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【書評】「死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33」で人生を知る

生きたくても生きられない。

余命宣告の先にあった患者さんの心とは…?

「死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33」は、

緩和医療医である大津秀一さんが終末期患者さんとの心の触れ合いを33のエピソードとしてまとめられたものです。

患者さんと触れ合い、心の声を聞いている著者だからこそ書ける内容だと思いました。

「死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33」を読んで

死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33」は、

末期がん患者さんとの対話をまとめたものです。

一つ一つのエピソードはとても短く、まるでショートストーリーを読んでいるかのように読みやすかったです。

死を目前にした方の最後のメッセージは重く、また深い優しさを込めた真実の言葉は心温まるものがありました。

確実に目の前に迫る最期のなか、人生を振り返り、後悔、悩み、苦しみを伝えます。

自分のほんとうの最期を知ったとき、まともでいられる人はいない。

悩み、苦しみ…。

やがて患者さんはそれぞれ自分なりの覚悟や心の自由を得、そしてこの世を去っていきます。

今を生きる我々にとって、遠い存在と思える「」。この本は我々に死に対する考え方、今の生き方を教えてくれます。

僕の義父もがんだった

正直、涙無しには読めなかった。僕の義父は、がんで亡くなりました。

胃がんです。

当時、「最近お酒を飲む量が減ったな」とは思っていましたが、まさかがんだったとは。

義父本人もちょっと変だな、くらいの感覚だったようですが、家族のすすめで病院に行ったところ…

ステージ4。

全身に転移していました。

余命宣告半年。

元気だった義父は次第にやつれ、細くなり、最後は自分で食事も取ることができず亡くなりました。

何もしてあげられなかったなと今でも後悔しています。悔やむ気持ちは消えることはありませんが、この

「死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33」

を読んだおかげで心が少し軽くなった気がしました。

身内にがんで亡くなった方がいる人には、この本は心に響くものがあります。

人は、生きていれば必ず最期がやってくると知ってはいても、実感することなく暮らしています。

命の尊さ、言葉の大切さを知るためにも、
「死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33」は、多くの方に読んでもらいたいと思います。

隣の人はうらやましい?

余命数ヶ月。

明日死ぬかもしれない。

そんな状況になったとき、隣に元気な人がいたらどんな気持ちになるだろう?

僕だったら、

「うらやましくて悔しい。できることなら代わってほしい!」

と思うに違いない。

しかし、現実は…

「そんなこと考える余裕なんて無い!」

「隣の人と比較したって意味が無い。無意味なんだ」

これは、実際に患者さんが発した言葉ですが、死を意識した人と、死を想像する人では

感じ方が全く違う

ということが思い知らされます。

人生を知る

自分の最期を知ったとき、頭の中は真っ白になり、過去を振り返り、現実を知り…。

まだ成し遂げていないこと、後悔の念…。

様々な思いに目の前が真っ暗になると思います。

人生の終わりを知った方々の本音、心の声は今を生きている我々に深いメッセージとして心に残ります。

「今まで信じないで生きてきた。
本当は知っていたはずなのに。
いつか終わりが来るってことを。」

患者さん達の最後のメッセージに、僕ははじめて「人生とは何なのか」を教えてもらった気がします。

この本で伝えてくれたこと

自分なりに読み解いてみると、死を目前にしたとき、人は「手放す」ことの本当の意味を知るのではないかと思う。

家族、友達、知人、財産、今後続いたであろう未来…。

すべて置いていくしかない。

持っていけない。

「つらい。悲しい。」

しかし…。

最後にはすべてを手放す覚悟をし、
別れを告げる。

生きる意味。

生きた証。

この
「死ぬときにはじめて気づく人生で大切なこと33」は、今を生きる我々の心に深く残ることでしょう。

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