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僕はこの人に会って、講演家になる道をやめた

情熱大陸を待ちきれなかった男

友人の会社が10周年イベントに招待されて向かった先はお台場アクアシティにある映画館だった。

映画館に入ると、その男の写真に「情熱大陸」のロゴが綺麗にレイアウトされた画像が映し出されたスクリーンが待っていた。

600人が入る大きな映画館が1席ごとにソーシャルディスタンスを取り「使用禁止」と書かれた張り紙。

会場にはドキュメンタリー番組「情熱大陸」のテーマソングである葉加瀬太郎の「情熱大陸」が流れ、会場の雰囲気を静かに盛り上げている。

「成瀬 拓也 様」と自分の名前が書かれた招待席に案内され、座って改めてスクリーンを見上げる。

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ん、待てよ?

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ん??

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かも、ねつ、たいりく・・・鴨熱大陸!?

スクリーンには「情熱大陸」ではなく「鴨熱大陸」と映し出されている。

そう、今日は鴨頭 嘉人(かもがしら よしひと:以下、鴨さん)の鴨熱大陸の上映会なのだ。情熱大陸に出たいという情熱が鴨頭の熱となって大陸になったのだ。

ちょっと何を言っているのか自分でもよくわからないが、「俺は情熱大陸に出ることは決まっている」と10年前から言っていた鴨さんはついに情熱大陸、いや鴨熱大陸を待ちきれずに自分で作ってしまったのだ。

しかも、都内で最大規模の映画館を貸し切って、上映をするのである。

鴨頭嘉人という男を知っているだろうか?

鴨頭嘉人と検索すればすぐに鴨さんと呼ばれる男がどれだけヤバいのかはすぐに気がつくだろう。

↓鴨頭沼に落ちる覚悟のある方は下記のgoogle検索バーをクリック

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鴨頭 嘉人(かもがしら よしひと)
株式会社東京カモガシラランド 代表取締役社長

話し方の学校 学長/スピーチ研究家/スピーチコンサルタントほか
19歳で日本マクドナルド株式会社にアルバイトとして入社。マクドナルド3300店舗中、 お客様満足度日本一、従業員満足度日本一、 セールス伸び率日本一を獲得し最優秀店長で表彰される。米国プレジデントアワード。米国サークルオブエクセレンスと国内のみならずワールドワイドの表彰も全て受賞する功績を残す。
2010年に独立起業し株式会社ハッピーマイレージカンパニー設立(現:株式会社東京カモガシラランド)。話し方の学校を運営、出版社『かも出版』を設立。現在は人材育成・マネジメント・リーダーシップ・顧客満足・セールス獲得・話し方についての講演・研修を行っている日本一熱い想いを伝える炎の講演家として活躍する傍、著者としてもリーダー・経営者向け書籍を中心に15冊(海外2冊)の書籍を出版する作家としても活躍。
さらには「良い情報を撒き散らす」社会変革のリーダーとして毎日発信しているYouTubeは総再生回数は1億回以上再生され、チャンネル登録は100万を超す、日本一のYouTube講演家として世界を変えている。

一言で言うと、元マクドナルドの伝説的な社員でチャンネル登録100万人を超えるYoutube講演家なのである。

鴨さんのYoutubeチャンネルのURLを調べようと思って、Youtubeで検索してページに飛んだら、大音量で(PCの音量がかなり大きくなっていた)「それではスタートします!」と横須賀線グリーン車に響き渡った(汗)。

出会いは10年前

Youtubeが凄い!というのはこの3年くらいの話で、実はそこまでの道のりは決して平坦ではない。

僕と出会った10年前はマクドナルドを退職し、講演家として歩み始めたばかりの頃だった。講演家として歩み始めたばかりというと、まだ実力がないように聞こえるかもしれないが、ある意味、当時から型破りなスケールの講演家だった。

僕が印象的だった鴨さんの講演会の話をしよう。

司会者が鴨さんのプロフィールを紹介をし、マイクをもった鴨さんが登壇。そして、一呼吸おいて、話し始める…と思いきや突然「私はみなさんのことが大好きです!」と真顔で叫んだのである。

はい。あなたの想像は正しい。会場はドン引き

さぁーーーーっと潮が引いていくように、聴衆が引いていくのがわかった。

色んな講演を見てきた僕としては「あちゃー、やっちゃったな」と。

ところが、鴨さんはまったく怯む気配はない。いや、怯むどころかさらに熱を帯びながら、熱く、語りかけ続ける。

自分の生い立ち、コンプレックス、自信が粉々に崩れ去った失敗体験、そして自己否定と改革、成功への歩み。感謝。感謝。そして、感謝。

熱い。熱すぎる。

「さぁ、飲んで!」と湯呑の中でゴボゴボと沸騰しているお茶を力強く突き出すくらいに熱い。

もう熱すぎて飲めない。普通は飲めない。でも、泣きながら「さぁ、飲んでください」ってなったらもう受け取るしかない。

なぜ、この人はこんなに自分に真剣に思いを語りかけてくるんだろう・・・」ともう何がなんだかわかりません。

でも、引ききった潮は徐々に戻ってきて、気がつけば、波となって押し戻ってくる。

講演のクライマックスには会場に涙をすすり泣く声がいたるところから聞こえてくる。そして、最後は会場は感動の渦に巻き込まれている。

もう意味がわからないレベル。

実際、僕も意味わからないのだから、意味わからない人の方が正しいはず。ただ、一つ悟ったのは「この人は愛を伝えているんだ」ということ。だから、最終的に愛が伝わってこみ上げてくるんだ、と。

こんな講演家、今まで会ったことがなかった。

成瀬拓也と鴨頭嘉人

桁違いにすごい講演をする鴨さんだが、残酷にも講演家という職業の仕事は実績と人気によって決まるところがある。

オリンピックで金メダルをとった選手や、箱根駅伝を優勝に導いた監督は引っ張りだこで、さらに非常に高い講演料が支払われる。

どんなに凄い講演をしても、無名という名の元には次から次に仕事が入ってくるということはなかなかない。

それでも、マクドナルドで働いてきた経験から、「サービスパーソンが承認される社会をつくるんだ!」といつも語っていた。

その思いにうっかり共感したら最後、気がつけば僕も鴨さんの活動を応援している。

渋谷のクラブで、ロック・スターの格好をして「アファメーションロック」なるパフォーマンスをしたり、鴨さんの会社の1周年・2周年のイベントを演出・プロデュースしたり、気がつけば、一緒に時を過ごすことが多くなっていた。

その後はSNSで少しやり取りをするくらいになったが、数年前からYoutubeが伸びに伸びて、あっという間に今に至っている。

情熱大陸よりも情熱的な鴨熱大陸

話を戻すと、上映された鴨熱大陸には、創業から10年間、会社としてはまだまだうまくいかず苦しかった時期とYoutuberとして成功していく様が描かれている。

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奥様と、創業期からずっと鴨さんの手足頭となり支えてきたNO.2の佐藤 弘樹(通称、ひろきんぐ)のただただ鴨頭嘉人という人間が成功するということを本人以上に信じて支える姿が度々映し出されていたのが印象的である。

映像が素晴らしいのはもちろんのこと、僕が少し疎遠になっていた空白の数年も変わることなく、自分の信じる夢を語りつづけ、「絶対にできる!」と言い続け、自分にも言い聞かせ続けている姿。

そして、Youtubeが注目されはじめ、ついにYoutubeチャンネル登録102万人を達成していくというストーリー。僕も当時を思い出し、胸が熱くなるのを抑えきれない。

今でこそチャンネル登録100万人突破で人気Youtuberのように言われるが、始めた10年近い前は誰も知らない。

Youtube広告に90分の講演全編を流すとか常軌を逸していて、スキップしないと延々と講演が流れる。しかも並の熱苦しさではない。もう鴨テロ。画面越しにでも視聴者の潮が引いていくのが想像できる。

「この広告のハゲがしつこい!」とアンチのコメントがネット上にちらほらあがる一方、「鴨頭嘉人って誰なんだよ。90分もする広告を全部見ちゃったじゃねえか。涙が止まらねぇよ。感動だよ。何なんだよ。」とコメントされるほど。

普通は心が傷つき、つらくなってやめちゃうと思う。それでもやり続けてきた。そして、ついに多くの届くべき人に届き、とうとう本当の人気者になっていく。

10周年のパーティーの中でも鴨さんは言っていた。「非表示にしているだけで、1本の動画に数百から数千のアンチコメントがつくことありますよ。でも、そんなアンチコメントよりも『鴨さんの動画のおかげで救われました』と言ってくれるがいることの方が大事なんです。だから、止めるわけにはいかないんです」と。

僕は講演家という道ではなかった

これほどまでに講演に情熱を込められる人はいるのだろうか?と思わせる程の情熱。僕は鴨頭嘉人という男に出会い「講演家として鴨さんを超えることはできない。ならば別の山を極めよう」と潔く思えたのだった。

だからこそ、講演家として、人からなんと言われようと、思い通りにうまくいかなくても、信じた道でやりつづけて結果を出したことは素直に嬉しかったし、「俺も頑張ろう!」と心底思うことができた。

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挑戦している人は心を打つ

僕はよく「応援と挑戦の循環」という表現を使う。本気で挑戦をすることで多く人に応援され、その応援した人が「次は自分が!」と挑戦する情熱をもらう。そして、その人が本気で挑戦することで多くの人に応援され、またその応援した人は「次は自分が!」と挑戦する情熱をもらう。

まさに応援と挑戦を通した情熱の循環。いや、コレが鴨熱なのかもしれません。

サクッと書こうと思った話が10年の思い出が蘇り長くなってしまったが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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鴨さん、10周年おめでとう!そして、これからもますます輝いてね!

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