七嘉豊香

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今昔御伽草紙・『大河の果てに』

むかぁしむかし といわれ あなたが思い浮かべたころよりも さらに昔のことであります 人間がまだサルに近い生き物だったころ アボギという名の男がおりましてな 彼は群れで一番の力持ち アボギはあるとき恋をして シグニという娘と結ばれた アボギとシグニの間には コバダという名の息子が産まれ このコバダこそ実は 何を隠そう人類で 初めて火をおこした男 そしてコバダの孫の孫 そのまた孫の孫の子に キヨヒトなる男がおって 彼はなんとも残忍な男 村を襲って人を殺し 金品を奪って暮ら

    • 成長 Growth

      女の子は神社の裏の森の中で、一匹の傷ついた子猫を見つけました。 体中血塗れになりながら、か細い声で鳴くその猫に、居ても立ってもいられなくなった女の子は、お洋服が猫の血と泥で汚れてしまうのも構わず、抱きかかえて走り出しました。小雨の降る夕方。傘も放り出して。バシャバシャと水溜りの泥を撥ね上げながら。 ずぶ濡れになって家の玄関を開けると、お母さんが出てきて、女の子の抱きかかえた傷ついた猫を見てヒステリックな声をあげました。 「そんな汚い猫、すぐに捨ててきなさ

      • 第61回宣伝会議賞(実践編)【脱水症状篇】

        お久しぶりです。 なんやかんや色々あって、第3回から間が開いてしまいましたね。3月は“公募の冬”だという認識だったのですが、なんか結構色々忙しかったんですかね😅  なんかねー。贈賞式も終わって、別の大きな「グランプリ」もあったりして、皆さんの熱もすっかりそっちに行く中、今さら僕のダメだったコピーに需要があるのか? という気もしないでもないですが・・。まぁ、こういう発想もあるんだなぁ、くらいのご参考にしていただいたら幸いであります(そりゃそうや) 実はご存

        • 今昔御伽草紙・『楽しいニュース』

          中にはすでに ご存知の方もおられるだろう 「楽しいニュース」という妙な ニュース番組の存在を どんなに暗い話題でも どんなに悲惨な事件でも 楽しげな口調で読み上げて 明るい話題にしてしまうニュース 実に楽しい話題です ナイフを持った少年たちが 暴れ回って大騒ぎ 警官隊も出動し 死傷者の出る大事件です などと男のキャスターが にこにこ笑っていいますと 隣の女性アナウンサー パっと顔を 輝かせましてこういいます まあ素敵 なんて元気な子供たちでしょ わたしは今の子

        今昔御伽草紙・『大河の果てに』

          続・選ばれなかったファイナリストたちへ(後編)

          さぁお待ちかねの後半戦ですよ!  ・・誰が待ってるんだ? という話ですが😅  おかしいな、書いてた当初は「よくぞ落選したファイナリストにスポットライトを当ててくれた!」って賞賛の嵐になるはずだったんですが、全然、何の反応もないですね(ないことはないです。スイマセン)。  でも愚痴ってても仕方ないし、第一すげー労力かけて書いちゃったので(笑)  いきますよ、怒涛の後半戦!✊   ・・と、お気づきの方はお気づきかもしれませんが、ここまで、去年のコピペで

          続・選ばれなかったファイナリストたちへ(後編)

          続・選ばれなかったファイナリストたちへ(前編)

           第61回の宣伝会議賞の贈賞式から早3週間が経とうとしていますね。  ファイナリスト作品の発表から一か月。まだ記憶と、余韻があるうちになんとか書きたかった企画です。  それはそう、昨年、「ふっふっふ、これは誰もやんなかっただろう!」と思い、自信をもって出したのに、まったく見向きもされなかったあの企画。 そう、賞に『選ばれなかった』ファイナリスト作品だけを僕が評するという、異形の批評レビューです😂 (昨年の内容についてはこちら ↓↓↓) https://note.co

          続・選ばれなかったファイナリストたちへ(前編)

          第61回宣伝会議賞(実践編)【赤ちゃん本舗篇】

           バタついて、SKATの刊行が公募開始時期と同時だった昨年に対し、オンライン版のフットワークの早さを生かし、今年は早くもSKAT23が刊行され、一次通過の作品が公表された(どうも二次三次と重複していて、後に修正される気配のようであるが)。  お陰で自分の通過作品が何であったか知れ、同時に他の人がどんなものを書いていたか分かり、そこは大変ありがたいのだからですが、相変わらず自分の通過作品は「これ?」というものであり、他の人の通過作品を見ていても、「それが通るのなら、僕のあれも通

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          第61回宣伝会議賞(実践編)【赤ちゃん本舗篇】

          第61回宣伝会議賞(実践編)【塚田農場篇】

           いいですね。ひっそりと帰ってまいりました、宣伝会議賞でこの先SKATでも見ることが出来ない、僕の作品集。  ・・簡単に言えば、一次審査に通らなかったやつってことですが😅  誰が得するんだ? って話なのですが、まぁ気が済む前でやらせてください。せっかく書いたんで~😭  そして皆さんも、ひっそりとすることにご協力いただき、ありがとうございます。  でもあの、コメントとかくらいはつけてもらってもいいんですよ。俺、これ好きだ、とか励ましていただくと、今後の活力になります🤣  そ

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          第61回宣伝会議賞(実践編)【塚田農場篇】

          第61回宣伝会議賞(実践編)【iHistory】篇

           第61回宣伝会議賞の一次通過発表が終わってから早一週間。  多くの課題で全滅という衝撃をくらい、そのショックからようやく立ち直ってきたので、今回から、まず一次通過を全滅した課題(つまり、見せても全然影響がないやつ)から自作の振り返りをしていきたいと思います。  そんなことしてどうするんだ? 一次にも通らなかった作品見せてもしょうがないだろ? と思われる方もいるでしょうが、だってせっかく書いたんだもん、ちょっとは日の目を見させてあげたいじゃないですか(笑)  そし

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          第61回宣伝会議賞【広告業界】篇

           たまたま気まぐれではじまったこの企画ですが、どうもどうやら年内に完走し終えれそうです。冬だし乾燥だし、いっぱい書いたけど特に感想なしだし・・ですが、今年の一年はまさに宣伝会議賞にすべてを費やした一年であった、と自負しているので振り返ることが出来て嬉しかったです。  のっぴきならないわけで最終回は【広告業界】。  これは宣伝会議賞からの特別課題ですね。テーマは「広告業界で働きたくなるアイデア」。  短い。あまりにも短い。脱水症状も短かったけど、こちら、輪をかけ

          第61回宣伝会議賞【広告業界】篇

          第61回宣伝会議賞【Braze】篇

          あと二本で終わりなんですが、ことここにいたって、やっぱりここに書くことがない😂 次回、いよいよ完結ですね、ということくらいですね✌ やんごとなきわけで第二十八回は【Braze】さん。 「Braze」さん。「”残念な顧客体験”を”最高の顧客体験”に創り変えるBrazeの魅力が伝わるアイデア」っていう、なんのこっちゃか、全っ然わかんない課題をぶっ混んできた、今回屈指の問題企業。 いや、問題企業ならiHistoryさんとかCOREさんとか、T

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          第61回宣伝会議賞【日清オイリオ】篇

           年末年始休みです。  案の徐、文章を書く時間が取れません。  仕事の日の方が書けるという。不思議ですね。なぜでしょう?    やんごとなきわけで第二十七回は【日清オイリオ】さん。  日清オイリオさんもねー、協賛企業で名前を連ねたとき、うぇーと思ったのです。 油なだけに、胸やけが。 そしたらまぁ、案の定というか、いわずもがなと言いますか、課題は「日清サラダ油発売から100年。油脂へこだわり、技術を磨き、おいしさと健康をこれからも届け続ける意志を伝えるアイデ

          第61回宣伝会議賞【日清オイリオ】篇

          第61回宣伝会議賞【ヘプバーン】篇

           だんだんスキもつかなくなってきましたが、孤独に振り返りを続けております。  今年の汚れ、今年のうちに・・。  やんごとなきわけで第二十六回は【ヘプバーン】。  来ましたね、今回最大の変化球、「ヘプバーン」!(TOPPANのときもそう言っていなかったか?)  個人が課題になるなんて、かつて宣伝会議賞であったでしょうか?  あったのかもしれない。よく知らない😅  「ヘプバーン」は東北新社 版権営業部さんの課題で、「現代の人々に、オードリー・ヘップバーンの魅力を伝

          第61回宣伝会議賞【ヘプバーン】篇

          第61回宣伝会議賞【セルマーケ】篇

           もう誰でも宣伝会議賞の話題なんかしてない、とか書かれてる中、がっつり振り返り日記を書いている俺はどうなるんだよ~😫    やんごとなきわけで第二十五回は【セルマーケ】。  「セルマーケ」は、ディーエムソリューションズさんの課題で、「まだ『セルマーケ』を知らない人が、思わず使いたくなるキャッチフレーズのアイデア」というものでした。  ディーエムソリューションズさんは僕の知る限り、第52回から連続で協賛企業になっているのですが、57回で途切れまして、その後58、59、6

          第61回宣伝会議賞【セルマーケ】篇

          第61回宣伝会議賞【上智大学】篇

           宣伝会議賞の振り返りなんかをしていると、コピーが書きたくなってきますね。  だが俺は・・コピーの書き方が、もうよくわからんのよ・・。 (もともとそんなにわかってないでしょ?)    そゆわけで第二十四回は【上智大学】さん。  「上智大学」さん。通称、「教養」でございますね。  今回のタイトルも、「上智大学」にしようか「教養」にしようか迷いましたが、さすがにここは協賛企業名かな? と。  上智大学さん。かつて関西大学さんとか、事業構想大学院大学とか、社会構想大学院大学

          第61回宣伝会議賞【上智大学】篇

          第61回宣伝会議賞【塩野義製薬】篇

          生きて帰ってきましたよ。 でもめちゃめちゃしんどいです。書いといてよかった〜😫   そゆわけで第二十三回は【塩野義製薬】さん。 塩野義製薬さんも公募開始一か月経ってから追加された協賛企業だったわけですが…その課題は「人々が安心して暮らせる社会を守るために感染症に挑み続けるSHIONOGIを、誰もが応援したくなるアイデア」というもので、なかなかにお堅い課題でしたね😅  課題に向き合ったとき、まずはファーストインスピレーションでみっつよっつ作ってみる

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