ピロスケ | エッセイ

大阪在住40代が綴る日常系エッセイがメインです。 知らんおっさんの日常に興味が湧くかは…

ピロスケ | エッセイ

大阪在住40代が綴る日常系エッセイがメインです。 知らんおっさんの日常に興味が湧くかはさておき、そこそこ笑える内容になっているはずですのでよかったら読んでみてください。

マガジン

  • 羽のように軽いエッセイ

    深みも学びもない、でもちょっと笑える軽いエッセイ。まじめな話に疲れた方におすすめ。

  • おいしいものの話

    おいしそうなもの、おいしかったものについて語ります。

  • ダイエットの話

    いろいろ試してみるものの、一向に体重が減らないダイエットの事例としてどうぞ。

  • サクッとかじれるショートショート

    自作のショートショート小説集。コメディ寄りです。

最近の記事

君になら踏まれても

先にお伝えしておくと、これは私の「女性に顔を踏まれたい」という性癖をカミングアウトする話ではない。また、以前書いたお話で開きかけた「裸足フェチの扉」をさらに大きく開け放ったという話でもない。 なのでどうか安心して読み進めてほしい。 人に顔を踏まれるという状況はなかなかないと思う。 ないと思うけども、もし踏まれたらたいていの人は怒るはずだ。「人の顔を踏むなんてどういうつもりだ」と。私だって怒る。 さっきまではそう思っていた。 それはついさっき踏まれることの喜びに目覚めちゃ

    • 洗濯機はプレッシャーを感じない

      ここ数日間、我が家の洗濯機に引退を勧めている。 ゴトゴトとまわる洗濯機の前で「君はもう十分働いた」「毎日働き続けて疲れただろう」「後のことは任せろ」と執拗に声をかけ続けている。 聞こえているのかいないのか、今のところ一向に退く様子がない。 私がなぜこんな部下に早期退職をせまる上司のようなことをしているかというと、最新型の洗濯機を導入したいからだ。 洗濯という家事は大変めんどくさい。 洗濯機をまわし…終わったら洗濯物を取り出してハンガーに通し…外に干して乾くのを待ち…乾い

      • 好きなものをキャラクター化してみたら

        「はたらく細胞」が実写映画化されるらしい。佐藤健が白血球になって暴れまわるというだけでもう面白そう。 原作漫画が発売された当時は「細胞の擬人化」という斬新な設定が話題になった。それから10年くらい経った今はあらゆるものが擬人化、キャラクター化される時代である。私が住んでいる市にはご当地ゆるキャラがいるし、近所を走るモノレールは萌えキャラになっている。 現実では極小の白玉団子にしか見えない白血球も、擬人化されて佐藤健になれば途端に面白くなる。作者と佐藤健がすごいだけのような

        • 私はメキシコに行きましたか?

          記憶というのは、それが遠い過去であればあるほどぼんやりしてくるものだ。40代にもなると幼少の頃の記憶なんてもはや、ラノベで異世界転生した主人公が高熱を出して思い出す前世の記憶と同じくらい曖昧なものになっている。 そんな幼少期の記憶らしきものをふとしたきっかけで思い出したとしても、それが本当に自分が体験したことなのか、それとも誰かに聞いた話なのか、はたまた風呂で妄想したものなのか…確信なんて持てない。 いや幼少期の記憶どころか、1年前の記憶ですら危うい。 ついこないだも「こ

        君になら踏まれても

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        • 羽のように軽いエッセイ
          51本
        • おいしいものの話
          9本
        • ダイエットの話
          11本
        • サクッとかじれるショートショート
          28本

        記事

          とびら開けて

          ねえ、ちょっとおかしなこと言ってもいい? というのはディズニー映画「アナと雪の女王」の序盤でアナとハンスが歌う「とびら開けて」という曲の歌い出しの歌詞だ。しっかり覚えている。何回も聴かされたから。 アナ雪はうちの娘たちが大好きなディズニー作品である。 そして先日ディズニーシーで新しくオープンした「ファンタジースプリングス」にはそのアナ雪のエリアがあるらしい。 アレンデールに行けると聞けばさすがに出不精の娘たちも飛びつくことだろう。そう思って誘ってみたのだけど…まだいいと

          娘心と春の空、そして消えたカスタードパイ

          人間として40年、親になって10年以上が経つベテラン大人だが、それでも先のことを読むのは難しい。特に天気と娘の気持ちの読みはだいたい外してきた。 私は基本的に在宅勤務なので会社に行くのは年に1、2回くらいだ。しかしなぜかそういう日に限って電車が止まったり大雨が降ったりと何かしら問題が起こり、気持ちよく出勤させてくれない。 今日はまさにそういう日、今年初の出社日なのだけど、外に出たら土砂降りだった。 晴れる日の多い5月を選び、週間天気予報でチェックもしていたのに、そんなの関

          娘心と春の空、そして消えたカスタードパイ

          たまごサンドのお願い

          思春期の子どもと暮らしていると、お願いを聞いているのに怒られる、という理不尽な扱いを受けることがままある。 質問をしすぎると「断る理由を探してるんでしょ!」と誤解して「もういい!」と怒って行ってしまったり、何も聞かずに「いいよ!」と答えれば「投げやりになっていない?ほんとはいやなんでしょ!もういい!」と早とちりして怒って行ってしまったり。 こうして思い出すと、いやまずもう少し機嫌の良い時に来なさい、と言いたくなってきたが、とにかく素直に受け取ってもらえないケースを考慮して

          たまごサンドのお願い

          思い出させないで、笑っちゃうから

          ある日の夕食がそろそろ終わろうという時間、私はちょっとした危機に瀕していた。 思い出し笑いに襲われたのだ。 少し前に読んで笑ったエッセイの内容を思い出してしまい、笑いがこみ上げてきて吹き出しそうになった。どうにかギリギリのところでこらえ、ニヤけた顔を家族に見られないようにしながら「ンンッ」と咳払いでごまかした。 ちょうど食事が終わって皿を下げにキッチンに向かうところだったから良かったものの、もし娘たちの目の前で急にニヤニヤしたりしたら「パパのキモいところ」リストにまた1つ

          思い出させないで、笑っちゃうから

          新しいカバンは選べない

          残念ながら私はカバンを扱うセンスを何一つ授からずに生まれてきたらしい。センスがないのはカバンだけなのか?と聞かれたら他にも思い当たるものはたくさんあるのだけど、とりあえず今日はカバンの話だ。 先日家族で私のカバンを買いに出かけた。 パパのカバンを買うだけなのに妻も娘もついてくる。一見とても仲良しな家族に見えるが(別に仲が悪いわけではないが)、妻娘がついてくるのは休日をパパと過ごしたいだとか、パパにカバンをプレゼントしたいだとか、そういうプラスの理由からではない。私にカバン

          新しいカバンは選べない

          先生、テニスがしたいです

          私はテニスというスポーツが好きだ。 狙い通りの場所にボールを打てた時の気持ちよさ、パコンという心地よい打音。サービスやスマッシュが決まった時のかっこよさ。何よりテニスという言葉から連想される爽やかなイメージ。 日頃スポーツ観戦をしない私もテニスの試合なら観ていられる。 趣味はなんですか?と聞かれた時に「週末に家族や友人とテニスを楽しんでいます」と答えれば、それだけで信頼され好感を持たれて、友達も増えそうではないか。 テニスをすれば今の私に足りないものがすべて手に入る。

          先生、テニスがしたいです

          こどもの日に親が考えること

          こどもの日が祝日なら、父の日や母の日も祝日にして良いのではないか。いやこどもの日は端午の節句、男の子を対象としているのなら桃の節句である3月3日も休みにすべきだ。いやそれなら月と日がゾロ目になる日は毎月休みにすべきか。いやどうせなら毎週4連休にしてほしい。 …なんてことを考えてしまうのは「10連休の人も多いようです」というニュースを見て悔しくなってしまったからだろうか。4連休じゃ足りない。もっと休みたい。 今年のゴールデンウィークは前半と後半に分かれていることもあって、我

          こどもの日に親が考えること

          回り続けるオルゴール

          オルゴールといえば開いた時に流れる郷愁漂う音色とともに懐かしい記憶と感情を呼び覚ましてくれるものだ。ある物語の中で小さなオルゴールが登場すれば、それは当然のごとくこれから素敵な思い出エピソードが語られるという前フリである。 そんな良エピソード量産アイテムであるオルゴールなのだから、自分にも何かしらオルゴールに関わる素敵な思い出があるだろう、よしそれを今回のネタにしようきっとほろりと泣ける話になるぞ、と記憶を探ってみたのだが。 まあお察しの通りそんなエピソードはひとつも見つ

          回り続けるオルゴール

          「やせたガール」を卒業したい

          私は「やせたガール」である。 やせているわけではないしガールでもないおっさんだが、「やせたガール」である。 こいつは何を言ってるんだ、と怒られる前に説明しておくと、ここで言う「やせたガール」とは「やせたいと公言しているが一向にやせない、ずっとやせたがっている人」のことである。 ガールとついているが若い女性とは限らない。 おっさんだってやせたガールになれる。 ダイエット記事を10本も投稿していながら体重が肥満ギリギリのところをうろうろしている私もまた「やせたガール」なのだ。

          「やせたガール」を卒業したい

          オバケレインコート羽織

          小さい頃から雨の中をパシャパシャと水しぶきをあげて走るのが好きだった。お気に入りのレインコートを身につけて。 いつしかレインコートは着なくなったが、走ることが好きなのは変わっていない。小学校のかけっこはダントツで一番だった。今でも鬼ごっこなら誰にも負けない自信がある。 中学になって陸上部に入り、大会で何度も優勝した。 でも高校になって勝てなくなった。私が速く走れるのは数十メートルまでで、その距離を過ぎるとスピードがガクンと落ちる。そういう身体なのか、どれだけ練習しても距離

          オバケレインコート羽織

          セピア色の桜、灰色の桜

          思い出すとノスタルジックな気持ちになる桜を「セピア色の桜」と呼ぶとしたら、私にとってのセピア色の桜はいつ見たものだろうかと考えてみた。 すぐに出てきたのは通っていた小学校の中庭に植えられていた桜並木だ。 小学5年のある朝、校門を通って校舎に向かう時にグラウンドの横に植えられた満開の桜並木を見て「おお…」と感激した時のことを思い出した。 その桜並木自体は自分が入学した時からそこに存在しており毎年見かけていたはずなのに、その時に初めて綺麗だと思ったのだ。 きっと自分の中にそれ

          セピア色の桜、灰色の桜

          サボテンとおじさんはなかなか変わらない

          変わる時といえば。 学生や新社会人の頃は新年度を特別な区切りとし、次の1年の目標を決めて何かしら変わろうとしていたものだ。 40歳を超えると当然ながら新年度という時期を既に40回ほど迎えているわけで、その特別感というのもかなり薄れている。月が3月から4月に変わったり、季節が冬から春に変わったりするのと同程度の扱いである。 そうなると次の1年の目標を決めようという神聖な気持ちも生まれにくくなるのか、ここ数年はこの時期に目標を決めた記憶がない。 ではそんなおじさんがいつ変わ

          サボテンとおじさんはなかなか変わらない