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エッセイ | 失楽園ぼっち

(1) はじめに

 今週の毎週ショートショートnoteの「表」のお題は「失恋墓地」。
 こちらのお題のショートショートはすでに書き上げ、投稿した(↓)。


「裏」?のお題は「失楽園ぼっち」。こちらは「ぼっち」がなかなか料理できず、手付かずのままである。
 しかし、「失楽園」だけなら、エッセイを1つ書けそうだ。


(2) 失楽園

 失楽園と言うとこちらのドラマ(↓)をまっさきに思い出す人が多いことだろう。


 しかし、私がこの記事で話題にしたいのは、こちらの「失楽園」である。

ミルトン(作)(平井正穂[訳])
「失楽園(上)(下)」
岩波文庫

 キリスト教、特に聖書の知識がないと理解することが難しい。

 引用句辞典(dictionary of quotations)というものがある。さまざまな文学や論文、メディアなどでよく引用される箴言やフレーズを集めた辞典だが、シェイクスピアと聖書を別とすれば、ミルトンの引用句に、かなりのページが割かれていることがわかる。
 「失楽園」は、平井正穂訳で一応目を通してみたが、日本語訳でも、私にはなかなか歯がたたなかった。おそらく、英語のネイティブスピーカーでも、ミルトンの英語を読みこなすことは難しいのではないかと想像される。
 しかしながら、いつか読み通してみたいと思っている。いつになるかわからないが。。。

 ミルトンの「失楽園」は難しいが、アンドリュー・パイパー(作)「堕天使のコード」(The Demonologist)という小説は面白かった。
 もちろん日本語訳で読んだのだが、
英語のタイトルが「悪魔学者」
(The Demonologist)であるので興味をもって読んだ。

アンドリュー・パイパー
(松本剛史[訳])
「堕天使のコード」
新潮文庫

 ミルトン「失楽園」を研究するウルマン教授が主人公の物語。娘と二人でヴェネチアを訪れるが、娘が姿を消してしまう。ミステリー小説のような、ファンタジー小説のような。再読したい小説の1つである。


(3)ミルトン「言論・出版の自由」

 「失楽園」で知られるミルトン(1608-1674)だが、政治的な発言も行なった人である。

ミルトン(著)(原田純[訳])
「言論・出版の自由」
(アレオパジティカ)
岩波文庫

 ミルトンの生きたイギリスは、生没年を見れば分かるように、激動の時代だった。ピューリタン革命、名誉革命。
 世界史の教科書では「失楽園」の作者・詩人として登場するが、ミルトンは役人であった。
 「失楽園」を読み解くには、ミルトンの政治的信条も知っておく必要がありそうだ。


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