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アボカドの返信

二〇一七年二月十五日水曜日

晴れ

きょうははじめてこどものともだちの誕生日会に参加する。お招きいただいたのもはじめてで、どんなものなのかわくわくとたのしみだった。なにより一才になる日なのだ。
とてもおめでたい。あたまで思いつつも、あのときのうれしいの実感は忘れてしまっているみたいだ。あした迎える一才二か月はやっぱりうれしく、毎月この日にちには(来た)と思う。よかったと思う。うれしいよかったありがとうは日々ぼっ発していて、通りすぎてゆく景色は霞んでちいさくぼやけてゆくのかな。

浮き足立っていたのか早起きをしててきぱき動く。帽さんを見送ってから洗濯物を干し、床掃除をしてポテトサラダをつくりはじめてみたりする。眠そうにしていたのわかっていたのよのんさん、すまぬ。お祝いと、ポテトサラダを持って出発。

集まってみると、わたし以外はみんな同じ病院で出産している方だった。オーストリア、フランス、チェコ、日本、日本。子育ての話をしていても、教育哲学だけでなく、そもそも文化が異なる。暮らし方が異なる。みる点が狭くなく視界がひろがってとってもかろやかなきもち。異なる文化に触れて暮らしている彼女たちにはおおらかな風が吹いているように感じて、わたしはとてもきもちがよかった。こんな風に触れていることの必要性をぽっぽぽっぽしながらかんじている。

夜ごはんは、ソーセージ、春と冬のやさい炒め、ポテトサラダ、厚揚げ、重ね煮のお味噌汁(生姜、ぶた肉、椎茸、きゃべつ、さつまいも、玉ねぎ、人参)、鮭とごぼうと舞茸の炊き込みごはん。

お風呂で読んでいる岡本太郎さんの『今日の芸術』。彼は何にでもなれたのだろうなと思う。わかりやすく、そして、選ぶ言葉がうつくしい。共感したところ、!が浮かぶところに鉛筆で線をひいているのだけれど、何箇所か言い回しの妙に線をひいてしまうほど。

同世代として生きていたら、近くに彼がいたら思わず恋をしてしまいそうだ。帽さんもそうだが、ある事柄を明快にして伝えることのできる翻訳家。話をぐんぐん聞きたくなる。もっと聞かせてとページをめくる。

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