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「水鏡にうつる建築」が美しい美術館・博物館 5つ。

2020年11月6日、東所沢に角川武蔵野ミュージアムグランドオープンし、「ナンスカ」にて記事を書かせていただきました。

■ついにグランドオープン。さまざまなカルチャーが混ざり合う 角川武蔵野ミュージアム

8月のプレオープン時に伺った際には曇〜雨だったのですが、今回、グランドオープンで晴れた日に伺ったら、建築の周囲を囲む水盤に映り込む景色が美しい…!

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そこで今回は、「水鏡にうつる建築」が美しい美術館・博物館 を5つ、行ってみたいところも含めて挙げてみました。

1) 角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市)

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まずは、この記事を書くきっかけとなった角川武蔵野ミュージアム。設計は、国立競技場の設計に携わられたことでも有名な隈研吾さん

地層のような縞模様がはっきりと見える中国の珍しい花崗岩をパッチワークのように敷き詰めて作った、「武蔵野の大地がそのまま隆起したような」建物。建物の東側にある浅い池にきれいに映りこむ、青々とした石と青空が美しいです。

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夜はライトアップされ、日中よりも柔らかく魅力的な表情になりますね。

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※ 建築についてはこちらにも詳しく書きました。
■ 所沢にプレオープン。石の超建築「角川武蔵野ミュージアム」

2)高梁市成羽美術館(岡山県高梁市)

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周囲の山の緑と、直線的なコンクリートが併せて映り込む高梁市成羽美術館。美術館と考古学系博物館の複合施設です。設計は建築家・安藤忠雄さん

入り口には成羽陣屋跡(山崎氏御殿跡)の石垣が残り、街道側から見た時と山側から見た時では印象が大きく異なるのがユニークです。

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石垣の立派なエントランス

館の周囲を囲むのは、地下水を利用した人工池「流水の庭」。そして、館内には「静水の庭」も。

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静水の庭

直線的なコンクリートの塊だけれど、無機質ではなく、建物自体が抽象絵画のようにも見える、美しい建物です。

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ちなみに、大原美術館の礎となるコレクションを収集した画家の児島虎次郎氏は、ここ、高梁市成羽町の出身ということで、館内には児島虎次郎氏の作品のほか、児島虎次郎氏が収集したエジプト等の古代美術品などもコレクションされています。

■ コンクリートと水鏡の美術館。 ー高梁市成羽美術館(岡山県高梁市)

3) 豊田市美術館 (愛知県豊田市)

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とても大きな池の中に浮かぶような建築の豊田市美術館。美術館建築で名高い谷口吉生さんによる設計です。

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展示室自体が柔らかく外光をとりこむようになっていますが、夜になると、今度は館内からの光で建物が乳白色に浮かび上がり、ランタンのように水面に浮かんで見えるのだそうです。(私は日中にしか行ったことがないので、いつか見てみたいです…)

ちなみに、高台にあるこの美術館。地形を生かしてか、この広大な池は2Fにあるというのもなんだか不思議な感じがします。

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エントランス(1F)。左手のスロープをのぼった上に先ほどの広大な池が

4) 佐川美術館 (滋賀県守山市)

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こちらも巨大な池の中に浮かぶような建物。琵琶湖大橋のほど近くにある佐川美術館です。

その名前の通り「佐川急便」の創立40周年を記念して1998年に開館した私立美術館です。設計・施工は竹中工務店。切妻造の巨大な屋根をもつ本館は、神社のような荘厳な雰囲気を感じさることもあり、その壮大さ・荘厳さに、入館ゲートをくぐってすぐ足が止まってしまいます。

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カフェからの眺めも美しい

館内の廊下にも水面の反射で光に溢れ、ここから ぐっと照明の落とされた地下の展示室に入っていくのは、なんだか神聖な場所に入っていくような気分になり、自然の光の取り込み方が素敵な美術館でした。

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本館の奥にはやはり水に浮かぶ茶室が。本館側は絶え間なく水が揺らいでいましたが、こちらは本当に静かな水鏡となり、静謐さが醸し出されているようでした。

■ 揺らぐ光の美しい美術館 ー佐川美術館(滋賀県守山市)

5) 鈴木大拙館(石川県金沢市)

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鈴木大拙館 webページ

金沢が生んだ仏教哲学者・鈴木大拙さんの考えや即席を紹介するために解説された・鈴木大拙館

訪問したことがないので、google mapから

こちらは未訪問です。「玄関の庭」「露地の庭」「水鏡の庭」という3つの空間で構成された建物。3) 豊田市美術館 とおなじ、谷口吉生さんによる設計です。

google mapで建物の中まで見られるんですね…

建物そのものはそこまで大きくないようですが、本当に余計なもののないミニマルな空間。一度実際に見てみたいです。

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建物そのものが魅力的なだけでなく、それを移し込む鏡のような水辺があると、その美しさがさらに引き出されるように感じられますね。また、天気や風のような気候条件によっても雰囲気が変わって見えるのが面白いですね。

美術館や博物館の展示だけでなく、建物に注目してみるのも面白いので、今後もまた違った切り口で紹介していければと思います。

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