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「勉強しなさい」

この誰しもどこかで言われたことのあるコトバ。

でもよくよく考えて見ると、「勉強する」とは一体全体どういうことなんでしょうか?

とにかくたくさん勉強する

それとも

重要なところを勉強する

のか、勉強道には様々な道筋がありそうです。

というもの、(受験)勉強にありがちなのは、N1(サンプル数1)の体験談を元に語られることが多く、

成功者の話=成功秘話

のようになっていることがあるからです。これはまったく科学的ではありません。

今回皆さんにご紹介したいのは、自分の勉強に対する考え方を理解すると勉強についての取り組みが変わってくるという事実です。そのためにはまず、勉強のできる人は何ができるのかを知っておく必要がありそうです。

勉強「量」が足りないから学力が下がったのか?

ここでちょっと面白い歴史を振り返ってみましょう。実は、1970年頃から、学級崩壊や教育問題がメディアを賑わし、廊下をバイクが走ったりして先生が大変だー、のような記事がワンサカ出てきました。

そんなもんだから社会は即座に反応し、

「勉強しすぎてストレスの発散出来ていない若者」

みないな謎の問題設定がなされ、

「change! 勉強量を減らそうキャンペーン」

が巻き起こったのでした。

しかし、教育社会学者らの研究によると、

“1 9 7 0年代から学習時間は減りつつあったのだ(苅谷 2 0 0 2)。また、教育内容を削減すれば授業理解度が改善するとか、教師主導の「詰め込み」から子供の興味・関心に沿った体験型授業にすれば学習意欲が湧き上がるという主張は、理論や実証研究に裏付けられていたわけではない。「思い込み」に基づいて授業時間数とカリキュラムが削減され、学習圧力が低下した結果、存在するデータでは授業内容の理解度に変化はなく、到達度はむしろ低下傾向で、学習意欲も改善しなかった(苅谷 2 0 0 2)。”

との分析がでており、実は勉強の量ってのは学習意欲とかとあまり関わりのないものだったことが判明しました。

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ここらを詳しく書いているのはこちら

「勉強できる」とは

勉強量と学習意欲、学力の関係が単純ではないことがなんとなく分かって頂けたと思います。

その昔、植木理恵さんという東大大学院生の方が「高校生の学力観」、つまり「勉強のできる人は何ができるのか」というという研究をされました。

彼女によると、勉強に対する考え方は次の3つの方向性に分けることが出来るそうです。

1 環境志向:成績のよいクラスや優秀な仲間や良い教員が必要と考えること

2 学習量志向:とにかく学習量が大切と考えること

3 方略志向:何よりも勉強方法について考えること

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1 精緻化とは

いわゆる「勉強ができる人」というのは、新しい学習内容を元々知っている内容に結び付けて、「あー、これはこうつながっているんだ」と捉えることができます。新しい学習内容を「今初めて知ったこと」ではなく、「既に知っていること+α」として処理しています。

2 学習量とは

単純です。物量作戦です。

3 方法志向とは

1の知識の結びつけと同じく、「学習」テクニックを駆使することです。これは自分の特性をよくりかいしていなければなりませんね。

例えば、参考書を読む順番とか


自分が集中できる好みの場所とかタイミング


実は・・・研究結果から「勉強が苦手な人ほど物量作戦に頼り、成果が出ないと環境のせいにする」という結果が出ているんのです。(´・ω・`)

逆に、勉強のできる人ほど、自分の特性を理解し、学習の方法をしっかりと考えているのです。

ただただ根性論で数や量をこなすことよりも、効果的な勉強法、自分に合った勉強法を探すことが大切なんですね。

日頃から自分にあった学習方法についてしっかりと考えることが大切なようですよー。

それでは良い週末を!

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参考: 植木理恵 (2002) 「高校生の学習観の構造」教育心理学研究、50、301-310. 

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