成長のカギ "growth mindset"
みなさん、こんにちは。
なんだか最近、物事にやる気が起こりません…
やる気など幻想のようなものだという解釈もあるそうですが…
心理学・神経学では有名な話ですが、人間は行動が先、感情は後、の生き物。
つまり、最初に何かを行動に移したら段々気持ちが乗ってきて、作業途中からスムーズにいくということ。
これは言われてみればその通りですよね。
ちょっと面倒なことでも、どうしてもやらなければいけないものなら、最初に手をつけて気付いたら集中して行ったりしています。
結局、語学やその他スキルの習得もやる気よりも環境整備が大切なんでしょうね。
スマホのない勉強部屋がある、独りで勉強せず協力し合う、使うこと持ち運ぶことが難しい勉強道具を避ける…
こういうことで目標は達成できるのでしょうね。
僕は留学に向けた勉強から出願作業まで全部独りで行ったのですが、本当に孤独で精神的によくなかったと思います。
さて、話は変わりますが、人が成長するには"growth mindset"が重要なようです。
これはスタンフォード大学のCarol Dweck教授が提唱しているものです。
(参考)
What Having a “Growth Mindset” Actually Means
キャロル・ドウェック: 必ずできる!― 未来を信じる 「脳の力」 ―
"growth mindset"とはその名から連想できるように努力で成長できる考えることです。
これの逆は"fixed mindset"で、自分の能力は生まれながら固定されていると考えることです。
growth mindsetを持っている人は、うまくいかないことを成長のプロセスととらえ、これからどう成長できるかということに意識が向くとされています。
それに対して、fixed mindsetは失敗を自らの能力の無さを証明するものとしてとらえる傾向があるそうです。
最近は「リジリエンス」という何かネガティブな物事から立ち直る能力も注目されていますが、やはり物事に対する無意識レベルの態度や考え方は数年スパンのレベルの成果に影響を与えるのですね…
僕はどちらかというとgrowth mindsetを持っていると勝手に思っています。
基本的にネガティブな性格なので、何かに失敗するたびにがっかりして能力が足りないのかとfixed mindsetのようなものが頭をもたげるのですが、なんだかんだいってそこであきらめるという選択肢をとることが不思議とないのです。
僕が中学1年生初めて英語を学習したとき、見るに耐えないようなひどい点数を連発して、いかに自分が新しい言語に対応できていないかを痛感させられたのですが、一生懸命にしがみついてそこから15年後にはアメリカで大学院生をしていたのですから、まあ、最初のできの良し悪しで成長の度合いを予測することなど不可能であり、それもgrowth mindsetのおかげであろうと思います。
しかし正直なところ、僕にとって英語学習など大した苦労ではありませんでした。
他にもっとつらいこと、立ち直れないと思ったことはいくらでもあります。
その中でも特にキツかったのは20歳から数年間に渡った闘病生活です。
人生で本来一番体力があり、これから可能性を広げようとするときに闘病をするというのは、想像するより人生を不利なものにします。
まず、普通に就職したりはできません。
就職するかなどたいした問題ではないかもしれませんが、そのときに自己投資できないというのはその後の人生に数十年単位でネガティブな影響を与えます。
僕はもはや病気の症状はまったくありませんが、病気の影響はいまだに人生のいろいろなところにあります。
それも地道にひとつずつ挽回しようとする毎日です。
当時はそんなことを考える余裕もなく、ただ病気と戦うだけの日々でした。
症状がひどくなるにつれ、ほとんどのことができなくなりました。
一度、全く集中力もないときに少しでも何かしようと思い、本を読もうとしましたが半ページ読むのに数時間かかり、何とも言えない無力感がありました。
もともと本の半ページ読むのに10-15秒くらいもあれば読めていたのでそのショックと向き合うのは難しいものでした。
それでも、コントロールできるところから生活を整え、今では闘病前の90%くらいの集中力に戻ったのではないかと思います。
どんなにくじけても、明るい要素が見いだせなくても、ただ目の前にあることに取り組んでみる、やる気が起こらなくてもちょっと手をつけてみる。
growth mindsetなんていう難しいことを考えなくてもそうやっていくしかないと思えます。
いまだに人生を悲観したくなるようなことはありますが、それでも、今日も明日も目の前にあることに取り組みしかありませんね。
それがgrowth mindsetなのだと思っています。
それでもどうしても何もできないときは、ぼーっと散歩をしてやり過ごしましょう…
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