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富雄丸山古墳のニュースを見て思い出したこと。

(1)富雄丸山古墳

 日本最大の円墳である富雄丸山古墳から、盾形銅鏡と全長2メートルを越える鉄剣が発見された。
 銅鏡には複雑な文様があり、「古墳時代青銅工芸の最高傑作」と専門家が評価しているという。
 1月28日(土)には、現地で公開の発掘調査が行われるという(小雨決行)。行けたら行きたいところだが、遠いし、仕事もあるので行けない。残念である。

(2)説明会の思い出

 何年か前から古墳に興味をもち、比較的私の近所で行われた、国指定史跡の円墳の公開説明会に行ったことがある。
 古墳なんて大して人気があるものとは思っていなかったが、意外と古代史ファンが多く、定員ギリギリになる寸前だった。
 私が行った古墳は、全国的に見ても大きな円墳で、石室がむき出しになっており、中にも入ることができた。
 私は日本人の平均的な身長だが、立ったまま入ることができた。おそらく高さは2メートル以上あったと思う。
 装飾古墳ではないが、赤い顔料が塗られている「凝灰岩」の石室だった。また、石室内部には、排水施設もあったようである。
 調査員の方に、いろいろ根掘り葉掘り聞いた。
「この古墳の埴輪はどこで作られたのでしょう?」
「となりに小さな帆立貝型の前方後円墳がありますが、この円墳のほうがはるかに大きいのは何故でしょう?」etc.
 どの質問にも「わかりません」との回答で、申し訳なかったかな?、と思った。
 国指定の史跡の場合、発掘調査の事前に、目的を届け出る必要があるようである。
 トレンチを掘ったりするので、調査とはいえ、史跡に傷をつけてしまうので、目的に沿った限定的な調査になることが多いようだ。
 私が行った古墳では、「粘土郭」の調査だったので、さっきのような私の質問に関する調査なかったようだ。しかしながら、「これが関東ローム層です」と説明されると、みんな「うぉー」という感じで、とても面白かった。

(3)古代史は楽しい。

 古代史のいいところは、文字などの史料に乏しいから、いろいろと妄想(想像)できることである。
 例えば、石室が「凝灰岩」ならば、「どの山から運ばれて来たのだろう?」。
 埴輪の作り方・形の変遷をまとめていくと、徐々に作られた年代の幅が絞られてきたり。
 ある古墳で発見された埴輪が、別の古墳の埴輪の「窯跡」(埴輪工場のような遺跡)と同じものならば、その時代の分業の様子が徐々にわかるようになるかもしれない。

 あくまで想像だが、茨城の「虎塚古墳」の装飾と、福島の「中田横穴墓」の装飾のタッチ・色彩が似ているから、もしかしたら「海の道」があったのかもしれないetc.、といろいろ想像が膨らむ。仮に「海の道」があったとしても、陸上の道と違って発掘しようがないわけであるが。。

(4)古代史関連の本で面白かったもの。

 最後に、古代史に関心をもった方にオススメの私が読んだ本を挙げておきます😃💕。

松本清張「古代史疑」(中公文庫)

この本は図書館で借りたので、手元にはないが、推理作家ならではの洞察力が光る。


松本清張「或る『小倉日記』伝」(傑作短編集(一))、新潮文庫

この短編集に収められている「断碑」という作品が考古学を扱っている。


濱田耕作(著)「通論考古学」、岩波文庫

「日本考古学の父」と呼ばれる濱田耕作の代表作。発掘の仕方、展示の方法まで丁寧に説明している。


森浩一(著)「僕は考古学に鍛えられた」、ちくま文庫

森浩一先生の自伝。エッセイとして読んでも面白い。青春の記録。


桑原水菜(著)「遺跡発掘師は笑わない」、角川文庫

ミステリーと古代史とが、コラボしたような小説。


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