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#夏ピリカ応募
視線の先|#夏ピリカ応募
山形から東京の高校に転校した初日から、僕の視線の先は彼女にあった。
一番前の席で彼女は、僕が黒板の前で行った自己紹介には目もくれず、折り畳み式の手鏡を持ち、真剣な顔で前髪を直していた。そのことが気になって、彼女の様子を観察してみる。休み時間になる度、彼女は不器用そうに手鏡を開く。自分の顔と向き合い、たまに前髪を直す。何度か鏡の中の彼女と目が合ったような気がする。鋭い目つきで少し怖い。隣の席の
星とハンス|#夏ピリカグランプリ
ハンスはときどき、夜中に家を抜けて草原に行き、寝っ転がって星をながめるのが好きだった。
両親はハンスが幼い頃に亡くなっていた。祖父母に育てられたが、その祖父母も亡くなって数年経つ。だから、夜中に家を出て、草原で夜明かししても誰にも怒られない。「今日は冷えるな。」と、自分で自分の体のことを注意するくらいだ。
「今夜も星がきれいだ。」
昼間、大工の親方に「お前は何でそんなに不器用なんだ。」と叱ら