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《ゆるキャラ》の「善悪二元論」はどうなんだろうか? (島で★深読み)

小学校の時、《学級委員》にはいくつかのタイプがありましたよね。
女子はたいてい、成績が良く、しかも、先生の有能な《手先》が務まる人物が選ばれていた。女子はなんだかんだ言っても、「秩序」ある平和な生活を求める傾向があるのかもしれません。
男子は、成績も運動もある程度できるのだが、先生の《手先》とやんちゃ坊主も含めた《仲間の代弁者》の両方、あるいは中間地点のどこか、をうまくこなさないといけなかったりした。《手先》だけ務めていると、先生の見ていないところで「総スカン」を食ったりする。
「いい子」だけでは務まらない。


しまなみ海道サイクリングに参加した話(↓)を書きましたが、島伝いのコースのほぼ中央に県境があり、北側が広島県尾道市、南側が愛媛県今治市になります。

尾道から今治まで2日かけて自転車で《走破》した時、愛媛県側に入ると、よく目にする《ご当地ゆるキャラ》があります。

看板など、いたるところで見かける、愛媛県のゆるキャラ《みきゃん》

オレンジ色で、明らかに愛媛みかんをモチーフにした、この《みきゃん》は、とにかく「おりこうさん」です。
ルールはきちんと守ります。

「おりこうさん」と裏表の関係にある「悪役」が《ダークみきゃん》(↓)で、彼の少し暗い緑色はおそらく、「カビの生えたみかん」に由来しているのでしょう。頭には傷を縫ったような跡があり、「反社的」な気配も漂う、ステレオタイプの「悪者」外観
「悪役」専業の《ゆるキャラ》というのはそれまで見たことがなかったので、少々興味を持ちました。彼(彼女?)はどういうモティベーションで愛媛県からこの仕事を請け負っているのでしょうか?

これは、無料ダウンロードサイトからいただいた

例えば、自動販売機の絵柄として、両者は登場する。

絵柄の大小から、自販機正面の「主役」は、どうやら「おりこうさん」の方らしい
しかし、自販機の側面は《ダークみきゃん》の方がでかでかと

「道の駅」の土産物売り場でも、両キャラの活躍頻度はけっこういい勝負です。人気が拮抗しているのか?

私が小学生なら《ダーク》の方をお土産にするね
紙タグは「おりこうさん」でも中身のキーホルダーは「ダーク」だったりする

さて、この両者が、対照的な《善玉》《悪玉》として、いくつかのポスターに出てきます。これらのポスターの下側には、おそらくは「標語」の公募に当選した小学生の学年と名前が書いてあります(写真では削除しました。ごめんね、良い子たち)。

まあ、ながらスマホは良くないよね
《ダーク》はしかも、ヘルメット被っていないし
確かに、空き缶の投げ捨ては良くないけど

「おりこうさんキャラ」が言っていることは確かに正しいし、結局自分の身を守ることではあるんだけど、こういう単純な「善悪二元論」ってどうなんだろうか、と思いました。
ここまではっきり二つに分けてしまうと、「かえって」悪役キャラの方に「なんかカッコいいぜ」と魅力を感じる子供って出てこないだろうか?
少なくとも、善玉キャラ・グッズの方を、お土産に買いたいとは思わないなあ。

善玉ゆるキャラ《みきゃん》のように、《正論》ばかりを振りかざす《学級委員》がいたら、少なくとも男子の間ではあんまり人気ないよな、とジジイは思ったけれど、どうなんでしょう? ──今の子供たちの間では?

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