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じゃらんじゃらんと春へ曲がるところ

二〇一七年二月二十日月曜日

晴れのち曇りのち雨そして曇り


町に浮かぶ ぷかり浮かぶ その島のような舟のような 

あの場所が待ち合わせの場所

傘をさして 夕方に出発することは約束がないとなかなかありません


見慣れない傘に手を伸ばしたり見上げたり 寝起きののんさん

このごろよく読むえほん ひもがいっぽんのさいごのページ

(ぶううら ぶううら ぶうらぶら)

(ぶううら ぶううら ぷらぷらぷら)

と傘を揺らすと どこかそわそわがなだめられてゆくよう

とつ とつ と 傘にあたる雨のすこし乾いた音

雨が降り始め 風向きが変わった

ほんのりあたたく 春のにおいがした

春への曲がり角


カリンバ けんだま はじめまして

ぱくりぱくりとごはんをほおばりながら ご機嫌

相席は二人の学生さん 彼女たちはそれぞれのうつくしさに気づいている


授業を終えた二人 やって来て

円卓を囲むくうき 賑やかに朗らかに ぴらりらぱっぱー たとたとすうー

おしまいの時間をぐぐっとおして おひらき

帰り道 雨は止みました


「雨が降ってから あったかくなった きょうの雨は春のにおいがして」

「そうそう 春のにおいがしたね きのうが雨水 雪から雨に変わる日だから 二十四節気はほんとうよくできている」


夜ごはんは、ひらめのお刺身、味噌鍋(椎茸、白菜、大根、とりもも、鶏団子)。

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