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これが恋なんだっけ。

30超えたのに、こんなことが分からなくなる。

あの人は居心地が悪い。
なのにどうしようもなく好き。
好き好きあの野郎、この野郎好き。

「あなたと僕は住む世界が違います」


って空気漂わせやがってー…。

言われたことはない。
でも、そんなこと思ってる気がする。
絶対そう。
そう思ってるはずだよ、あの人は。
よく食べるのにぺたんこでストンとした腹の底で、そう思ってるはずだよ。



だって、
こないだ〝音楽好きな理由〟聞いたとき。
あの人が話すことが想像してたものと全然違って。
全然全然本当全然考えこともないことだったから、拍子抜けして。
えっと…って戸惑ってる私見て、ほらねって思ったに違いない。

「見てる景色が違うんだよ」って教えてくれたに違いない。こうやって並んで座ってたって景色は違うんだよって。

一生懸命同じキモチ探してみたけどすぐに思い浮かばない。
「ちょっと待ってね、考えたこともなかった…自分はどうだっけ…」って伝えてから考えるために少し黙ろうとしたけど、「分からない人は分からないと思うよ」って言ってのけたあの人。

そして私はぽつんと悲しくなる。

「ほらね、僕たち全然違うでしょ」って言われたみたいで。

それらは一昨日の夜の出来事。

私の頭からそのことが離れない。


どこかに存在しててほしい同じを探したけど、
やっぱり見つからない。

息切らして「ねぇ、同じだよ似てるよ、見つけたよ」って話したって、多分「それは同じじゃないよ、似てるようで違うよ」って言われるんだろう。


そんな想像でまた悲しくなった時。


はたと「同じ」への執着に気づく。


そっか、違っててもいいよね。
同じじゃなくていいんじゃん。
違うけど好き、でいいんだよね?


そう言い聞かせると、少しは楽になれたけど。

…どうなのかな?

あの人はどう?
違ってても好き?
住む世界も見える景色も違ってても、好き?


そもそも、同じを探したくなるのが恋なのかな?
同じを見つけてうれしくなるのが、恋なのかな?


「ちょっと同じを見つけたからって分かった気になるなよ」とか思うのが私なくせに。めんどくさいなぁ、もう。


この恋は、
人間が人間に恋してる感覚じゃなくって。


ペンギンが猛禽類に恋してる、みたいな。

猛禽類に恋したペンギンみたいな。


空飛ぶ姿に憧れてて。
並んで風切りたいけど飛べなくて。

「一応私ね、鳥なのですよ。ほらコレ翼なんですよ。だからねぇ、あなたともしかしたらさ、もしかするかもしれないんだよ?、、、ね?」

何が問題かって、、、、

私自身が住む世界が違うって思い込んでいること。そしてあっちの世界をどうしても知りたがってるってこと。自分の話をするのは苦手なくせに。

あの人は、海の中のおもしろさも感触も知りたがってくれるかな?
分け合ってくれるかな?

まずはちょっとぽてっとしたこの身体と、めんどくさい性格と、海を好きになろう。


・・・・・・おしまい・・・・・・


ペンギンかわいいですよね。
自分をペンギンに例えちゃったてへ、とか思いました。

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