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短歌 | 憂鬱な三日月の夜(再掲)[自作解説付き]

 1年前に投稿し、スキ数が一桁だった作品である。今、読み返しても、自分では最も上手く書けた作品のひとつだと自負しているが、なぜかあまり読まれることがなく、残念だった。
 作品には、いっさい手を加えていない。その代わりに「自作解説」を付け加えた。一読していただけるととてもうれしい。

血のかよう
人間ならば
紅い雨
降ることあるよ
三日月の夜


やな気分
変化したなら
懐中を
蹴ることないよ
三日月の夜


秘めたもの
すべてをキミに
伝えたら
把握できるの
三日月の夜


恥ずべきと
おもうわけでは
ないけれど
キミを避けてる
三日月の夜


このつぎは
来月こそと
思うけど
気づいてほしい
三日月の夜


おもうけど
なにも言うこと
なくていい
そんな気がする
三日月の夜


五日でも
消えない痛み
ずっと耐え
キミと歩くよ
つぎの三日月


来月は
キミの優しさ
感じたい
ピリオド打つの
いやだから





自作解説

 ほぼ1年前に投稿したもの。自分ではないものに「なりすます」ために始めた「妄想恋愛」。この初期の作品である。投稿当時、スキ数一桁だったものである。
 自分ではわりに上手く書けたという自負心があったのだが、テーマがテーマだから仕方ないか、という諦めの気持ちがないでもない。
 しかし、ひょっとしたら、そもそも何を書いたのか、理解されていないのでは?、という気がして再掲した次第である。

 この連作短歌は、ヘッダーに
 " In a period of depression "と示したが、いうまでもなく、2つの意味を込めている。すなわち、「憂鬱の時期」「憂鬱の生理」である。
 period には、「時代」「生理」「終止符」の意味がある。
 この最も力を注いだ英語のニュアンスがわからないと、本論の短歌の意味が「はぁ?」という感じになる。もしかしたら、そういう読者も多かったのではないか?、と反省している。

 この作品は、男性である作者が、生理痛に苦しみながらも恋愛している女性の気持ちを描いた哀歌である。

記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします