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「ありがとう」は言わない

「ありがとう」に相当する言葉は
どんな外国語でも好きな言葉の上位に来るという

相手への感謝の意味を込めた「ありがとう」は
言われても嬉しいし
言うのも清々しいからだろう

しかし世界の言語のなかには
「ありがとう」に相当する言葉がないものもあるという

感謝をあらわす言葉がないなんて
と思うかもしれないが
けっして感謝の念をもつことがないわけではなく
当たり前のことを当たり前にすることが普通だから
「ありがとう」という言葉はないということらしい

それはそれで洗練された考え方であり
「ありがとう」があるかどうか
ということは
表面上のことである

どちらが上とか下とか言うことはできない

ところで8月になると
私はきまってタモリさんの弔辞を思い出す

タモリさんと赤塚先生の素敵な関係性が伝わるこころに染みる

この弔辞の最後のほうに次のような言葉がある

 私はあなたに生前お世話になりながら、ひと言もお礼を言ったことがありません。それは肉親以上の関係であるあなたとの間に、お礼を言う時に漂う他人行儀な雰囲気がたまらなかったのです。あなたも同じ考えだということを他人を通じて知りました。しかしいまお礼を言わさしていただきます。
 赤塚先生本当にお世話になりました。ありがとうございました。
 私もあなたの数多くの作品のひとつです。

タモリさんの弔辞より

「ありがとう」と言うときの他人行儀な雰囲気ってよく分かる

感謝をしているからこそ
あえて「ありがとう」と言わない

「ありがとう」と言う言葉は
人から言われて言うものではなく
自発的に出てくるからこそ
輝くことばだ

強制されたり
単なる習慣のひとつとして発する
「ありがとう」は軽い

本当に感謝したときにだけ言いたい言葉なのだけれど
実際は「ありがとう」のインフレーションになっていないだろうか?

口先だけならいくらでも言えるけど
こころのこもらない「ありがとう」が
息苦しさをうむこともある

ありがとうを言う=善
ありがとうを言わない=悪
とは必ずしも言えない


今日の三行日記

分け入っても分け入っても青い山

山は緑だろ?って思ったこともあったけど、山って青いんだなぁ。

今日の筑波山
山って青いんだなぁ💝

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