見出し画像

一語の宇宙 | 四元数quaternion

quaternion」。
四元数」(しげんすう)のこと。

リーダーズ英和辞典によれば
[ クウォターニオン](「タ~」にアクセントがある)と発音するが、
カタカナで書くときは、
「クォータニオン」と書かれることが多い。


私が「四元数」(しげんすう)という「数」を知ったのは、藤原正彦さんの「天才の栄光と挫折~数学者列伝~」だった。

ご存知の方も多いと思うが、藤原正彦さんの「品格」という言葉が流行語になったことがありましたね。お父様は新田次郎さん、お母様は藤原ていさん。

「天才の栄光と挫折」という番組では、ニュートンからワイルズまで、8人の数学者が紹介されたが、四元数を発見したウィリアム・ハミルトンはそのうちのひとりとして紹介された。

四元数とは簡単にいうと(と言っても難しいけど)、高校で学ぶ「複素数」を拡張した数のようなものである。

ちょっと復習すると、
i」を虚数単位とすれば
複素数とは
a + bi」(aとbは実数)の形で表される数。
( a,b )という複素数の係数を用いれば、「ガウス平面」上に表現できる。だから、高校で学んだ「複素数」は敢えていうなら「二元数」と言える。


四元数は、複素数をさらに拡張したものと言える

二元の次は三元では?、と思われるかもしれないが、「3次元の四則」をうまく作ることはできない。その代わりに「4次元の数」だと計算ができる。
これを「四元数」という。

四元数は 
t + xi + yj + zk 
と表せる数のこと。

ただし、複素数の範囲までは成立する「かけ算の交換法則」は成り立たない

「3×5」も「5×3」も計算すれば同じ「15」になる。つまり、交換法則が成り立つが、四元数では、

i × j = k,  j × i = -k のようになる。
「かけられる数」と「かける数」をひっくり返すと別のものになる。こうして置かないとうまくいかない。

先ほど、四元数は「複素数」を拡張した概念だと書いたが、
四元数を次のように書き換えると、ビジュアル的にわかりやすいと思う。

t + xi + yj + zk 
= ( t + xi ) + ( y + zi ) j
 

なんとなく「複素数」の
a + bi」と似てるでしょ😄?

…といってもピンとこないかもしれませんが、
八元数octonion」のように、
さらに四元数を拡張することは可能。
16元数、 32元数のように。


「一語の宇宙」では英単語をひとつ取り上げてひとつのエッセイを書きます。
こちらのマガジンに収録していきます。


数学の話題はこちら(↓)


#一語の宇宙
#四元数
#複素数
#ガウス平面
#虚数
#品格
#ハミルトン
#藤原正彦
#英語がすき
#数学がすき



この記事が参加している募集

記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします