいるひとが多いそれらをすっとばす。土とコンクリートどちらだって彼女はたのしそうに味わう。鳥を避けるそれは彼女を寄せつける。ごみを集め収集車に乗せるおとこのひとが手をふり、そこはあの魔法の国のパレードのそれみたく変わる

春の電話

二〇一七年二月二十三日木曜日 雨のち曇り 待ち合わせに向かいながら、冬と春のくうきが入り混じる気持ちよさに後押ししてもらい、今しかかけられなさそうと思いながら電話をかける。 (外でかけられる携帯電話のありがたさってこういうことか) 「こんにちは」もしもしではなくてこんにちはと先生は出てくれた。びくびくと、どきどきとしていたけれど、ああこの声だったとうれしいに溶けてゆく。会わないあいだに記憶は、あの声に靄をかけてぼんやりとさせていたことがわかった。生きている。伝えられる思い

塩梅

二〇一七年二月二十二日水曜日 曇り 公園で待ち合わせをして、あの親子といっしょにあそぶ。さむくなったので「家に移動します?」と訊くと「いいですか!?」と来てくれてのんびり過ごしてくれる。適度な気遣いと適度な気の使わなさ、その加減がわたしたちはちょうどよいのだと思う。 「アート教室やりましょう」 わたしにできることは、そうか、そうだなあ、と思った。 夜ごはんは、味噌鍋三日目にうどん。

帰ってきたよ、光

二〇一七年二月二十一日火曜日 晴れ 朝にすこし作業をしようと はやおきすると つきあいのいいのんさんはひょっこりはやく起きてくる お出かけ前にお昼寝できた方がいいかしらと いただきものの 白いスニーカーをおろして 玄関から歩いて出発 風車をみつけて立ち止まる わたしがたたっと歩いたら二分かかるかどうかの道 発見と感動がここにもいくつもいくつもあるのだな できる ことのよろこびをかんじている いつもよりはあっさりとした散歩 それでも大満足というようすだっ

じゃらんじゃらんと春へ曲がるところ

二〇一七年二月二十日月曜日 晴れのち曇りのち雨そして曇り 町に浮かぶ ぷかり浮かぶ その島のような舟のような  あの場所が待ち合わせの場所 傘をさして 夕方に出発することは約束がないとなかなかありません 見慣れない傘に手を伸ばしたり見上げたり 寝起きののんさん このごろよく読むえほん ひもがいっぽんのさいごのページ (ぶううら ぶううら ぶうらぶら) (ぶううら ぶううら ぷらぷらぷら) と傘を揺らすと どこかそわそわがなだめられてゆくよう とつ とつ と

1・1・2は、王様

二〇一七年二月十九日日曜日 晴れ よく晴れている。風はすこしつよいみたい。 帽さんは起きてすこししてから胃が痛むと言ってよこになった。ぐーすかぴー。のんさんは眠りそびれて、わたしの床拭きにお付き合い。そとのようすをみたら、(出たい出たいー)と眠さも相まってぐずり授乳とともにお昼寝。 晴れているけれど、のんびりと部屋で書きものをする日曜日。めずらしい。 おかあさんという役割は、名前は、性別を表すものではないなあ、なんて思う。床を拭きながら。 授乳をしているわたしとのん

3色のおむすび

二〇一七年二月十八日土曜日 曇り 夜雪が降った お昼からお味噌づくり。塩と麹に手がぴりり。豆の香りに包まれるわが家。 昨年はのんさん三か月。わたしがしたのは、大豆を踏みながらつぶすくらい。のんさんはごろんとしていて、授乳しておむつを替えて近くを離れられなかった。麦の麹と玄米の麹をつかっていて、芳ばしい匂いがしたのを覚えている。今年はのんさんはよたよた歩いていて、わたしも動ける。米麹はまあるい甘い香り。 夜ごはんは、ヒデリーナさんのサラダ (水菜、しらす)、ひとみん

春の束

二〇一七年二月十七日金曜日 晴れ 「わあー、あったかい。うれしいー」と声に出してしまうあたたかさ気持ちよさ。このごろではあたたかいセーターと重ねてようやくちょうどいい、日によってはそれでも寒い青いコート。えみおわすのきなりの長袖に、羽織って出てきたけれど厚着しすぎたかしらと思うくらいのあたたかさ。オレンジのカーディガンでよかったなあ、なんて思いながら川沿いを歩く。 あたたかく、日の長い季節が好きなんだなーと再確認する。 のんさんと手をつなぎゆっくり歩く散歩に変わってき

春菊のマーチ

二〇一七年二月十六日木曜日 晴れ 川沿いを歩く。 もくもく手をつないで歩いたり、ちいさなちいさな枯れ草を拾って渡したり、木や草のなかでひとりごとをお喋り。と思ったらとっとっとっ砂利道にはいはいして出てゆく。あるルールに沿って並べられているコンクリートと草のリズムある道をはいはいしていると、耳に意識が集中する。みつめてはそちらへゆきたいと駆けてゆく。あぶないのだよ、つめたいのだよ、とわたしはとめて。うあーんと彼女はうったえて。 またリズムのある道にもどった彼女をみながら

アボカドの返信

二〇一七年二月十五日水曜日 晴れ きょうははじめてこどものともだちの誕生日会に参加する。お招きいただいたのもはじめてで、どんなものなのかわくわくとたのしみだった。なにより一才になる日なのだ。 とてもおめでたい。あたまで思いつつも、あのときのうれしいの実感は忘れてしまっているみたいだ。あした迎える一才二か月はやっぱりうれしく、毎月この日にちには(来た)と思う。よかったと思う。うれしいよかったありがとうは日々ぼっ発していて、通りすぎてゆく景色は霞んでちいさくぼやけてゆくのかな

あまあま三兄弟

二〇一七年二月十四日火曜日 晴れのち曇り 遊びのある生活。このテーマを透かしながらみつめる捉える。おいしいとわかっているあの味を買うよりも、こんなふうにしたらおいしいかしらと試して作ってみる方がたのしく、そしてよろこんでもらえそうだなあと作ることにした。 帽さんママに教わったアムウェイのフライパンでつくる蒸しケーキ。オリジナルはりんごをいれる。帽さんママアレンジはりんごとキウイとくるみ。わたしアレンジはチョコレート、ココア、ばなな、みかん、くるみのチョコレート蒸しケーキ

重力とボクシング

二〇一七年二月十三日月曜日 晴れと曇り きのう、公園にあるお山をのんさんははいはいで登った。途中、「おおー」と言いながら立ち上がったり、あともうすこしというところで急に立ち上がり、歩いて登頂を終えた。たくましくってきらっきらである。 きょうは、お山の脇にある階段をよじ登る。どろっどろになりながらそんなのお構いなしにゆくゆくゆく。ときどき石や木の枝を拾って、プレゼントしてくれる余裕もある。 のんさんがやってきて、こうして子育てをはじめてこのごろ、「生きなくちゃなあ」とぼ