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感情のエッセイ

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2019年12月の記事一覧

滲む酒

滲む酒

友達に会いに新潟に行った。初めての土地で、初めてのお酒を交わしに。



その日は夜勤明けだった。急いで家に帰ってシャワーを浴びる。
綺麗な自分を見てほしい。それなのに、男の体というのは髭も生えれば汗も臭う。
洗いたての自分に満足するけれど、到着する頃には汚くなっちゃってるんだろうなって、すこし陰る。

最初こそ運転したものの、ほとんど嫁さんの運転でホテルに着いた。はじめは一人電車で行くと言って

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眠った街のあなたを探して

眠った街のあなたを探して

ずっとSNSに入り浸っていたけれど、昔から考えても一番依存しているのはTwitterだとおもう。
ほんとに四六時中ツイッタランドをうろうろしている。仕事中だろうがトイレ中だろうが、何事もTwitterを妨げられない。

そこにはいつも誰かがいる。なにがいいって、体温が感じられるんだ。僕は一人が好きなうえに寂しがり屋だから、とてもちょうどいい。一人なのに一人じゃない。

向こうでちゃんと生きてるから

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どうしようもない夜

どうしようもない夜

ケアマネ試験合格発表の日。酔いつぶれて朝を迎え、肝臓の苦しそうな声を遠くに聞きながら夜となった。祝勝会を求め、夫婦でちょっといい居酒屋にいった。

いつもなら最初の一杯はビールなのだけど、なんだか気分じゃなくてのっけから日本酒を頼んだ。日高見という、宮城のお酒だった。
お通しはポテトサラダ。水分多めのしっとりとした仕上がりのなかに、熱の通しすぎない玉ねぎの程よい食感。わけあって肝臓以上に悲鳴をあげ

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