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演劇研究レポート

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演劇に対する思想やエクササイズを幅広くまとめています。
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「身体でオファーする」即興演劇研究会レポート

「身体でオファーする」即興演劇研究会レポート

即興演劇研究会とは、元々僕のオンラインWSから派生したグループで、毎週月曜の朝に即興演劇の探求と実践をしているチームだ。
先月、緊急事態宣言が解除されたことをきっかけに、念願の初オフライン稽古を行った。

オフラインになって最初に扱いたかったのは、身体。オンラインではバーチャル背景一発でオファー(アイデアを提供する)出来ていたものが、オフラインだと身体を使って伝えなければいけない。言葉を使えばそれ

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バドミントンを通して、インプロを学ぶ

バドミントンを通して、インプロを学ぶ

昨日の深夜、ショーン・キンリーが今年の秋からスタートする予定だった「The Improvisation School」のオンラインレッスンが始まりました。

アメリカ、ノルウェー、フィンランド、インド、中国、そして日本。
世界6カ国から1人ずつで、合計6名の少人数クラス(昨日は2人休みだった)
当初の予定では、既にこのメンバーでクラスがスタートしていたはずだったのですが、コロナによってそれは来年に

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インプロゲームは、何のためにあるのか?

インプロゲームは、何のためにあるのか?

今日は久々にパティのWSを受けて、インプロゲームの意義について学びました。
インプロにはたくさんのゲームがあり、教育的なもの(インプロバイザーの能力を鍛えるもの)もたくさんありますが、中にはただ演じていて面白いだけで、むしろインプロバイザーにとって悪い影響を与え得るものもあります。

例えば「最初と最後」という、シーンの最初と最後の台詞が決まってるというゲームがあるのですが、これはプレイヤーにブリ

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即興で興味深い長編演劇を作るための10箇条

即興で興味深い長編演劇を作るための10箇条

インプロ(即興芝居)は今年で12年になります。
最初は短いシーンを中心に作っていたのですが、段々と60分くらいの長編演劇も作れるようになってきました。
そんな今の僕が思う、特に長編演劇を即興で作る10箇条をまとめました。一般の役者さんにも大切なことがたくさん混ざってます。
では、どうぞ♪

1 ゆっくり演じよう一番大切なことを一つだけ選べと言われたらこれです。
基本、インプロをやると皆演技が早くな

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インプロバイザーがストーリーテリングで陥りがちなこと

インプロバイザーがストーリーテリングで陥りがちなこと

結論から言いましょう。
見たいものと見えてるものを混同する、です。

例えば、公園のベンチで高校生の男女がこんなやりとりをしています。

男「(脚のストレッチをしながら)俺たち卒業したんだね」
女「(ジュースを飲みながら)あっという間の3年間だったなあ(寂しそうに)」
男「あ、そのジュース、おごりじゃないからちゃんと後でちゃんと返せよ、金ないんだから」
女「わかってるよ、それくらい」

はい、問題

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舞台上に晒された「わたし」と出会う

舞台上に晒された「わたし」と出会う

今度こういうことするし、

こういうこともするので、ニュートラルマスクとクラウンについて語ろう!

ニュートラルマスクとクラウンは、フランスのルコック国際演劇学校のプログラムで扱われるもので、その学校での2年間は、ニュートラルマスクに始まりクラウンに終わる。
ちなみにルコックとは、ジャック・ルコックというヨーロッパを代表する演技指導者のこと。もうお亡くなりになっていて、僕は直接指導を受けたことはな

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表現の最適解を見つける旅

表現の最適解を見つける旅

今日の昼、シアターマスクLABOでフルマスクの稽古をしました。

フルマスクの探求をしてると、見せたいものを見せるための最適解が段々とわかってきます。
例えば、「結婚したがってる人」を見せるために必要なのは?
「結婚したいなあ」というセリフ?教会の鐘の音?床に乱雑にばら撒かれたゼクシィ?…
いずれにせよ、頑張って演技することが最適解とは限らないことがわかります。

その後、アメリカでインプロや演技

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自分が自分じゃなくなる面白さ

自分が自分じゃなくなる面白さ

今日は久々の外稽古。それもずっとやりたかったマスクの稽古でした。

顔と声と身体を通して、自分ではない「マスク」という存在になっていく。
普段の自分ではたどり着けないような領域に行けて、衝撃的な瞬間にたくさん立ち会えるのが、マスクの面白さです。

僕がマスクに出会ったのは8年くらい前で、その時に扱ったのがキース・ジョンストンのハーフマスク(トランスマスク)でした。

↓レッスンの様子↓

マスクに

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「見せたい自分」ではなく、「見たいあなた」になる

「見せたい自分」ではなく、「見たいあなた」になる

僕が海外でパフォーマンスをしたり、ショーに出演したりする時、やっていてよかったなあと思うものが2つあります。

1つはクロサワインプロ(これについては後日書きます。参考記事はこちら)
そしてもう1つがクラウンです。

※下記写真は、フランスにあるフィリップ・ゴーリエ国際演劇学校にて

クラウンとはクラウンとは「道化師」のことで、お客さんに笑われる存在です。
日本ではピエロが有名ですが、あれはクラウ

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