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家族なんて無くなればいい

解離性同一性障害の原因は、多々あるかもしれない。一番多いのは近親者の性的虐待と言われている。それは密かに行われ、誰も気付かない。

母親は知っていたのか知らなかったのか、信じなかったのか、そんな事よりいい大学を出ている父をリスペクトしていたので、

私がどんなに訴えても、
「お母さんも小さい頃は親に叩かれた事もあったのよ。そんな事ぐらいで騒がないでちょうだい。」

叩かれるとか、そういうレベルでは無い事を幼い私はどの様に伝えて良いか分からなくてもう誰にも言わないで暴力が終わるまでひたすら絶えて居た。天井をずっと見ていて、そのうち痛みも感覚もなくなって行く私を、いつしかもう1人の私がその様子を見るようになり、私自身の現実感が失われた。

それが私を楽にした。

まだ小学生にもなっていない雪の日に、私は初めて解離した。
その頃、私は中一英語や、古文文法を教わっていて、私にとって小学の勉強などお遊びなのに、優等生と呼ばれ、歪んだ優越感を抱くようになり、
また1人、私では無い性格を持つものが生まれた。


顔に痣をつけながらも、登校する私に不信感を持った担任教師が、私の家を訪れた。

その人格を、優「すぐる」と呼ぶ。
目付きが違うと、あと、痣のことを母に伝えた。

私は「転んだだけです」「ものに当たりました」
少し狼狽えた母の顔色を見ながら、少し可笑しくて、担任に「母の料理はとても美味しくて、私はどうしても真似出来ないのですが、お花やお茶、ピアノを習わせてもらって、私は皆よりとても恵まれていると思っています。

先生は何を心配しているのですか?」

担任は私の顔をじっと見つめた。
母に分からぬよう何か手紙のような、メモのようなものを渡したので受け取った。


それよりも、私の言葉で何か罪悪感と、母のしている事は母の自分がなりたかった、でも出来なかった事を私に押し付けてなんでも出来るようになる私の本当を見付けられなくて、担任教師に何を言うのか冷や冷やしている様子が、この上なく心地よかった。

担任教師の手紙には、
「何かあったら連絡してください」
と、電話番号が書いてあった。


そのメモに、
母は、お嬢様に憧れて、3高(現在のハイスペック)と結婚出来て

私にそれをやらせて、自己満足しているのです。
私はその教養の何一つにも興味無い。

けれどもこの家にいる以上、勉強と、その、お稽古からは逃れられない。

母は性に異常なほど厳しく、そういったものに興味を持たぬようミッションスクールに入学させたけど私は処女ではない、何故かって……

一瞬その担任のメモに希望を見出そうとしてしまったが、こんなこと分かるはずないだろう、誰も私を助けることなんて出来ない。

何故家族なんてあるんだろう。
家族なんてなくなってしまえば良いのに。

その担任のメモは捨ててしまった。けれども、あの一生懸命だった女担任教師の事は一生忘れない。

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