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税金について





はじめに | 税金ってなんだろう?


 税金ってなんであるんだろう?ということを考えてみようと思います。

 全部に目を通したわけではありませんが、財務省による説明も国税庁による説明も似たり寄ったりです。どちらの説明も、かいつまんで言えば、さまざまな公的なサービスに必要な費用をまかなうために税金が必要である、という趣旨のことが書かれています。

 詳しく読めばもっとなにか書いてあるかもしれませんが、「必要な経費を調達する」という目的以外に私が思い付く税金の意味を書いてみます


#財務省の説明


#国税庁の説明


#課税の目的と効果


(1) 望ましい状態へ誘導するため。


 まず最初に思い付くのは、経済学的に言えば、外部経済・外部不経済を内部化するためです。外部経済・不経済とは、公害のように、市場の内部だけでは適切な資源配分が実現できないものを指します。

 たとえば工場で生産される商品を作るとき、有害な物質が水質や大気を汚染することが許させるならば、本来企業が負担すべき公害対策の費用をその企業は支払わないことになります。

 法律で「汚染された水・大気を出すな!」と定めて企業のモラルに訴えるだけでは、公害を抑制することは出来ません。汚染された水や大気を出した分だけ税金を課すようにすれば、市場の内部での需要と供給を調整出来るようになりますね。これを「外部経済(外部不経済)の内部化」と言います。

 ガソリン税にも、元々の立法の趣旨はともかく、経済学的には炭素税的な意味があります。
 1リットルのガソリンを燃やせば、どのくらいの量の二酸化炭素が放出されるかということは、化学反応式から事前に計算できます。 


(2) 景気対策のため。


 一般的に、税金を安くすれば、それに伴い消費が増えます。だから、景気が悪い時には、減税が行われることがあります。一律に何でも減税するという方法も考えられますが、たいてい減税される消費財には、「乗数効果」の大きいと考えられる消費財が選ばれることが多いです。

 乗数効果の詳しい説明は省きますが、簡単に言えば、乗数効果が大きいモノとは、追加的な消費を刺激する「住宅」などが考えられます。

 住宅減税という景気対策が多いのは、住宅を新たに買う人が増えれば、単に住宅を購入するだけではなく、家具や家電製品という追加的な消費が見込めるからです。マイカー減税などもそうですね。
 どちらも金額自体が大きいだけでなく景気を刺激する波及効果が大きいと考えられます。

 私は長期的に見れば、すぐには目に見える効果は現れにくいですが、教育や研究に対する支援や減税の乗数効果(波及効果)が大きいと考えます。しかし、学術的な研究というものは、やってみないとわからない面が多く、景気対策として研究に投資しよう!、とはなかなかなりませんね。


#課税を考える上での視点


(1) 応能原則と応益原則


 応能原則(おうのう•げんそく)とは、簡単に言えば「税金を支払う能力」(担税力 [たんぜいりょく])に応じて課税するという考え方です。所得の多い人ほどヨリ多くの税金を支払うべきだという考え方であり、「累進課税」は応能原則に基づいています。

 応益原則(おうえき•げんそく)とは、そのものを使って利益を得た分を負担するという考え方です。利用した人が利用した分だけ負担すべきという考え方で、「使用料」みたいなものです。


(2) 捕捉のしやすさ


 「法人税」も「所得税」もいずれも「所得に対する税」であることに変わりはありません。だから、法人税はいらないのではないか?、という考え方もあります。 
 しかしながら、徴税コスト(税金を徴収するためにかかる費用)を考慮すると、企業のほうが課税しやすい。また、理屈はともかく、法人税による歳入はすでに大きなウエイトを占めているという現実があり、即廃止することは難しいでしょう。


(3) 分かりやすさ・簡素性


 誰にでも公平・公正であることは大切ですが、完全な公平・公正を追求すると、納税者が理解できないような複雑な税制になります。また、毎年のようにコロコロ変わる税制は、本来は望ましくありません。
 簡単な話をすれば、公平・公正だったとしても、わけのわからない税金を納税者は支払いたいとは思えないでしょう。

 難しい課題ではありますが、公平かつ公正で簡素な税制が望ましいと言えるでしょう。


むすび


 課税というものには、いろいろな考え方があります。法律的な理論だけでなく、経済学的な理論や考え方もあります。
 しかし、家計の収入に租税をなぞらえて、「必要経費をまかなうための収入が税金である」と考えられるほど単純なものではないことは考慮したほうがいいでしょうね。



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