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フェアプレイの精神 | 相手の弱点を狙うのは卑怯なことだろうか?


(1) はじめの一歩 | 鷹村vsイーグル

 私の好きなマンガ「はじめの一歩」。
主人公は幕の内一歩だが、それ以上に好きなキャラがいる。
 鷹村守。負けなしの世界チャンピオンである。
 彼の試合の中で、私がベストバウトだと思うのは、イーグルvs鷹村の試合だ。



 どういう試合だったか?

 途中、鷹村はイーグルのパンチにより、目元を負傷してしまう。流血する。
しかし、イーグルは流血した目を狙うことなく、鷹村のボディばかりにパンチを集めた。

 一方、鷹村はイーグルが自分の目を狙わないことに苛立ちを覚えた。なぜなら、なめられたと思ったからだ。勝利のために相手の弱点を狙うことは、勝利にこだわるプロとして当然だとの思いがあった。

 試合が進むうちに、今度は鷹村の頭が偶然当たってしまったことにより、イーグルが目を負傷する。それを確認した鷹村は、見えなくなったイーグルの死角から、執拗にパンチを連打した。
 みるみるうちに、イーグルの傷口は広がりダメージを負う。

 ホームの試合にも関わらず、大ブーイングが起こる。イーグルの紳士的な態度に比べて、鷹村はえげつないと。


 あなたはどう考えるだろうか?
 負傷した目を狙うことは、勝利するためのセオリーであり、決してルール違反ではない。また、真剣勝負である以上、相手の弱点をつき、勝利のために全力を尽くすことは非難されるべきことだろうか?


(2)1984年ロサンゼルスオリンピック | 山下泰裕vsラシュワン


 柔道界を長年牽引してきた山下泰裕さん。
 1984年のロサンゼルスオリンピックの決勝の対戦相手は、ラシュワン選手だった。
 山下選手は足を引きずっていたが、相手のラシュワン選手は弱点を狙うことはなかった。

 ラシュワン選手が、山下選手の弱点を狙わなかったことを称賛する人々が多かったが、逆の立場だったらどうだろうか?
 なぜ相手の弱点を攻めなかったのだ?攻めていれば、金メダルは確実だったのに、と非難する人が多かったのではないだろうか?


(3) フェアプレイってなんだろう?


 勝利至上主義は批判の的になることが多い。大相撲でも、横綱・白鵬の立ち会いの「かち上げ」がよく批判されていた。
 ルール上、何ら問題はないのだが、横綱らしくないと。もっと横綱らしく、受けてたてと。

 相撲は神事でスポーツじゃないという人もいるが、ルールのあるスポーツとも言えるだろう。勝つことにこだわるのは悪いことだろうか?


 上に挙げた以外にも、高校野球では「隠し球」は卑怯だと言う人がいる。
 プロではたまに見かけるのに、なぜ高校野球で隠し球をすると卑怯だと言われてしまうのだろう?

 ルールを破るなら卑怯なことに相違ないが、ルールを遵守しているにも関わらず卑怯だと言うのはなぜだろう?

 スポーツに限った話ではないと思うが、あなたはどう考えるだろうか?

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