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おすすめの詩

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今週の詩、おすすめの詩のまとめです。
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2021年12月の記事一覧

今週の詩|"リイ君おれが好きだったか"ギョウザと人権(世界人権デー)

今週の詩|"リイ君おれが好きだったか"ギョウザと人権(世界人権デー)

こんにちは。詩のソムリエです。

今週は、12月4〜10日が「人権週間」。というわけで、少年の純な心が胸に残り続ける、こんな詩を。詩人・茨木のり子に「ここ三十年ばかりの間に書かれた詩のなかで最良のものの一つ」(『詩のこころを読む』岩波ジュニア新書)と言わしめた詩です。

「住所とギョウザ」岩田宏

大森区馬込町東四ノ三〇
大森区馬込町東四ノ三〇
二度でも三度でも
腕章はめたおとなに答えた
迷子のお

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結婚する人へ贈りたい、世界のとっておき名詩5選+α

結婚する人へ贈りたい、世界のとっておき名詩5選+α

こんにちは。詩のソムリエです。
みなさんにとって、2021年はどんな一年でしたか?

私自身は、結婚という大きな節目を迎えました。そして、芸能人の方々も多く結婚した年でもありましたね。

そこで、結婚にまつわる世界の名詩をご紹介したいと思います。

「結婚 詩」とウェブで調べても、吉野弘さんの「祝婚歌」しか出てきません。もちろん「祝婚歌」もいい詩ですが、ほかにも思わず誰かに贈りたくなる詩もたくさん

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今週の詩|世界でいちばん短い詩「冬眠」(草野心平)

今週の詩|世界でいちばん短い詩「冬眠」(草野心平)

こんにちは。詩のソムリエです。

今週の七十二候は「熊穴にこもる(くま あなにこもる)」。
北風びゅうびゅう吹いてきて、人間も冬眠したいような季節ですね。

今日は、「冬眠」というタイトルの、「世界でいちばん短い詩」を紹介します。

読めない詩?草野心平(1903-1988)による、こんな詩です。

「冬眠」草野心平
                ●

・・・

はい、「●」だけの詩です。
「え

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今週の詩|冬のある日(八木重吉)

今週の詩|冬のある日(八木重吉)

こんにちは。詩のソムリエです。

今週の七十二候は「朔風葉を払う(きたかぜ このはをはらう)。
福岡でも昨日から北風が吹いて、「冬だなぁ」と窓の外を見つめています。

今日は、こんな詩をどうぞ。

冬のある日 八木重吉

くさがかれたんだから
わたしのおもいだって
すなおにかれたらいい

ひらがなで書かれたみじかい詩なので、するっと読めます。
でも、なかなかにすごいことを言っている詩。

この詩を

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