短編 | 愛するがゆえに🐶
割引あり
(1)
夏の暑さが緩み始めたある日、付き合い始めたばかりの彼女といっしょに、川沿いを歩いたことがあった。
小道だから車は通らない。だからのんびりと歩くことができる。
「たまにはこうやって、ただ二人して歩くのもいいよね」
「『たまには』っていうけど、あたしたちがこうやって、川沿いを散歩するのは初めてだよね」
ハルちゃんの言うとおりだった。海に行ったり、映画を見に行ったり、いっしょに食事をしたり。そういうデートしかしたことがなかった。こうやって何の目的もなく、気ままに二人で歩くのは初めてのことだった。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします