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【第3章】猫に飼われたヒト 教育実習

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『猫に飼われたヒト』第3章をここからまとめて読むことができます。あらすじ→小学校の先生になるため、教育実習に挑むアド。そこでは子どもたちにまで人間への偏見が広まっていた。なんとか…
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#マンガ

【創作小説】猫に飼われたヒト 第25回 無理なお願い

【創作小説】猫に飼われたヒト 第25回 無理なお願い

「この子を、私の初授業に参加させてくれませんか?!」

「「え?!」」

アドは悲しそうな、しかし決意のこもった表情で話し始めた。

「私、ずっと授業に何か足りないなって思ってたんです。人間は怖くないよってことを伝えたいのに、いまいち説得力がない…でもこの子を子猫たちに実際に見て貰えば、人間が安全な生き物だって伝わるはずです!」

レックスは真面目な表情で語った。

「…ダメだ。いきなり子猫たちに

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【創作小説】猫に飼われたヒト 第24回 新たな出会い

【創作小説】猫に飼われたヒト 第24回 新たな出会い

その日の夕方。

アドはふらふらになりながら大学へ向かった。
教育実習の最終日に控えている、初授業の練習をするためだ。

レックスが教室で学生の席に座って言った。
「では、模擬授業を始めようか」

アドは緊張の面持ちで背筋を正した。
「よろしくお願いします…!」

右手に指導案を持ち、アドは大きく息を吸った。

「…では、授業を始めます!今日は、人間の言葉について学びましょう。私たちの会話に欠かせ

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【創作小説】猫に飼われたヒト 第22回 大学

【創作小説】猫に飼われたヒト 第22回 大学

アニマーリア大学。

グッダは朝からパソコンで事務作業をしていた。

隣の部屋が開く音。レックスが出勤したようだ。

「レックス、おは……え?!」

なんとそこにはレオを連れたレックスが。
レックスは苦笑いした。

「グッダおはよう…はは、グッダとこいつの背丈が一緒で助かったよ。なんとか誤魔化せた…はずだ」

レックスがレオのマスクとフードを外す。

「ぐっだ!」

レオがグッダに抱き付いた。

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【創作小説】猫に飼われたヒト 第19回 デート

【創作小説】猫に飼われたヒト 第19回 デート

討論大会から数日後。

ミュイッターでの騒動は、フォンス自身が謝罪文を発信したこと、それにレックスのミュイートが拡散されたことにより、終息に向かっていった。

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『それでは次回の講義までに25ページの内容を一通り読んできておいてね。それと…』

人間生物学の准教授、ディーバの講義。

聴講席を埋めるのはほとんどが男子学生。

ディーバの際どいVネックのセーターから、ちらりと胸の谷間が

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