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短編 | ラーメン恥骨電動

 酒を飲んだ最後の締めには、ラーメンは欠かせない。体にはあまりよくないだろうな、ということは重々理解しているつもりだが、やっぱり食べたくなる。飲んだ後の味噌ラーメンは必要悪とさえ言えるだろう。

「さぁ、今日もたくさん飲んだし、ラーメンでも食いに行こうか?」
私はいつものように部下の田中に言った。

「あの、ラーメンを食べた気分になるというのはどうでしょう?」
田中が、か細い声で言った。

「ラーメンを食った気分になるには、ラーメンを食べるしかないだろう?」
私は若干、気色ばんだ。

「先輩、『恥骨ラーメン』ってご存知ないですか?私は先週オープンした恥骨ラーメン専門店を体験してみたのですが……」
田中が言った。

「チコツ?お前、今、『チコツ』って言った?『豚骨』じゃなくて」

「はい、『恥骨』です」

「豚の『恥骨』はうまいのか?」

「いえいえ、恥骨を食べるのでも、実際にラーメンを食べるわけでもないのです。恥骨に電極をつけ、VRの画像を見るだけで、本当にラーメンを食べたような錯覚を覚えるのです」

「本当に食ったような気持ちになれるのか?」

「はい、それは間違いありません」


 私は酔った勢いもあり、田中のあとについていった。

『ラーメン🍜CHIKOTSU』という看板が見えた。

「いらっしゃいませ😄。お二人様ですか?今、お一人様の席しかあいていないのですが…」

「じゃあ、先輩が先にお召し上がりください。私は、ここでお待ちしています」

「いいのか?じゃあ、お先に恥骨を食ってみるよ」

「それでは、一名様ですね。こちらへどうぞ😆👍️」


 私は店員のあとについて言った。

 その店員はなかなかの美人であった。おまけに、ふくよかな胸が弾けんばかりだ。

「では、ここにお掛けください。下は脱いでお待ちくださいね」

「下を脱ぐのか?」

「はい。ズボンとトランクスは、こちらの籠へ入れてくださいね😄。恥骨に電極を繋がなくてはなりませんから😄」


 私は美人店員の言うがままに、下を脱いでしばらく待っていた。

「お待たせいたしました。あれれ、ム○コさん、ずいぶん大きくなっていますね😄」

「いや、これはその😳💦。お姉さんがとっても美人だから😳💦」

「美人ですか😄?お世辞でも嬉しいです😄」

「いや、お世辞なんかじゃなくて、本当に」

「ありがとうございます💝。じゃあ、早速電極とつなぎますね。あっ、あとトッピングはどうなさいますか?『恥骨デラックス』もございますが😄」

「そうだね。じゃあ、『恥骨デラックス』にさせてもらおうかな?」

「ありがとうございます💝。電極は繋ぎました。では、これをかぶって下さい」

「これでいいかな」

「はい💝。では、これから恥骨デラックスを流しますね😄」


 目の前に、確かに、うまそうなラーメンが現れた。私は思わず、箸を握った。
ゴクリと唾を飲んだ。

「どうせバーチャルなんだろ」と思っていたが、本当に食べているような気持ちになってきた。

 う、うまい!これが恥骨の味か。今までに体験したことがない旨さだ。しかも、次第に腹も膨れてきたような気がしてきた。
 そして、結局私は一滴残らず、恥骨の汁も飲み込んだ。

「ああ、食った。食った。恥骨最高!」

 私は、VR装置を脱ごうとした。その時である。下腹部に猛烈な電気が走った。

ビリビリ⚡ビリビリ⚡

 私はそのまま失神🌀してしまった。


 気がつくとベッドに寝ていた。となりには、「ラーメン🍜CHIKOTSU」のさきほどの美女店員が横たわっていた。なにも服を着ていなかった。たわわなバストがハッキリと見えた。

「これからが、トッピングの2回戦です。デラックス・コースの始まりです。おかわりは、いくらでもどうぞ😆👍️➰」

 

おしまい

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