君への手紙②
そして、君が後ろから爽やかに現れた。
私は高まる鼓動を押さえつけるのに必死。
そして、そんな中、
友だちカップルが待つ所へ。
みんなは気づいたよね。
なぜ、友達カップルと
待ち合わせをしなかったの?
と、思った人も居たと思う。
それは、君との2人での時間を
少しでも欲しかったからです。ふふ。
友だちカップルと合流して、
まずは、プリクラで記念撮影。
距離が近くて、肩が当たって
もう気が気ではなかった。
そして、映画はもちろんラブコメディ。
ドキドキが違う方へ向いてしまって、
もう心は大忙しでした。
君とこんな風になれたら
どれほど幸せだろうか。
と感じました。
その日は、映画の後に、
楽団の練習があったので、
友だちカップルとお別れし
そのまま2人で楽団の待ち合わせ場所へと。
楽団ではギターの先生と
君の話で持ちきりだったんだよ。
「デートはどうだった?」と
聞かれた時、その言葉に
(デートなんだ)と1人で舞い上がり、
「デートだなんて!もう!
そんな恥ずかしいじゃないですかぁ」と、
先生に言いつつ、満更でもない顔で
プリクラを見せたり、嬉しすぎた事を
これでもかってくらいに、話してた。
後に、先生から同い年の生徒へ渡り
そこから君へ、全て筒抜けだったと
知ってからは、恥ずかしくて
顔から火が出るかと思ったよ。
そこから、毎日、lineでの
やりとりが続いたね。
私は返事がくるだけでもどきどき。
ある日、いつものように
他愛ないやり取りをしていると、
君が「君の家から近い距離にいるよ」と
話してくれて、私がノリで
「それなら最寄り駅まで
来てくれたら会えるよ」と冗談っぽく、
だけど、ほんの少しの期待を込めて言ったら、
君が「それなら、
今から行くわ!何駅なん?」と
もう、これは流石に脈ありだよね?!ね?!
と1人で舞い上がり何度も自問自答していた。
ただ、時刻は深夜で
母親が許すか曖昧だったけど
よく考えたら恋愛事情には口出しもせず
自由にさせてくれていた母親です。
その日も、誰と会うのかも言ってないのに、
「もう、気をつけていくんやで」
たったその1言だった。
きっと女の勘ってやつなんだろうな。
私の心は1人でお祭りドンちゃん騒ぎです
会えることが嬉しくて、鼻歌を口ずさみながら
颯爽と力強くペダルを漕ぐ私。
君との待ち合わせが近づくに連れ
鼓動が高まり早くなる。
最寄り駅、線路が広がる
その場所に佇むコンビニに着いた。
真夜中に会うのって、なんともいえない
背徳感と贅沢感が漂うよね。
君が着いたのを窓越しに
確認したけど、恥ずかしくて
本を読んでいるふりをしていたよ。
君が「おつかれ!」と来てくれて
外に出て君は突然、語りだした。
「落ち着いて聞いてほしい。
君には言っておかなきゃいけないと思った
俺にはネフローゼという腎臓の持病があるんだ」
と、恐る恐る話してくれたね。
私は、その話を深く聞けば聞くほど
君はどれほど辛い思いをしてきたのだろう、
そして今も辛いのだろうかと考えてた。
私の弟の喘息よりも、もっと辛い
かもしれないけど、想像すれば
そんな弟を見てきたから辛さは分かることだ。
だけど、この時の私の覚悟は
浅はかなものだったなと、今では思う。
外で向かい合って話している時に
会話が途切れた瞬間、私が
「あのね!!私も聞いてほしいことがある」
と言ったんだけど、
その瞬間に、目の前の線路を
駆け抜けていく電車。
ガタンゴトンガタンゴトン
言葉がかき消されそうで一度黙った。
(なんなの、この間は、
ドラマみたいな演出いらないよ)
先程までの張り詰めた空気が
嘘のように解けて、
二人して「電車が、」と笑ったね
(今なら緊張せずに言える)
そう思った私は再び口を開いた。
「病気の事話してくれてありがとう
私は君の病気を背負う覚悟がある!!
そばで支えたい!!こんな私でも良ければ
付き合ってくれませんか?」
君はその言葉を聞いて考え始めた、
返事が来るまでのこの空間は、
ドキドキが溢れるほど、エモい時間でした。
「俺の病気はほんとに大変で、
今までの人とも、それが原因で
うまく行かなかったことも多くて
病気を伝えれば逃げて行く人ばかりで
だから少し恋愛が怖くなって」
(あ、これ長いから駄目なのかもな、、
優しいから断る理由を探してるのかな)
と気を落としそうになった時、
「でも、そんな風に言ってくれたのは
君が初めてで、本当にこんな俺やけど
それでもいいなら、
どうぞよろしくお願いします」
(え?嘘、夢??夢なの?え?現実?OK?嘘!!!)
と頭の中は油断していた反動でパニック
本当に君には驚かされてばかりだよ。
嬉しくてその日はニマニマが、
寝ても覚めても止まらなかったよ。
夢かと思って、アニメでしか、
やる事はない、と思ってた頬をつねる
ってことをやる程だった。
ありがとう。こんな私の告白を受けてくれて。
君はずっと「先生を超えてみせるから」と
話してくれたけど、何度も言う
その頃にはもう君はとっくに
先生を驚くほど超えていたんだよ。
私はこの気持ちが【幸せ】という
気持ちなんだと思っていた。
でもそんな【幸せ】はまだまだ
ほんの少しのモノだったんだと
これから君に感じさせられる事になる。
かくして、ここから
君との恋人の日々は始まった。
To be continued…
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