ケガをした際のリハビリを受ける心構えとリハビリの種類について。
皆さん、リハビリにもいくつか種類があり、違いがあることをご存知ですか?
医療関係者やトレーナーの方なら当たり前に知っているよ!と思うかもしれませんが、肝心なリハビリを行う選手や一般の方が理解していない可能性があるのではないかと、このところ感じてしまいます。
そもそも、「リハビリテーションとは??」
リハビリテーション(rehabilitation)とは、身体的、精神的、社会的に最も適した生活水準の達成を可能とすることによって、各人が自らの人生を変革していくことを目指し、且つ時間を限定した過程である。(Wikipedia参照)
リハビリテーションの語源はラテン語でで、re(再び)+ habilis(適した)、すなわち
「再び適した状態になること」
「本来あるべき状態への回復」などの意味を持ちます。
では、リハビリの種類についてご説明します。
まずは「メディカルリハビリテーション」。
日常生活レベルが治療のゴールとなります。立つ、歩く、坐るなどの生活動作をできるようにするために、関節の可動域や筋力の回復、バランスの改善、異常運動の是正、基本動作訓練などを行っていきます。
主に、病院でお医者さん、そして理学療法士の方と行う怪我をした直後からのリハビリにあたります。
メディカルリハビリテーションでしなければならない要素とは?
・早く腫れや痛みを無くす、減らすこと。
・関節可動域(ROM)を戻すこと。
・痛みが出る動きやフォームはさせないこと。
痛みが出る→炎症が起こる→悪化する→治りがさらに遅くなるのサイクルに陥ってる人も多く見かけます。
お次は、「アスレティックリハビリテーション」
こちらは簡単に言えば、競技復帰のためのリハビリテーションで、メディカルリハビリテーションの段階からスポーツを行えるようにするために様々な訓練を行う段階にあたります。
スポーツに復帰するためには、日常生活より高いレベルでの筋力、持久力、パワー、スピードなどが回復またはケガをする前よりも高い(強い)状態にしなければなりません。
さらに、再受傷を防ぐことが重要な課題となります。
ランニングやターン、ジャンプなども行ったりするので、稀にリハビリの段階で再受傷してしまうこともあり得ますので、、、
そうなれば、さらに倍の期間がかかり、選手のメンタル的にも大きなダメージになってしまいますので、絶対に防がなければなりません。
アスリハ(アスレティックリハビリテーション、以下略称で書かせてもらいます)で戻さなければならない要素とは??
・筋力、筋持久力(ケガをした部分やその周囲)
・全身持久力
・協調性、敏捷性など
・再受傷しないためのフォーム作り etc...
他にもたくさんありますので割愛します。
では、リハビリをする(うける)
にあたって最も大切なことは何なのか??
それは、選手(本人)と指導者(監督、コーチ)、そしてセラピスト(ドクター、トレーナーなど)の3者のがきちんと病態や状態を把握し、考え方にギャップがないこと。
一般の方であれば、本人の希望とセラピストの方向性がきちんと一致しているこです!!
例えば、指導者とトレーナー陣(メディカルスタッフ)間で復帰までのプランがあまりにもずれていたりすることがあります。
よく、大きな大会があり選手は無理やり痛み止めを飲んだりしてプレーをするなどがありますよね、、、
ですがそうなると、結果として一番の被害を被ることになるのは、「選手自身」になってしまいます。
育成年代のアスリートが痛み止めを飲みながら競技をする日本の現状・・
こちらも一緒に読んで頂けると幸いです。
ですが、今回メインにしたいテーマは、
選手と私たちセラピストとの関係です。
(ドクター、トレーナー、接骨院の先生など、、、)
最近、ツイッターでのDMや質問箱を通じてリハビリの質問が日に数件以上来るのですが、本当に疑問のことがあります。
それは、ケガをしている選手(患者さん)本人が
自分のケガの状態を全く理解していないことです。
病院に行って診察を受けたのに、自分の怪我の診断名、はたまた痛めた筋肉や靭帯、関節の名前すらも知らない、覚えていないなんてことがザラにあります、、、
この状態で私に質問されても何にもわかりませんので答えようがありませんが、、、
このような連絡が来ると本当に唖然としてしまいます。
このような状態でどうやってリハビリや治療などをしているのか全く理解ができません。
というよりも、なぜリハビリをしているのか、、、(笑)
正直、リハビリは患者さんの意欲次第ではいくらでもできますし、結果も大きく違ってきます。
サッカー界のトップレベルの選手は怪我をしたときは、練習以上にまじめにリハビリに取り組んでいるものです。
むしろ、私達セラピストの休日を奪うくらいの勢いです、、、(笑)
ですがこれは、選手自身にも問題があるのか、はたまたこちら側のセラピストがきちんと情報を伝えていない、理解させていないという大問題もあるのかもしれませんが、、、
(とりあえず、痛みだけを減らしておけば大丈夫みたいなセラピストの方もいないことは無いのでで、、、)
ですが、セラピスト側もきちんと理解できるように説明する努力はしないと絶対にダメです!!
でないと、どうして良くなった、悪くなったのフィードバックからの分析などができないで、ただ何となくで終わってしまいます。
はっきり言いますが、自分のケガをきちんと理解していない、他人に自分の状態を説明できない選手はトップレベルに行くことはほぼ不可能です。
なぜなら、自分の身体に興味を持っていない、注意を払っていない選手がトレーニングやリハビリの意図や効果をきちんと理解、体感することはできないからです。
これは、筋トレでも同じことが言えます。
筋トレで効果が実感できていない人は、自分の関節がどう動く、筋肉がどこからどこに着いているのか理解せずに、ただ真似ているだけのことが多いです。
正しく、身体の構造を理解すれば、ストレッチの方法や鍛え方はある程度見えてきます。
なぜなら、人間の身体の構造は決まっており、変えることはできないからです。
ですので、リハビリをするうえで選手に理解しておいて欲しいことは、
・自分はどこの筋肉や人体または関節をケガをしたのか理解する。
この部分をきちんと説明してくれないセラピストの治療やリハビリを受けるのはやめておいたほうが良いと思います。
家から近いからなどの理由もあるかもしれませんが、すぐにでも、別のところを受診すべきです。
・その部位はどのような動きができるのか?また、適切な可動域はどのくらいなのか?
ケガをした直後のリハビリで最も大切なのは、その部位を「正常の可動域に戻すこと」です。
これが、メディカルリハビリの一番重要な部分だと私は思っています。
ですが、現状としてこの部分を非常に軽視されているように感じます。
このリハビリをすっ飛ばし、筋肉を鍛えていたり、少し痛みがある状態で運動を再開している人などが非常に多いです。
その為、足首を捻挫してから足首の背屈が悪くなったや戻らなくなってしまったなどが起こるのです。
そして、その足首がきちんと動かなくなったことで、膝のケガや腰痛などの二次的な障害などを引き起こしてしますのです。
・段階を踏んで次の種目や動作を行うこと。(リスク管理)
例えば捻挫した後のランニングができるようになるまでを考えてみましょう。
足首の痛みの消失、可動域が回復→体重が支えられる、バランスが取れる→つま先立ちができる→スクワットができる→ジョギング
かなり省略してしまっていますがリハビリはこのように段階を踏むことが最も大切です。
まさに、「急がば回れ!」ではないですけど焦って無理をすることが最もダメです。
そこは、セラピストと選手の間にコミュニケーションが取れていて、信頼があればコントロールも可能になってきます。
ですので、ケガをした際は、選手はセラピスト側にどんどん質問をすべきですし、メニューや治療に疑問に感じた際はきちんと説明を求めるべきです。
そこで、納得のいく回答が得られない場合は、別の方に相談してみたりすると良いです。
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