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春菊のマーチ

二〇一七年二月十六日木曜日

晴れ

川沿いを歩く。

もくもく手をつないで歩いたり、ちいさなちいさな枯れ草を拾って渡したり、木や草のなかでひとりごとをお喋り。と思ったらとっとっとっ砂利道にはいはいして出てゆく。あるルールに沿って並べられているコンクリートと草のリズムある道をはいはいしていると、耳に意識が集中する。みつめてはそちらへゆきたいと駆けてゆく。あぶないのだよ、つめたいのだよ、とわたしはとめて。うあーんと彼女はうったえて。

またリズムのある道にもどった彼女をみながら、目に入るものすべてが(なんだこれは)のこの時期に音を鳴らしきらきら照って流れてゆく透明の水の束をみつけたら、と思った。駆けてゆきたくなるよなあ、それはもう。さわりたい、近くにゆきたい、それはとっても。なんでだめなのと思うだろうなあ。

夜ごはんは、春菊ととりと椎茸の柚子胡椒炒め、ポテトサラダ、冬と春のやさい炒め、しょうが焼きごはんプレート(きゃべつのっけ)。

そういえば、のんさんは葉物の生やさいを口から出す。それはきっと外に生えている草と同じようなものと整理されているからかな、と帽さんに話す。昔は生のやさいは毒のあるものもあったからそもそも生のものはたべなかったのだそうだよとおしえてもらう。本能は知っている。こどもは知っている。あたまにつめこんでも、からだにきく術をわすれないようにわすれないように。

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