生きてるだけでは大損だ

生きてるだけで偉い？丸儲け？
それってホント？
生きるって、そんなに簡単なの？

・・・

『死にたい』

一時期は僕の相棒のようになっていた言葉だ。
病み期になってネットで死にたくなったときのこととかを調べだすと、やたらと目につく言葉たちがある。

『生きてるだけであなたは偉い』
『生きてるだけで丸儲け』

すーごい引き止め文句だよなあ。生きてるだけで充分だなんて。
無駄に生きてるだけで、金食い虫の僕でも偉いんだぁなんて錯覚してしまう。

・・・

確かに悪いことは何もしていない。
酒もほどほどしか飲まない。暴れ出したり人に迷惑かけたりすることはない。
タバコも吸わない。身体に良くないしお金も飛ぶから吸わない。
盗みも、暴力も、強姦も、人殺しも、何もしていない。
日々をゆったり過ごし、友人と会って遊んだり、最近はたまに実家に帰ったりして過ごしているだけ。
悪いことは何もしていない。

じゃあ、毎日こんなにプレッシャーを感じるのはなぜ？
自分を偉いとは到底思えないのはなぜ？

それは今の僕がお金を生み出していないから。
定職につかず、アルバイトもたまにしか入らない。勉強をしているわけでもない。ビジネス書を読んでるわけでもない。
お金に繋がる行動をほとんど何もしていないから。

人間ってのは生きてるだけでお金がかかる。
税金を払わなくちゃいけない。
健康保険料も払う。
家賃、光熱費、駐車場代。
食費、交際費、携帯代。
そのほかにも諸々払わなくちゃいけない。
僕らが老人になるころには、どうせ年金なんて大した額は期待できない。
なので残り少ないお金の中で貯金もしなければならない。

生きてるだけで丸儲け？
違う、生きてるだけでは大損だ。

今の僕は、毎月負債を生み続けるだけの存在ということだ。
こんな僕のどこが偉いものか。
結局お金なのだ。どれだけ綺麗事を並べても、お金がなければ人間らしく生きていくことすら許されないのだ。

だからみんな、自らの心を殺して、お金を稼ぐ。
死なないために、死んでいく。
ストレス社会において、身体の健康と心の健康はまるで砂時計のようにどちらか一方に偏ってしまって、バランスを取ることはできない。
できているのはほんの一握りの人間だけ。
心の方の砂が落ちきった人が、手首を切り、ビルから飛び降り、電車に身を投げだす。

良いか悪いか、どちらにしろ、今現在僕は生きている。損を生むだけだとしても、生にしがみついている。
その意味をもう一度考え直して、人生をやり直してみたいの。

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