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みんなと違う耳でもいいんです。〜聾者の音大挑戦から就活まで〜

第2話、苦労だらけの講義。そして就活大失敗。

こんにちは。Deaf.エリーゼです。


第1話の続き、情報保障断念。そして就活大失敗の話をしたいと思います。
一回タイムスリップから現在に戻って・・・


サクラ:
えーっ!すごい!諦めずに志望の大学を受かったんですね。

エリーゼ:
そうだね。みんなのおかげさま。応援があったから、頑張ったからね。

レイ:
いよいよ大学生活になるんですね。何が困ったこととかありましたか?

エリーゼ:
いい質問。そう!これだよ。これが大事だよ。何だと思う?

サクラ:
講義で大学の先生が言っていることがわからない?とか。

エリーゼ:
その通り。みんなも同じ。”情報保障”という聞いたことがある?

レイ:
聞いたことがあるけど、詳しくわからないですね。

サクラ:
ノートテイク・手話通訳・筆談要約とか・・・

エリーゼ:
そうそう。これがないと、不便になるよ。
私の場合は、情報保障を導入していない大学に入る、初めてのろう学生だった。
大学の事務と相談したら、導入してくれる可能性があるかもしれないね。
ただ、私は卒業した大学に障害者として初めて、そのサポート受けなかったよ。


ろう者の学生たちは、ノートテイク(PCテイク)手話通訳筆談がないと困るんですね。
例えば、大学の先生が言っていることがわからない。黒板で先生がキーワードだけ書く。
支援団体、ボランティアに依頼すればノートテイクしてくれます。

情報保障とは、障害のある人が情報を入手するにあたり必要なサポートを行うことで、情報を提供すること言います。主に、視覚障害者と聴覚障害者への配慮として用いられます。
≪聴覚障害者への配慮≫
聴覚障害者への情報保障は、手話通訳、要約筆記、PCテイク、筆談や字幕を指すことが多いです。

”情報保障”とは何か?

画像1

⇧もっと知りたい方はこちら画像クリックしてみてください。

大学時代、私はノートテイクなどのサポートを頼んだことがないです。
というのも、一時、大学側に相談したのですが、難しいということで断念しました。
どうやって工夫したのか話したいと思います。

エリーゼ:
そうだ。音楽に関する講義・実技と友達の話はあとで話すね。
一番大変、厳しかったこと、辛かったことを伝えたい。なんだと思う?

サクラ:
えー?なんだろう?大学も単位取らなければならないことですか?

エリーゼ:
正解。高校はみんなで一緒に出席して、その時単位もらう。
でも、大学は自分で出席して単位もらうの。
単位が足りないと留年になっちゃって卒業できないんだよ。

レイ:
自分で計画して出席することなんですね。考えることが大変ですよね。

エリーゼ:
その通り。大事だよ!あとひとつ。なんだと思う?
卒業したら、何をする?

サクラ:
えー!大変ですね。卒業したらイラストレーターになれる?

レイ:
そんなに甘くないですよ。仕事を就くため、まずは就活することですね。

エリーゼ:
正解。サクラさんはイラストレーターになりたいでしょ?
そのままなれることはできないと思う。食っていくために就活したほうがいい。デザイナー系会社で働くとか。
または、安定な美術教師か非常勤講師になる方法があるよ。副業してもいいし。
レイ君はろう学校の先生になりたいよね?それは公務員なので安定な仕事。
2人ともまだ高校生だから、今からゆっくり考えたほうがいいかもね。

サクラ:
そんな、厳しいんですか・・・。大学に行ってからも就活があるんですね。
大変そう。エリーゼさんは、就活したんですか?

エリーゼは嫌な思い出を振り返り、ため息した。

エリーゼ:
もちろんしたよ。本当につらかった。就活大失敗したからね。
5社ぐらい落ちたかな。笑えるでしょ?

レイ・サクラ:
えーっ!笑えないです!詳しく聞かせていいですか・・・?

エリーゼ:
そうしましょうか。タイムスリップLet's Go!


嫌な思い出があり、就活のことも話したいと思います。
隠さないで話したいと思います。


ピアノ、声楽のレッスン、実技試験のこと。友達のことは後日、noteを執筆予定です。


卒業したろう学校名、大学名を初めて公開します。

絶対口外しないでください。



大学生活は困惑気味。

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