バルーンフェスタに惨敗、有田へ ②
「明日の朝食のルームサービスが可能ですが、何時にしますか?」
「え、ルームサービス?(ラッキー!ヒャー!)」
素泊まりのはずが。
遠距離運転で疲れた夜の 私たちに甘〜い誘い水。
「朝は僕、やっぱり珈琲飲みたいな。ゆっくりトイレにも入りたい」
嗚呼、あれが今振り返ると 失敗の始まりだったか。出発の遅れ、アチャー取り返せず。
何もない佐賀の川べりに、秋の数日だけ世界中から集まった沢山の気球が上がる。友達でも娘達とでもなく、その夢のような光景を夫と2人で見てみたかった。佐賀バルーンフェスタである。日程が発表された春に(節約のため夏休み返上)11月の九州旅行を結実させるべく予約を入れた。
しかーし、佐賀の一大イベントの気球の滞空時間や、地元民の関心やアクセス状況を私は知らな過ぎた。
・「大手のホテルなら、会場までのシャトルバス(タクシー)がある?」
→ ない。
・「熟知した会場スタッフがキビキビ、混雑回避に誘導してくれる?」
→ 全員「え?私たち(何にも)わかりませ〜ん」
手振りライト持たされた 素人のおじさん寄せ集め。慣れない混雑に、ただオロオロ。
・真っ暗な中、会場への距離感や案内標識、そういうものが全くない。
「佐賀の人はさぁ、なんでだろね〜あんなに混んでも、何時間も待たされてもさ、毎年やっぱりバルーンが見たくなるんだなぁ」
近所の商店も迷わず閉めちゃう。タクシー運転手も、お巡りさんも、みんな休みを取って家族で土手へと出かける。ね、商売しようよ。
で「合理的に会場を改善しよう」という認識にも欠ける。道路は全く動かなくなって、気球に乗る選手グループも会場に入れず、開始時間が遅れたり。土手とイベント広場、ぎっしりの人、会場はずっと迷子(爺さんを探す子達もw)アナウンス流れてました。
◆ 市街を脱け出し、有田へ
★ ユウキ ハヤマ ギャラリー & カフェ
掬い取られたような鉱山跡地、黒髪山や里山の美しい景色も独占するロケーション。
「こんなところに?」
傾斜の上に、このドラマティックな地形を包括する全面ガラスの建物がある。別世界に迷い込んだようでワクワクする。
彫刻家・葉山有樹のアトリエ&ギャラリー&カフェだ。
娘さんらしき人が ニコニコ歓迎してくれる。私達2人だけで寛ぐには、ちょっと贅沢な気がした。
地元に詳しい(隣町出身)この建築家が この場所を見つけて来た。
★ 泉山磁石場
かなり歩かないとたどり着かない場所なのかと思えば、公道からすぐの距離にこの名所はあった。上質な土が掘削出来る場所である事を韓国の陶工がいち早く見つけて、ほぼ掘りおこした跡。これが窯焼きの文化を栄えさせた有田焼の原点なんだな。
★ 陶山神社
陶工たちで賑わっていた名残りの、有田焼の神社だ。
⚫️ トンバイ塀
登り窯のための耐火煉瓦(トンバイ)の廃材などまで赤土で塗り固めた有田だけにある塀。ま、雑っちゃ雑だけど、運良くうまいこと味になってる。
★ 有田焼の絵付け体験
初の夫婦での絵付け体験。
私「よーし、勝負だ!」
夫「どうしようっか」
私「動物の(絵の)皿が欲しいから、動物でよろしくう〜」
有田焼でも、赤や黄色もあるのかと思ったら、青一色だった。残念。
私「あたし、虎が良かったな」
夫「(ニコニコ)」
小筆の先が1本長く、妙にキレの悪い鬱陶しい線に残り、イライラ。
私「マジックで描きたい」
夫「筆を寝かしちゃダメだよ。立てて、そう上手。」
私「こんな?」
夫「いいよ、そうそう。必ず筆を立てて。そう、上手い!」
ウチの夫は、絵を生業としてるので、とにかく余裕で優しい。元同期の私だけ、妙に鼻息荒くムッチャ勝気…やだ、あさまし。私、あらあら反省。
「まとめて焼きますので、少し遅れますが」
「あ、大丈夫ですよ」
と言ったものの1ヶ月半、まだ届きません。年内には来るかなぁ〜ちょっと楽しみ。
夜道は疲れるので、慌てて佐賀市内に戻り、ホテルで教えてもらった「活きイカを食べさせてくれる店」へ。
★ いけす海幸
★ 大分 由布院へ
佐賀から大分 由布院へ、どこにも寄らず向かう。途中から大分の高速道路に乗ると、何だか味わった事のない感覚が。
あ、この高速道路はかなり高所(富士急ハイランドのジェットコースターみたい)にあり、山並みを抜ける時、一瞬パノラマに美しい景色が広がったりする。その景色は大陸的な雄大さがあり、伊豆や信州のとは違う。佐賀のETCの使えない地味な1車線高速道路とは違い、大分の多車線の優雅な道路に地方の経済格差を感じる。高所恐怖症の私はかなりドキドキヒヤヒヤしながらも、くじゅうの緑深い山々を見下ろすように連続カーブで車は快調に抜けて行く。
ハロー、由布岳!
はじめまして。大分、由布院到着です。
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