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家族に受け入れてもらえなかったパンのおともたち

朝起きて朝食の準備をする。朝食を作るのは私の担当だ。

家族分の食パンにバターを塗り、妻と子供たちのパンにはとろけるスライスチーズを、自分のパンにはオイルサーディンをのせてトーストする。焼けたらマヨネーズを少量塗ってきゅうりのスライスを並べてその上にハムエッグをのせる。

子供たちのハムエッグはハムと白身の部分だけだ。完全版のハムエッグを出しても必ず黄身だけ残す。


我が家の朝食はパン食である。

日によって卵がスクランブルエッグになったり、チーズをのせる代わりにスプレッドを塗ったりする。子供たちのメニューはコーンフレークになったり菓子パンになったりもする。


オイルサーディンは私の好物で、たまに見かけたら食べたくなって買う。私以外の家族は誰も食べない。缶詰に入っている魚というのが何やら怪しい感じがして抵抗があるそうだ。

「食べたことのない缶詰食品」に手を出しにくい気持ちは分からないでもない。私は子供の頃から朝食でパンに乗せて食べていたので違和感がなかったのだけど、そういえば家で食べる以外ではあまり見かけない。オイルサーディンは割とマイナーな食材なのだろうか。それとも実家がある京都周辺でのみ食べられているものなのか。ほかの家の朝食をあまり見る機会がないので何が一般的なのか判断が難しいところだ。

同じパン食でも私の求める朝食と妻の求める朝食はちょっとちがうらしい。オイルサーディン以外にもいくつか「私にとってはアリだけど妻にとってはナシなパンのおとも」が存在する。


まずは「コンビーフ」。

ほぐしてパンに薄く敷き詰めてマヨネーズを少量かけてトーストする。塩気が強いのでスクランブルエッグに混ぜ込んでもおいしい。

しかしこれも妻からはオイルサーディンと同じく馴染みがない缶詰食品として敬遠されている。たまにテレビでコンビーフを使った料理が紹介されているので、そこそこ一般的だと思うのだけど。


次は「粒うに」。

パンにバターを塗ってその上にこの粒ウニを薄く塗り、トーストする。食べる直前に上に味のりをのせて食べる。ウニの焼けた香りとしょっぱさ、海苔のパリパリのハーモニーがとても良い。

しかし妻はウニとパンの組み合わせが受け入れられないらしい。ごはんならまだいけるとのこと。粒ウニはパンに塗って食べるためのものだと子供の頃からすりこまれているので、ごはんにのせる発想はなかった。


最後に「レバーペースト」。

これもパンに塗ってトーストして食べる。ほかに具材を色々のせてもちゃんと存在感があり、よいアクセントになってくれる。レバーペーストはジャムと一緒にスーパーの朝食用コーナーに置いてたりするので一般的な食べ方だと思う。

妻はレバーを好まないので食べない。私の中ではレバーペーストとレバーは味から食感からもはや別物なのだけど、まあ嫌いなものはしかたない。

こんな感じで私が子供の頃から好んで食べているパンのおともは妻にとってナシなものが多いので、食べたくなったらそっと買って自分だけ楽しんでいる。


とはいえ朝食担当としては妻や子供たちにも子供の頃の私のように新しい味と出会う喜びを感じてもらいたい。

そこで最近はカルディで売っている「ぬって焼いたらカレーパン」とかスーパーで売っている「コーンマヨ」や「シュガースプレッド」のような妻子が興味を示しそうなパンのおともを見つけては朝食に出すようにしている。

これらは「粒うに」やら「オイルサーディン」やらのような、一部の大人が楽しむ嗜好品感を出してこないので、みんな抵抗なく食べてくれる。特にカルディの「ぬって焼いたらカレーパン」は好評だった。パンに塗って焼くとサクサクしておいしいのだ。


カルディはオイルサーディンやレバーペーストも売ってるし、見たこともない新たなタイプのパンのおともを売り出したりするので目が離せない。

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