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【第3章】猫に飼われたヒト 教育実習

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『猫に飼われたヒト』第3章をここからまとめて読むことができます。あらすじ→小学校の先生になるため、教育実習に挑むアド。そこでは子どもたちにまで人間への偏見が広まっていた。なんとか…
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2024年1月の記事一覧

【創作小説】猫に飼われたヒト 第23回 教育実習

【創作小説】猫に飼われたヒト 第23回 教育実習

市立アニマーリア東小学校。

アドが教室の戸を開ける。
緊張しつつも教壇の前に立った。

「今日からこのクラスで教育実習をすることになった、アドです!精一杯頑張りますので、よろしくお願いします!」

黒いスーツをまとい自己紹介を終えたアドに、小学生の子猫たちからの拍手が送られる。

担任の先生も拍手をした。

「はい。ありがとうアド先生。アド先生は、アニマーリア大学から来た人間学部の先生です。とっ

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【創作小説】猫に飼われたヒト 第22回 大学

【創作小説】猫に飼われたヒト 第22回 大学

アニマーリア大学。

グッダは朝からパソコンで事務作業をしていた。

隣の部屋が開く音。レックスが出勤したようだ。

「レックス、おは……え?!」

なんとそこにはレオを連れたレックスが。
レックスは苦笑いした。

「グッダおはよう…はは、グッダとこいつの背丈が一緒で助かったよ。なんとか誤魔化せた…はずだ」

レックスがレオのマスクとフードを外す。

「ぐっだ!」

レオがグッダに抱き付いた。

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【創作小説】猫に飼われたヒト 第21回 留守番

【創作小説】猫に飼われたヒト 第21回 留守番

鏡の前に立つアド。
上下スーツを身に纏っている。
部屋の中には教育実習に向けた準備物が散乱している。

アドは小学校の教師を目指し、明日から2週間の実習が始まる。

「いよいよ明日から実習だ…!頑張るぞ!」

__________

レックスがレオを拾ってから3ヶ月が経った。

レックスがいつも通り、大学へ出勤しようとした時、寝ているレオの変化に気づく。

「レオ…お前、拾った時より随分大きくなっ

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【創作小説】猫に飼われたヒト 第20回 プレゼント

【創作小説】猫に飼われたヒト 第20回 プレゼント

ディーバは落胆しつつも、予算などをレックスから聞き、デパ地下の食料品フロアにやってきた。

「ちょっとしたお菓子か。うん、いいね。お礼にはぴったりかもしれない」

「ええ。ご予算的にもぴったりですし、何よりもらう側がそんなに気負わず受け取れると思いますわ」

アドとフォンスはアイスクリームを食べながら2人の様子を伺っていた。

「土産物のコーナーを見てるぞ。誰かに贈り物をするのか?」

「女の勘ピ

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【創作小説】猫に飼われたヒト 第19回 デート

【創作小説】猫に飼われたヒト 第19回 デート

討論大会から数日後。

ミュイッターでの騒動は、フォンス自身が謝罪文を発信したこと、それにレックスのミュイートが拡散されたことにより、終息に向かっていった。

______

『それでは次回の講義までに25ページの内容を一通り読んできておいてね。それと…』

人間生物学の准教授、ディーバの講義。

聴講席を埋めるのはほとんどが男子学生。

ディーバの際どいVネックのセーターから、ちらりと胸の谷間が

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