Jogging in Odaiba 1年間の東京お台場ジョギング記録
期限は1年間。ふとしたことから東京のお台場に拠点を移すことになり、この明らかに生活基盤が無さそうで「観光地」としてしか認識されていない場所で、なんとか単調な毎日に価値を生み出すべくランニングコースを探索する日々だった。
「世界中、どこでも住めば都」だと思いつつも、やっぱり自分に合った場所(と合わない場所)は存在するのだ、と、当初、大嫌いなコンビニのはずなのに、そこに選択肢が無い、時間が無い、となると「便利さ」に自分が負ける日々。走りすぎて、健康診断で「貧血」と言われ、1ヶ月で超健康的な食生活を実践し、再検査を受けて、何も無かったかのような健康体に医者に驚かれ、何日か徹夜をする日々にも負けず、とにかく自己満足のためだけに走り続けた日々。
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改めて考えてみると、正直、これだけ開放的で、通行人がおらず(時間帯によるけれど)、走りやすい場所は他に無いんじゃないかと思えるほど、すっかり「住めば都」になっていた。もちろん、走るだけじゃなく、スポーツで出会った数多くの人々との繋がりが、きっと私を前進させてくれていると思うし、繰り返す毎日に光を与える存在だった。
改めて1年間の記憶を記録に。
4月~6月(1日5km~10㎞)
まず最初に、お台場に「観光」としてではなく「住民」として降り立った際、道路が整備されていてとても広いのに驚いた。先住民に「走るなら、お台場は最高の場所!」「開放的だよ」と言われていたのは、このことか。
そして、通行人と自転車のレーンが分かれているので、走りやすい。(まぁ、当然ながら、ここの道をひたすら走っているのではなく、ちゃんとしたジョギングコースがこの道の先にある)
南国の木々もあった。なんだか、ここだけ切り取ればとても温かい常夏の国。この海の記念館沿い(?)の道は、ほぼ最初しか走っていなかったけれど、良い遊歩道だと思う。ベトナムを思い出す。
ほとんど誰にも会わない東京テレコムセンターまでの道のり。最初の頃は、とにかく「探検」目的で、至る場所を走る日々だった。
そして、冒頭で述べた通り、心機一転の春早々至る場所を走り続けた後の健康診断でスポーツ性貧血と言われる。・・・というか具体的に「スポーツ性」とかは言われず、ただ「貧血気味」として、スポーツをよくするか質問される。
医者「激しい運動とかよくされていますか?」
私「あんまり・・・毎日5㎞~10㎞程走るくらいです」
医者「それ、激しい運動ですね」
私「そうですか、どうすればいいですか」
激しい運動+コンビニはダメだったのだろうきっと。それ以来、鉄分を多く摂る。牛肉の赤身、貝類、マグロの刺身、大豆、小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜、あとは柑橘系のフルーツ。基本、嫌いなものを我慢して食べたくもないし、サプリメントも体内に入れたくない。勉強でも仕事でも人間関係でも、日本人が美徳とする「我慢」を自分に強いたくはない。大好きなカフェ巡りの際のコーヒーは飲みたい。チーズケーキやパンプキンプリンも食べたい。
1か月後、医者も驚くほど健康体に戻り、また走り続ける。(というか、「最初の健康診断が厳しすぎたんちゃうか」と、どうでもいい疑いをかける)
緑が濃いのを感じる。
未来館周辺。この辺りは、毎年夏によくイベントをやっていた。(らしい)
ダイバーシティ東京前のガンダム。このガンダムは数時間毎に動くそうで、たまに見物人を見る。その横をひたすら走る。
6月ごろ、このようなマップの存在に気づく。プロムナードのランニングコースがあった!
7月~9月(1日5㎞~7㎞)
とにかく暑い日々。少し走るだけで、汗だくになる。咲き誇る花々を見つける度に、少し立ち止まり写真撮影。ベトナムが私に教えてくれたことのひとつとして「花を見る心」が挙げられる気がしていて、自分の身の回りにどれくらいの花が咲き誇っているかで、感情や生き方にも影響があると感じている。
自由の女神周辺。この辺りの道もとても走りやすい。よく釣りをしている人々を見かける。あとは、周辺まで来ている観光客の方々もいらっしゃるけれど、朝はほとんど人がいない。
この道は走ると木々の軋む音が凄いので、完全に字のごとく遊歩道。そして、カーブがかっている道は、反対方向に人がいるのかわかりにくいため、なるべく歩く。
自由の女神周辺にも、走行距離別のコースマップが!
基本的に、走るのは朝が良いけれど、たまに夜走るとまた違った景色が見える。
そしてとにかく、人通りが少ないのが良い。この道を、朝、レンタルチャリで走行して通勤している人々もいて、理想の通勤方法だと思った。たぶん、私たちは、オンラインでどれだけ「時間を効率よく使えているのか」と考えるよりも、オンラインでどれだけ「太陽の下で体を動かす機会を失っているのか」と考えたほうが良いのだと思う。(少なくとも、私は。効率を追いかけるとキリが無い)
船の科学館前の夕陽。静かで、水の流れが緩やかで、ライトアップされていて、開放的で、ここは、やっぱりランナーの聖地なのだ。(とか、最初は全く疑心暗鬼だったけれど、改めて思う)
7月~8月は、とにかく多忙だった。息苦しかった。というか生きた心地がしなかった。一番キツイのは、晴天の空を見ながら、外に出る時間も無い程、仕事や勉強で机にへばりついている自分。「自分は何やってんだ」と思いながら、なんとかどこかで時間を見つけて走る。
10月~12月(1日5㎞)
外が若干肌寒くなる10月。9月後半から10月上旬はプライベートで良くない事や様々な別れが重なったので、気持ちが沈むと同時に、肌寒さが身体にくる。でも、走らなければ。
1月~3月(1日5㎞)
とにかく寒い。朝6時、外が暗い。暗いと起きている意味がわからなくなる。布団が暖かい。正直、「なぜ、自分は、この天国から出るのだ?」と自問する。でも、走った後の達成感と身体の調子の良さを知っているから、出る。太陽の光は本当に生命にとって大事だと痛感する。
凍りつく寒さだけど、ここのランニングコースの緑は濃い気がする。道はくねっているけれど、お気に入りの道。
武蔵野大学のキャンパスのひとつ。ここの大学は、さすが芸術大学とだけあって、建築やデザインも洗練されている気がする。
水の広場公園。この周辺は遮るものも無いので、太陽の光が直接あたって暖かい。この公園は、決して広くはないものの、坂道や階段など、少し単調な道に飽きた場合に良い気分転換の場所。
ちなみに、お台場周辺にあったJog Portは、いつか行こうと思っていながら、いつの間にか閉業していた。その代わり、One Tokyoというマラソン会員グループを発見。
何にしろ、続けるというものは、大変だ。健康を大事に、といいつつ、走りすぎて健康診断で再検査をいわれるとは。「なぜしんどい思いして走るのか?」とよく聞かれる。走っていると、生きている感じがするから。風を感じて、移り変わる景色を見ながら、想像力が湧きたってくるのがわかる。私は、自分が精神的に弱いし影響を受けやすいのを知っている。精神的にしんどいのが、一番しんどくて、それらを上手くコントロールしないといけない。走っていると、自分の精神面での変化を感じることが多々ある。すごく些細なことだけれど、太陽の光を感じ、風を切り、本業で大変なことがあっても、プライベートでキツイことがあっても、そこに開放的な空間と平和がある限り、その環境を最大限使わなければならない。
自分の心を守りながらパフォーマンスをあげる方法(元アマゾン産業医)
何よりも、何をしていても、私は常に、以下の言葉を考える。
"Nothing teaches us better than our own experiences."
「私たち自身の経験ほど、私たちに教えてくれるものは無い。」
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