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意外に単純? - 海外(アメリカ)大学院出願プロセスを見ていこう!

みなさん、こんにちは。

いまだ海外進学はあまり一般的でない日本ですが、なんとなく興味があるという方もいらっしゃるかもしれません。

そんな僕も「アメリカに行ってみようかなー」程度の気持ちから進学方法を調べ始めました。

これから人生の選択肢はますます多様化していきます。何を選択するかは自由であり、自分が想像しないような選択肢をとることもあり得ます。

なんとなくでも知識を持っていると後の気づきにつながるかもしれませんので、よろしければ参考にしてみてください。

まずは、私の自己紹介のようなものから。

私は生まれも育ちも日本で、中学1年生のとき英語の勉強を始めました。日本語と全くちがく言語に困惑し、最初の数年は全然英語が理解できませんでした。

しかし、地道な自習によって英語力を向上させ、アメリカの大学院に進学することができました。その際に、エージェントや予備校は利用しませんでした

利用しなかった理由は主に2つあります。

*結構料金が高いから…

*いろいろ調べると自分でできて、安く済むと思ったから。

1つ目に関してはどうしようもありません。サービスは提供者が値段を決めるので、提供者がその価値があると思えばその値段を付けるべきです。

しかし、金額を理由にエージェントを利用できないからといって、海外大学をあきらめることはありません

それはなぜか?

それが2つ目の理由に関係するのですが、海外大学進学の手続きは自分でできますし、最終的には自分でしなければなりません

自分で出願作業を行う方がいい?

私はアメリカの大学院に行ったので、他の国について正確なことはわかりません。しかし、ほとんどの場合、やらなければならないことは同じです。

アメリカの大学に出願する際に必要なものを一言でまとめると、

個人情報の提供」です。

個人情報の提供は他人のサポートなしでもできるかもしれません。それどころか、他人はあなたの個人情報にアクセスできません。

では、どうしてみんなエージェントに行くんでしょうか?

僕が考えるに、

「とにかく何もわからないから」、「自力では難しいって聞くから」、「何かあったら一人で対応できるかわからないから」…

などという理由ではないでしょうか。

僕も最初は何もわかりませんでした。アメリカ人だって最初はわかっていないのではないでしょうか。

誰だって初めて取り組むことはわからないことだらけで、難しく感じます。しかし、思い出してください。他人はあなたの個人情報にはアクセスできません。やはり最後は自分で行うしかないのです。

確かに、エージェントに行けばいろいろ情報をくれますし、ちょっとした出願書類作成アドバイスもくれるでしょう。しかし、最後は自分でやるしかない。こればかりは避けられません。

僕はエージェントを利用することを強く止めたりはしません。それは個人の自由であり、自分が気づいていなかったことを教えてくれたりすることもあり、メリットを享受できる可能性もあります。

自分でエージェントのことを調べて役に立つと思うならぜひ利用してください。

僕は自力で出願した一人として、「エージェントを利用できない = 海外進学をあきらめるしかない」は絶対にまちがいであると伝えておきたいだけなのです。

前置きが長くなりましたが、このような考えからこの記事を書くことにしました。

海外大学への出願はとても時間がかかります。英語の勉強などを含め2年ほどかかることが多いようです。書類の準備だけでも半年以上かかることが多いと思うので、時間に余裕を持って準備を進めてくださいね。

途中で僕の経験からのちょっとしたアドバイスも入れていきたいと思いますので、少しでも参考になれば幸いです。

出願を始める前に

まずは出願書類を作っていく前に1つアドバイスしたいと思います。当たり前ですが大切なことです。

それは、

何かを決断するときに利用する情報はどのような人が提供しているかを確認し、信頼し得る情報なのかを確かめること」です。

当然のことに思えるかもしれませんが、なかなかきっちりできないことでもあります。

それはみなさんにも当てはまると思います。

どうしてそう言えるかというと、みなさんの中に私の経歴を疑うことなくこの記事を読んでいる方がいるだろうと思うからです。

僕は嘘でなくアメリカの大学院に進学しましたが、それをここで証明していません。それなのに、この記事の今までの内容を全く疑うことなく受け入れている方もいるのではないでしょうか。

ネットにはたくさんの情報が見られますが、多くのものが何を根拠に言っているのかわからないものも多いです。

「アメリカの大学に自力で出願するのは無理」

「有名な大学は頭のいい人しか行けない」

など。

特によくないのが、質問を投稿したら返答をもらえるプラットフォームです。僕もたまに留学カテゴリーを見ますが、全く留学経験がない人や海外大学についての知識がない人が書いたのではないかと思われる回答がよくあります。

そもそも、多くの人がエージェントに行く理由は、情報収集が難しいからだと思います。それは日本に留学経験がある人がまだまだ少ないことにも関係あるかもしれません。それなのに、質問プラットフォームに行った途端にあんなにたくさんの人が情報提供をしているのは少し奇妙にも思えます。

(もちろん本当に経験のある人が書いていることもあると思います。こういうのは、いろいろ情報をみていると自然とわかるようになってきます。)

ですので、くれぐれも気をつけてください。情報は信頼の得られるところから得る!

大学に関しては自分の行きたい大学、ビザや滞在条件などについては大使館から情報を得るのが安全です。日本でサービスを受けるとき、まずは検討しているものを提供している会社などの公式ページをネットで見ることは一般的だと思います。海外大学に進学することきも同じことをするのがいいに決まっています。

アメリカでは出願中にわからないことを直接大学にメールで質問することは一般的です(私もメールを送って何点か確認しました)。ですので、わからないことは一度聞いてみるといいですよ。

*アメリカの事務作業は遅くていい加減なことが多いです…  質問内容を読んだのか疑うような返答が返ってきたり、そもそも返事が来なかったりと、日本では考えられないようなことが頻繁に起こります。こういうときに、真面目で丁寧なサービスに慣れている日本人の中には心が折れてやめてしまう人がいるようですが、こんなことで引き下がってはいけません! なぜなら、アメリカに行ってからもしょっちゅうこんなことに耐えながら学生生活を送るからです。日本にいるときから慣れておきましょう。そして、自分でそのような問題に対応すれば渡米後も比較的スムーズに問題対応できますよ。(←僕が結果的に自力で出願作業をしてよかったと思う理由のひとつです。)

どうしても、出願作業中にわからないことがあって、大学などから情報を得られないときは、他で解決するしかありません。しかし、その場合も先ほど言ったような質問プラットフォームの内容を簡単に信じてはいけません。

何か情報発信している人を見つけた場合は、必ずプロフィールを確認すること、直接自分が欲しい情報でなくてもその人が提供している他の情報にも目を通し、経験や知識がしっかりしているか確認することが重要です。

僕がオススメするのは以下の2つ

*プロフィールを載せている留学関連ブログ

*英語で情報を得ること

です。

1点目は海外大学に慣れていない日本人に向けて、自身も困ったことをこれから出願しようとしている人に向けて情報発信しているブログのことです。

2点目も是非やってほしいのですが、あまりやっていない人が多いように思います。アメリカの大学の情報は英語で得るのが一番です。日本語で検索して情報が得られなくても、英語で検索すればであっさり情報が見つかるなんてこともよくあります。

HP確認

さて、それでは出願プロセスを見てみましょう。

(言うまでもなく、ここの情報は執筆時点のものです。自身の出願時にはかならず最新の情報を参照してください。)

今回はすでに行ってみたい大学は決まっているとして、その大学のHPを見ていきます。私はみなさんの志望校がわからないので、私の大学のHPを見ます。

私が通ったのはアメリカ・ニューヨーク・マンハッタンにあるTeachers College,  Columbia Universityです。

HPはこちら

出願関連の情報はAdmission, Admissions, Prospective Studentsなどに記載されています。Admission(s)は「入学・入場・入会」という意味ですね。動詞形admitは「許可する」という意味でお馴染みですが、名詞形は「(入学・入場などの)許可」という意味があるんですね。prospectiveは「予期される、これからの」という意味なのでprospective studentsは入学を検討している人ということですね。

では、上部のApply Nowをクリックします。

そうすると、How to Applyのページに飛びました。

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Start Your Applicationから出願作業を始めることもできますが、その下を見てみましょう。

下には、いくつかのコースについてのINSTRUCTIONSが出てきます。アメリカ国籍・永住権を持たない人はビザの関係でDegree Programs (学位を取得できるコース)を選ぶことが一般的ですね。ただ、私はアメリカの法律に精通していないので例外もあり得るので詳しくは自分で調べてみてください。信頼のおける情報源から!

今回は、Degree Programsをクリックします。そうすると、以下に、詳しく出願プロセスが書いてあります。

まず初めはこちら。

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この記事を書いている時点(2020年5月上旬)は世界に新型コロナウィルスが蔓延している状況なので、それについての注意事項が書いてあります。職員がリモートで作業しているのでなるべくオンラインで全ての作業を終わらせてね、作業のスピードが遅れる可能性があるから期日に間に合わないならメールしてね、などと書いてありますね。

(※ 追記 - 2021年8月時点で上記に表記はなくなっています。これからもこのような突発的なことで出願にイレギュラーなことが起こる可能性はあるので、頻繁にHPを確認してください。)

ちなみに、アメリカでは出願書類はAdissions Officeという専門部署が処理をし、最終的にFaculty(教授など)が合格者を決定するのが一般的です。書類についてのメールはAdmissions Officeに送りますが、それぞれのプログラムの内容についての質問に関してはそれぞれのプログラムの担当者にメールを送ることになるので注意してください。例えば、Admissions Officeに「あなたの大学の心理学部は犯罪心理学を扱っていますか。」などの質問をしても答えてもらえない可能性が高いです。親切なオフィスならどこに聞けばいいかを教えてくれますが、そうでなければメールに返事が返ってこないと思います。目的に合わせてしっかり送り先を変えてくださいね。学部・プログラムのメールアドレスはAcademics, Academic programs, Programs, Coursesなどから自分の行きたいところを選択し、Contactsのところを見れば書いてあると思います。

その下はというと

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Degree Programに出願する際のインストラクションが書いてあります。これをひとつずつやっていけば最後は出願にたどり着きます。

僕も最初はこれを一人でやるのかと途方にくれそうになりましたが、毎日やっているといつの間にか最後の項目に到達しSubmit(提出)ボタンをクリックすることになるのです!

一番上には、「Teachers Collegeは大学院なので、出願者は以下の条件を満たしている必要がある」と書いてあります。

アメリカ外からの出願者はInternational applicants、留学生はInternational studentsと呼ばれます。これは余談ですが、アメリカでは留学生のことをForeign studentsとは呼びません。foreignは「外国の」という意味があるのですが、この単語には「よそ者」のようなニュアンスが含まれることがあるため、人種が多様で海外から来る人も多いアメリカではそのような呼び方はしないことがマナーのひとつとされていることが多いです。みなさんも、留学に行ったとき、自分の周りに留学生がいるときinternational studentと言ってください。これは強制ではありませんがforeign studentというとちょっと教養のない人に思われてしまう可能性もあるので気をつけてくださいね。

このセクションには、International applicantsは120 creditsに等しい…  と書いてあってこの時点で心が折れてエージェントに行ってしまう人もいるでしょうか。あきらめるのはまだ早いです。なぜなら全然難しいことなんて書いてないからです。

ここに書いてあることは、「出願者は学部過程を卒業済みか卒業予定でなければならない」と書いてあるだけです。Teachers Collegeは大学院なので当然ですね。日本と同じです。あとは、「入学までに学士号を取得している状態でなければならない」とも書いてあります。これも言うまでもないですね。

ちなみにcreditとは単位のことです。120単位を取得する学部課程を卒業していなければならないということです。

その下には補足情報として、一度にひとつのプログラムにしか出願できない(Teachers College内の併願は不可ですが、他大学はもちろんOK)、出願に必要な書類は期限までにしっかり集め提出する、出願書類は返却されたり他大学に転送されたりせず、書類の内容は入学後、生徒のアカウントなどに反映されると書いてあります。重要な情報ですが、出願においてしっかり注意するのは併願不可くらいでしょうか。


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STEP 1は希望のプログラムと入学の時期を考慮して、出願期限と条件をしっかり確認してねということが書いてあります。

termにはたくさんの意味がありますが、留学関係では「学期」の意味で使うことが多いですね。

ここで、なぜ希望のプログラムを考慮のうえ、出願期限と条件を確認するかというと、アメリカではそれぞれのプログラムが独自の基準を持っているからです。上のAcademic Programsがリンクになっているので、そこから自分の興味のあるプログラムのページに飛んで確認するわけですね。

その下には、成績証明書などの個人情報を提出する以外にも、サイト上に入力する個人情報もあると書いてあります。成績証明書についても気をつけないといけないことがありますが、それは後で。サイトで入力する情報は以下の通り。


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Statement of Purpose

これはいわゆる志望理由書ですね。どうしてこの大学で特定の学問を勉強したいかを述べるものです。これは審査において一番大切と言ってもいいくらいのもので詳しくは別で述べたいと思います。ここではStatement of Purposeに何が求められているかについての記述を日本語訳しておくにとどめます。

何から始めればいいかわからない方は、まずは本などで志望理由書の基本的な構造を学んでください。そして、自分で書いた上で、できれば大学を卒業した経歴を持つネイティブにチェックを入れてもらってください。もし、知り合いにネイティブがいなければ、志望理由書と履歴書だけエージェントで見てもらうのもいいかもしれません。

いずれにせよ、まずは自分でトライするのがよいです。僕も最初は本を買って自分で書きました。僕が参考にした本はこちら↓

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