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羽のように軽いエッセイ

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1ミリも深みのない軽いエッセイをまとめました。重い話に疲れた方におすすめ。
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記事一覧

こどもの日に親が考えること

こどもの日が祝日なら、父の日や母の日も祝日にして良いのではないか。いやこどもの日は端午の節句、男の子を対象としているのなら桃の節句である3月3日も休みにすべきだ。いやそれなら月と日がゾロ目になる日は毎月休みにすべきか。いやどうせなら毎週4連休にしてほしい。 …なんてことを考えてしまうのは「10連休の人も多いようです」というニュースを見て悔しくなってしまったからだろうか。4連休じゃ足りない。もっと休みたい。 今年のゴールデンウィークは前半と後半に分かれていることもあって、我

回り続けるオルゴール

オルゴールといえば開いた時に流れる郷愁漂う音色とともに懐かしい記憶と感情を呼び覚ましてくれるものだ。ある物語の中で小さなオルゴールが登場すれば、それは当然のごとくこれから素敵な思い出エピソードが語られるという前フリである。 そんな良エピソード量産アイテムであるオルゴールなのだから、自分にも何かしらオルゴールに関わる素敵な思い出があるだろう、よしそれを今回のネタにしようきっとほろりと泣ける話になるぞ、と記憶を探ってみたのだが。 まあお察しの通りそんなエピソードはひとつも見つ

「やせたガール」を卒業したい

私は「やせたガール」である。 やせているわけではないしガールでもないおっさんだが、「やせたガール」である。 こいつは何を言ってるんだ、と怒られる前に説明しておくと、ここで言う「やせたガール」とは「やせたいと公言しているが一向にやせない、ずっとやせたがっている人」のことである。 ガールとついているが若い女性とは限らない。 おっさんだってやせたガールになれる。 ダイエット記事を10本も投稿していながら体重が肥満ギリギリのところをうろうろしている私もまた「やせたガール」なのだ。

セピア色の桜、灰色の桜

思い出すとノスタルジックな気持ちになる桜を「セピア色の桜」と呼ぶとしたら、私にとってのセピア色の桜はいつ見たものだろうかと考えてみた。 すぐに出てきたのは通っていた小学校の中庭に植えられていた桜並木だ。 小学5年のある朝、校門を通って校舎に向かう時にグラウンドの横に植えられた満開の桜並木を見て「おお…」と感激した時のことを思い出した。 その桜並木自体は自分が入学した時からそこに存在しており毎年見かけていたはずなのに、その時に初めて綺麗だと思ったのだ。 きっと自分の中にそれ

サボテンとおじさんはなかなか変わらない

変わる時といえば。 学生や新社会人の頃は新年度を特別な区切りとし、次の1年の目標を決めて何かしら変わろうとしていたものだ。 40歳を超えると当然ながら新年度という時期を既に40回ほど迎えているわけで、その特別感というのもかなり薄れている。月が3月から4月に変わったり、季節が冬から春に変わったりするのと同程度の扱いである。 そうなると次の1年の目標を決めようという神聖な気持ちも生まれにくくなるのか、ここ数年はこの時期に目標を決めた記憶がない。 ではそんなおじさんがいつ変わ

始まりはいつもボツになるアイデアから | エッセイ

始まりはだいたいボツになるアイデアからスタートする。 私のショートショート小説執筆の話である。 昨年の9月にnoteでたらはかにさんの「毎週ショートショートnote」という企画を見つけて以来、週に1回のペースでショートショート小説を書いている。 私が書くショートショートは平均2000文字くらいだ。 いや企画のルール上は「だいたい410文字くらい」と書かれているのだけど、毎回2000文字くらいになってしまうのだ。どうやっても短くならないので、ワンチャン2000文字もまあだい

水筒を洗うのがめんどくさい

水筒を洗うのがめんどくさい。 我が家には食洗器があり、水筒以外のほとんどの食器はその食洗器が自動で洗ってくれるというのに、水筒だけは手洗いしなくてはならない。 いやひょっとしたら水筒も食洗器で洗えるものなのかもしれないし、みんなそうやって洗っているのかもしれない。しかしどうしてもあの飲み口部分しか開いていない細長い筒の中にうまく洗剤やらお湯やらを飛ばしてきれいに洗えるとは思えないのだ。 「食洗器で楽に皿洗いできるのだから水筒を洗うくらい良いでしょう?」だなんて言わないで

クランチタイプのタコスが食べたい

タコスって何となくどんな食べ物か知ってるけど食べたことはない、という人が意外と多いのではないだろうか。 タコライスとかスナック菓子のドリトスとかブリトーとか、タコスに近いものを食べる機会はあるが、タコスそのものについては「よしタコス食べよう」とか「メキシコ料理を食べに行こう」とか思いたって行動に移さない限り食べる機会がない気がする。 私は子供の頃に何度かタコスを食べた記憶があるのだけど、それ以来数十年食べる機会がなかった。 たまに子供の時に食べたあの味を思い出しては、ま

蝋燭屋の麻婆麺でかつてない「シビれ」を味わう

私は辛いものがそこそこ好きだ。 特別辛さに強いわけではないのだけど、「辛すぎて食べきれなかったらどうしよう...」とドキドキしながら注文して、「すごく辛い...無理かもしれない...」と辛さやら熱さやら食べきれないかもしれないという焦りやらからくる汗を流しながら食べるのが好きなのだ。 なので辛いと書かれたメニューがあったらとりあえず頼んでみることにしている。 そうしてこれまでに食べた辛いものの中でも印象に残っているのが、今回紹介する蝋燭屋の麻婆麺だ。まあ印象に残っている

カヌレが食べたい

高校生の時にロッテリアで初めて食べて以来、心のどこかでいつも「カヌレ」を求めている。 カヌレというのは、シフォンケーキを手のひらに載るくらいのサイズまで小さくしたような見た目の焼き菓子だ。 表面はしっかり焼かれていて固くカリッとしており、中はしっとりもっちりしている。このカリッモチッの食感がクセになる。表面はちょっと焦げたような苦みのある香りなのだけど、噛むと卵の甘い香りが広がる。 ロッテリアで一時期だけ発売されてそこで初めて存在を知ったのだけど、自分が知らなかっただけ

ゴールデンウィーク最終日に後悔してそうなこと

気がつけばゴールデンウィークの4日目がもう終わろうとしている。おかしいな、つい先日「やった11連休だ!」と喜んだところなのにもう半分近くが過ぎてしまっているじゃないか。 予定ではサボり気味だったnoteエッセイを3本くらい書き上げているはずなのに、まだこれが1本目だ。私は一体この4日間何をしていたのか?(遊んでた) 長期休暇の時はいつも「プログラムをたくさん作ろう」とか「文章をたくさん書こう」とか生産的な目標を立てて臨むのだけど、その目標を達成できたためしがない。 やら

エルデンリングが人としての器を試してくる【ゲーム】

最近「エルデンリング」というゲームで遊び始めた。 エルデンリングというのは2月25日に発売されたフロムソフトウェアの新作ゲームだ。「狭間の地」と呼ばれる場所に「褪せ人」として降り立ち、立ちふさがる敵を剣やら魔法やらで倒しながら王を目指すというオープンワールドアクションRPGである。「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」や「ウィッチャー3」とだいたい同じジャンルのゲームだ。 発売元のフロムソフトウェアはとにかく難しくて死にまくる「死にゲー」でおなじみのダークソウルシリ

笑いをこらえても

Twitterで面白い動画が流れてきた。こちらだ。 ニュース風に仕立てたネタ動画なのだけど、アナウンサーが必死で笑いをこらえて何とか原稿を読もうとしているのがおかしくて、初めて観たときは涙が出るほど笑った。 人が笑いをこらえている様はなぜこんなに面白いのだろう。こちらまで誘われるように笑ってしまう。「笑いをこらえる」という仕草には笑いをおさめるどころかさらなる笑いを引き起こしてしまうという、求めているのとはまったく逆の効果があるのかもしれない。 笑いをこらえることについ

これは果たして「なわとび」なのか

うちの子らの小学校が春休み期間に入った。およそ2週間の休みだ。 私と妻は仕事なので平日どこかに出かけることはできないが、休日にお出かけに誘っても家で過ごすことを選ぶようなわが子らなので、きっと家で楽しく過ごせるだろう。一応試しに「電車に乗って二人だけで実家に帰ってみては?」と冒険に導いてみたが断られた。 そんな休み満喫中の二人がゲームして楽しんでいる物音を聞きつつ、今日も私は在宅勤務だ。 いつも平日の昼間は一人で過ごしているので、隣の部屋から笑い声が聞こえてきたり、一緒