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ロンドンのエンタメを堪能。ライブ・ミュージカル・映画【2024イギリス旅⑤】

2024年2月、ロンドン中心に10日間ひとり旅してきました。
前回記事はこちら

今回は、ロンドンで堪能した様々なエンタメについて。
ライブ、ミュージカルのほか、現地で映画も見てきた。


ライブ:あいかわらず観客の熱が最高。

前回の渡英で、すっかりロンドンのライブにハマってしまった自分。

今回の渡英でも、ライブを2つ見に行った。

2024/02/22(Fri) The Deep Blue-Live at COLOURS HOXTON London

初めて知った4人組バンド。
apple musicで試聴したらイイ感じだったので即決。チケットは£14.85。
ジャンルはindie forkとなっていたが、聴いた感触はaltn rock寄りのfork。

会場となるCOLOURS HOXTONは、ショーディッチにあるライブハウス。
ただし入口はこんな感じで、ライブハウスっぽくない。

最初、場所を間違えたかと思った

中に入ると、普通にパブというかバー?

おい、飲み屋やんけ、ホントにライブハウスあるんかな・・・

奥に進むと、けっこう立派なハコがある。150~200人ぐらいかな。
音響もよく、照明も立派。
こういうハコが毎日ライブできているロンドンの音楽環境、素晴らしい。

人も多い。最終的には9割がた埋まった

オープニングアクトを経て、The Deep Blueの登場。
実はこの時風邪気味で、壁に寄りかかり朦朧としながら聴いていたので、最初の数曲は記憶がない(笑)

後半は(自分の体調がすぐれたのもあって)盛り上がりをみせ、観客に呼応し本人たちもかなりノッた演奏を見せる。ライブは盛況に終了。
この旅で観たバンドで一番よかった。
帰国してからもヘビロテしている。

このバンド、youtube登録者数が290人、動画の再生回数も数百~2,000ぐらいと、日本人の感覚でいったら「どインディー」なのだが、立派に200人ぐらい集客していた。
見る限り身内ばかりという訳でもなさそう。一人で静かに見ている客もちらほら。ステージも堂々たるもので、身内ノリは全くない。

どうしてこういうことが可能なのか。
その理由は分からない。が、
現実として、ロンドンでは可能で、東京では難しいということ。

逆に言えば、日本だって文化変えれば伸びしろあるんじゃないか?と思った。

2024/03/01(Fri) Adwaith-Live at THE LOWER THIRD London

こちらも初見のバンド。apple musicで試聴し即決。チケットは£17.5。

こちらは王道のindie rock。ベースラインが心地よく期待していた。
会場はSOHO近くにあるThe Lower Third。
最寄りのTottenham Court Road駅から、少し散歩しながら向かう。

昼間のTottenham駅周辺。にぎやかなエリアだ。
Tottenham Court Road駅の横にある全天型サイネージ。なかなかのスケール

さて、会場に到着した。のだが・・・
これまた、輪をかけてライブハウスには見えない外観なのだ。

これもうパブでしょ。最初、間違えたかと・・・

でも奥に進むと、この通り。
小さめのハコで、MAX100人ぐらいかな。

ここ、帰る時はTottonham駅に直通かってぐらい、立地のよいハコだった。

さて、オープニングアクトがはじまった。
Melin Melynという4人組バンドだ。

なんか、クセになるビジュアル

揃いのサンバイザーで現れた、コミックバンド的いでたちの彼ら。
聴いてみると『滅茶苦茶にふざけたくるり』みたいな音楽で、ツボに入る。演奏もうまい。
ステージ中央にサックスが鎮座している。が、活躍する気配が全くない。
結果、触ったシーンはわずか1~2度で、「それ要らないんじゃ」というツッコミ待ち状態だった。

40分ほどのアクトの後、メインのAdwaithが登場。

やっぱりベースの子がうまかった

このステージもかなり盛り上がったのだが、少し音響が残念に。英国では初めてそういう状況に遭遇した。Melin Melynに合わせすぎたか。

パフォーマンスは激しく、会場がじっとりと熱を帯びていく。
ボーカル兼ギターのエネルギーが正面からぶつかってくる。横ではベースが身体ごとうねっている。観客がそれに呼応して吠え叫ぶ。
あぁ、素晴らしい。

今まで都合3回、インディーのライブを中心に見たが、
英国ライブ、はずれがないわ。

英国ライブ事情いろいろ

ロンドンでライブ観る際に、知っておいたほうがいい点をまとめてみた。全てがこの限りではないと思うが、こういう傾向は間違いなくある。

その1:チケットにはdoor open(開場)時間のみ。

どのチケットにも、door open(開場)時間は書いてあるが、開演時間が書かれていない。概ね1時間後に始まることが多かった。

その2:ドリンク付きチケットがない(少ない?)

入手したチケットは全てドリンク別だった。ただ上記の通り開演時間まで時間にゆとりがあり、結果、飲んでしまう。
立派なバーが併設されているハコも多いあたり、開演まで一杯・二杯やって待つのが文化なのかもしれない。

その3:オープニングアクトがある(たぶん)

チケットに記載があるケースも無いケースもあったが、どのライブにもオープニングアクトがあった。(メジャーアーティストだとその限りではないかも)
結果、メインが出てくるのは開場の2時間後だったりする。

その4:バンドのパフォーマンスは短め

オープニングアクトが40分程度、その後20分のセッティングを挟みメインが1時間前後という形式が多い。
メインは曲数にして8~10曲程度といったカンジか。

その5:チケットが安い

安ければ£10ちょいから、高くても£20も出せば、立派なバンド、そしてオープニングアクトと合わせて計2バンド観られる。
ロンドンでは、食事等と比較してかなりコスパの良いエンタメだと思う。

おまけ:チケットの入手方法

今回いくつかの方法を試してみたが、結果、一番使いやすかったのはticketmasterだった。
エリア、ジャンル、日付で検索でき、自分の好みに近いライブが探せた。利用の簡単なプロセスは、以前、下のnoteにまとめたので参照を。または検索すれば色々出てくる。

他には、ticketmasterから誘導されることも多いtikcetwebがある。
ここはデジタルチケットの管理がラク、購入前に音源も確認しやすい、とメリットの多いサイト。
個人的には検索性に難があり、ticketmasterでいいかな。という結論。

現地で人気と聞いたDiceというアプリも試してみた。
ソールドアウトのチケットのキャンセル待ちができたり、現在地からライブを探してくれたりと便利なアプリ。
だが、結構クラブイベント系が多く、僕の好きなジャンルが探しにくかったので活躍することはなかった。

いずれにせよ、前回の渡英でも感じたが、ともかく観客が最高なのだ。
本場のシンガロング(sing-along)の迫力をぜひ生で感じてほしい。
フジロックとかで時折感じる非日常的な開放感は、ロンドンでは日常に、すぐ近くにある
ライブに、行こう!

やっぱりクセになる、このビジュアル

ミュージカル:観劇が文化となった国で感じた、完成度の高さ。

ロンドンに来ると分かるが、地下鉄などにミュージカルの広告が多い
今回の旅で、ぜひ体験したいと思っていた。
僕は、日本で演劇は見たことあれどミュージカルは未経験
ハードルを少しでも下げるため、外れがなく映画で予習可能な「Les Misérables」をチョイスした。

チケットは、公式サイトから日本で事前購入。
VISIT LONDONサイトは、メジャーなミュージカルを一覧で見れて、ダイレクトに購入に飛んでいけるのでお勧め。

さて、公演当日。
ロンドンの中心地である、ピカデリーサーカスに降り立った。

ロンドンで唯一、サイネージがまぶしい場所
賑わうSOHOを散歩しながら、劇場に向かう

2024/02/27 ミュージカル「Les Misérables」

圧倒的に見慣れたこの肖像画

中に入ると、クラシカルかつ豪華な劇場だ。
バーが併設されているが、トイレが近い僕は遠慮し、早速客席へ向かった。

ここで、レミゼのチケット種別について。
Stalls(1階)、DressCircle(2階)、GrandCircle(3階)に分かれている。
価格帯は、一番安い席は£50ほどから、一番高い席は£200超え。最も多い席は£100前後だと思う。
僕は今回、DressCircle(2階)の前から4列目の席を取った。価格は£99.50

これが、DressCircle4列目からの眺め
実は、オーケストラのユニットが、ステージの下に隠れている。

開演直前には満席となった。お酒を片手に見る人も多い。
そして、開演。

そして、終演。
あっという間の約3時間。

  • 「完成度に圧倒された」というのが第一印象。

  • 演者もすごいが、美術や演出がすごい。

  • 特に美術は「どこにこんなセット隠してるの」てぐらい、重層的に色々なセットが入れ替わり圧巻。

  • 幕間があり、15分の休憩を挟む。その時間がいい。

  • 群像劇だけあって、演者の数も多い。数の迫力

  • かわらず観客が素晴らしい。最後はスタンディングオベーション。

とポジティブを色々書いたが、
あくまで個人的に、ちょっと期待を下回ってしまった要素もある。

ひとつは、音響。
DressCircleで観ると、マイクが良すぎて、演者やオケの音を拾いすぎ、生音よりマイク音のほうが耳に残った。
コンパクトな劇場だからこそ、もっと生を感じたかった。が、それはStallsのもっと良い席で感じろということかもしれない

もうひとつは、予習のミス。
予習した映画自体がミュージカルなので、同じフォーマットだと無意識に比較してしまう。もちろん生の迫力はこちらが勝るのだが、上記の通り音で生の迫力が薄れてしまったのが残念
いずれも、ごく私的な感想なので悪しからず。

どちらも、自身で解消できるネガティブなので、
次回はもっと良い席で、予習はほどほどに(英語わからんから予習は必須)したいと思う。
英国でかなり評価の高い「となりのトトロ」(日本語で予習可能)か、3/6から始まったマイケルジャクソンを題材にした「MJ」(予習不要そう)あたりに興味がある。

あと、日本でも、劇団四季のミュージカルを観てみようという気になった。

映画:異国の地で邦画を見る。よく笑う英国人。

10日間の滞在で、観光の合間に時間が余った時に。
ロンドンで邦画が2本も観れるなんて、偶然だが良い時期に渡英したと思う。

2024/02/22 「The Boy and the Heron」(君たちはどう生きるか)

日本で観る機会を逸していたので、純粋に楽しみにしていた。

昨年12月に撮った駅看板

チケットは日本とほぼ同様に、ネットで購入可能だ。
googleで検索して、近場の映画館と時間を選んで購入した。まだ公開している館がけっこうあった。Subbedを選んだので当然日本語で観れる。

街中では「ODEON」グループをよく見かけるが、どれもちょっと古びた映画館。日本のシネコンみたいにピカピカの施設は少なかった。

受付も簡素。立ってるスタッフにチケット提示して入るだけ。
公開から経っているので、1割程度しか埋まらなかったが、アジア人は僕だけだった

映画の感想は置いといて、
英国人はよく笑っていた。さすがにクスクス笑いに毛の生えた程度だったが、笑いどころは日本より多かったのではないだろうか。

2022/02/29 「PERFECT DAYS」

イギリスでも2/23に公開した「PERFECT DAYS」

リヴァプールの映画館で観た。こちらも当然ながらSubbedで。

隣のポスターは、是枝監督の「怪物」
標記通り、ギャラリーが併設された単館系の映画館だった

こちらは2割ぐらいの埋まり。アジア人は僕だけ。
こちらも英国人はよく笑っていた。詳細は省くが銭湯のくだりなど。
あと、イギリスは公衆トイレという概念が皆無なので、あんなに公衆トイレがあること自体、いいカルチャーショックだと思った。

終わったあと、後ろで観ていた年配の女性が、僕を見て「good movie」と言ってくれた。
嬉しかった。

さいごに:やっぱり、観客がエンタメの質を上げる。

これには二つ意味があって、
一つは、顧客が体験する時、周りの観客の反応が顧客体験の質を高めるということ。
もう一つは、観客のレスポンスが豊かなほうが、結果、創作側の質を高めるということ。

今回の渡英で改めて、ライブのエンタメは、やはり観客のリアクションが濃いイギリスに、一日の長があると思った。
が、日本だってアニメなどのエンタメでは、youtubeのプレミアム公開などを介して、観客がエンタメの質を高めることが出来ている。
エンタメも(当たり前だが)国民性が大きく影響し、向き不向きがあるのだろう。

ということで、ロンドンに来たなら是非一度、ライブのエンタテインメントを体験しよう!
ライブ好きなロンドンの観客たちが、僕らを開放してくれるので。

ロンドンは、これが通常運転です


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