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【短編小説】 ひらめき

国立国会図書館でたくさんの本を読みました。なかでも、ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』、ローベル・ブレッソン『シネマトグラフ覚書』の2冊が面白かった。

『シネマトグラフ覚書』は、坂本龍一が『新潮』での連載「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」で紹介していたので読んでみたのでした。パスカル『パンセ』のような形式でテクストが編まれていて、読者が主体的に行間を補っていく、このスタイルで書かれている書物を、僕はたいへん好ましく思うのだが、そのことを友人に伝えると、僕みたいなタイプの人間は少数派であることを思い知る。それは、僕が純粋な読み手ではなく、書き手としてテクストを読んでいる、ということと関係しているのかもしれない。

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