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かわせみ亭コラム☆日本文化論

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日本人の行動原理および行動について考えてみました。日本人における思考や行動の原理が分かれば少しでも合理的かつ妥当なプロマネ人生を歩むことができるのかも知れません。
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#プロマネ

良薬口に苦し

(かわせみ亭コラム#27)
 初心者向けの教材となる文章をやっと書きあげて、数人の人たちに試読をお願いした。
 いろいろな指摘が出されるだろうとは思っていたが、実際に、ここが分かりにくいあそこは難し過ぎるとの指摘を受けてみると、良い指摘をもらったと感謝するよりも、何でそこが分かりにくいのだろうかという自己弁護の感情が先に立ってしまった。 しばらく時間を置いたあとで冷静な頭で考えると、もともと原稿の

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忖度(そんたく)と損得

(かわせみ亭コラム#24)
 “忖度”という怪しげな言葉がマスコミを賑わわせていたが、この言葉が日常会話で使われることはまずない。一昔前にもこの言葉と同様のニュアンスを持った言葉で、「空気を読む」を略して“KY”という言葉が取り上げられたことはまだ記憶に新しい。
 これらの言葉に共通している意味は、相手や周囲の気持ちを推測し、それによって自分の判断や行動を行うと言う点にある。このような思考や行動に

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どこまでも譲れるものではない

 「売り手良し、買い手良し、世間良し」のいわゆる三方良しは良い仕事の基本と言える。更に良い仕事の条件は、やるべきことについて「1.決まっていること。2.理解していること。3.方法を知っていること。4.やるべき時にやっていること」および「5.やるべきでないことをやらないこと」だと言える。しかしながらこれらの原理原則を逸脱する組織が後を断たない。GoToなんとか、情報の改ざん、不良品のリコール、工事の

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とうとうやってきた成長神話の行き止まり

(かわせみ亭コラム#18)
 現在の我々のこれまでの状況を振り返ってみるに、現在までのやり方の延長線上には本当の解決は絶対にないだろうということが確信される。現在までのやり方である、経済拡大、経済成長以外に国家繁栄の道はないという成長神話に基づいた考え方および行動基準はもはや現在の閉塞状況の解決策にはなり得ないであろう。際限のない欲望に応えられる無尽蔵の資源はこの地球という星には存在しないのだから

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#どうにもとまらない ~「選択と集中」という神話

(かわせみ亭コラム#17)
 現在でも「選択と集中」を経営方針の中核に据えている企業の何と多いことであろうか。理に適っているように見える。ただしこの前提は、「選択が正しかったら」であろうということである。選択を間違えると集中した投資は全て無駄になり、その企業は即破産となる。「選択と集中」という言葉は実に魅力的であり、誘惑に満ちた言葉である。しかしながらエルピーダメモリーはDRAM技術の先端技術をも

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