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京都大学/国語(現代文)

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#読書

2014京都大学/国語/第一問/解答解説

2014京都大学/国語/第一問/解答解説

【2014京都大学/国語/第一問/解答解説】

〈本文理解〉
出典は石原吉郎の随想「望郷と海」。筆者は詩人。
前書きに「著者が1941年に満州へ派遣され、45年の日本の降伏後にソビエト連邦軍に抑留されてのち、49年に重労働の判決を受けた前後を回想したものである」とある。
①段落。起訴と判決をはさむほぼふた月を、私は独房へ放置された。とだえては昂ぶる思郷の想いが、すがりつくような望郷の願いに変ったの

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2015京都大学/国語/第一問/解答解説

2015京都大学/国語/第一問/解答解説

【2015京都大学/国語/第一問/解答解説】

〈本文理解〉
出典は阿部昭『短編小説礼賛』。京大では馴染みの「内向の世代」の作家である(小川国夫「体験と告白」(2020出題)、古井由吉「影」(2018出題)、黒井千次「聖産業週間」(2016出題))。
①段落。英語には"To cut a long story short"(かいつまんで話すと)とか、"Please make your story s

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2015京都大学/国語/第二問(理系)/解答解説

2015京都大学/国語/第二問(理系)/解答解説

【2015京都大学/国語/第二問(理系)/解答解説】

〈本文理解〉
出典は清水幾太郎『流言蜚語』。
①段落。報道は人間の生理的な必要である。しかもこの必要は近代になってから日をおってその強度を増している。それには色々な理由が考えられる。第一に経済的にも政治的にも文化的にも世界の諸国が緊密に結び合わされ、そのために世界の片隅に起こった事件がやがて各個人の生活に影響を及ぼすようになって来たからであろ

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