最近の気になるオタク事情
矢野経済研究所が2018年にマンガ、アニメ、アイドルなど21分野を推計した結果、現在日本のオタク人口は、延べ約2700万人と言われている。その3つのカテゴリを足し合わせた市場規模は、年間4兆円規模にのぼる。
最近よく聞く「オタクノミクス」は、好きなキャラクター、「推し」のためにお金を惜しまないオタクたちが消費を押し上げる事を指す。
ここにきて「オタクノミクス」が膨張しているとのことだ。
今回は、そんなオタクノミクスに関するビジネスの事例をご紹介します。
聖地ビジネスの促進
近年、聖地ビジネスの促進を図る活動が活発だ。2016年設立の一般社団法人アニメツーリズム協会はファン投票で「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」を選んでサイトに掲載。聖地に訪れるオタクたちの中には、「巡礼」して終わりではなく、「定住」にまで至るオタクも現れている。日本交通公社がアンケート調査で行ってみたい旅行を聞いたところ、「アニメツーリズム」との回答が4.0%もあり、「エコツアー」や「農業体験」などと肩を並べている。
最近では2018年放送のキャンプアニメ「ゆるキャン」の放送を機に、現実世界でキャンプをするオタクが増え、山梨県の自治体がイベントを開催。聖地とは異なるコト消費の流れが出てきた。同じく2018年放送の「ゾンビランドサガ」は佐賀県の聖地化を前提に、ゾンビとなった女子高生がアイドルになり、同県の知名度アップに奮闘するストーリーで大ヒットした。
日本のオタク市場でアニメの次に大きな市場がアイドルだ。これまでのアイドルオタクはコンサートの入場料、グッズやCDの購入といった受け身型の消費がメインだったが、あるサービスの登場で市場規模は年2000億円を優に超えるようになった。
応援の仕方が変わる
ライブ映像配信サービス「ミックスチャンネル」「SHOWROOM」といったサイトの登場で、アイドルとファンがリアルタイムでやり取りできるようになった。コメントを投稿するとユーザー名と画面に表示され、それを見たアイドルが反応してくれるといったもの。
ファンは、アイドルに投げ銭を送り、アイドルはギフトの量に応じて運営会社から報酬を得る。投げ銭をして配信を盛り上げてくれるファンはアイドルにとってありがたい存在だ。イベントでアイドルにユーザー名を伝えれば、「この前はありがとう」と感謝の言葉をもらえ、「アイドルとの距離感が近いし、お金を使うと自分のことを認識してくれるからうれしい」といったアイドルとファンの繋がりが生まれる。
ファン同士の競争意識も働くようになり、自分が1番のファンだとアピールする行動も度々見られる。
写真はアイドルグループ「アンジュエフォレッタ」。グループ発足時、メンバー選びで取り入れたのが、自社の動画配信サービスを使ったファンによるオンライン投票だ。スマホアプリを通じオーディションに参加する仕組みを作り、それぞれの審査で与えられたお題に沿って、候補者が動画を配信。ファンはアプリ内で買えるポイントを「ギフト」に変えて、応援するメンバーに贈るという形で投票する。
実際に投票に参加したファンは3万人を超えたという。
矢野経済研究所によると、こういったユーザー消費金額ベースの19年度のアイドルオタク市場規模の見通しは2550億円。15年度に比べ60%以上増加し、ジャニーズ系やAKBグループといったメジャー系の人気に陰りも見える中、アイドルは裾野が広がっており、市場は今後も膨らんでいくとみられている。
ご紹介した事例のように、オタク市場は引き続き右肩上がりを続けている。
しかし、最近のオタクの特徴は、モノを「買わない」、コミケに「行かない」、特定ジャンルに「ハマらない」マイルド志向。といった特徴も見られるらしい。
映像配信サービスでアイドルと繋がれることが今最もアイドルと距離が近い。
そのため、オタク活動もお金の使い方が変わってきているのだと思う。
書き手:児玉
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