向いているなんてやってみないとわからない|フォトクリエイト「撮影のお仕事聞いてみた」
フォトクリエイトの社員フォトグラファー(通称:社カメ)としてキャリアをスタートし、現在はフリーランスとして活動する髙橋海登さん。
フリーランスになった現在は、フォトクリエイトのスクールやスポーツ撮影を中心に撮影しています。
高校時代に一眼レフを購入するところから始まった写真撮影。髙橋さんのフォトグラファーとしてのルーツと現在について、話をうかがいました。
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──最近は、どんな撮影をされているんですか?
撮影全体からみると、今は7割ぐらいは幼稚園の撮影をやってますね。残りの3割がスポーツって感じです。
──幼稚園の撮影って難しそうなイメージ……。
実は、これまでこどもと関わる機会自体がなくてですね、親戚付き合いとかもなかったんですよ……
小さいこどもと関わることって、たぶん撮影現場がはじめてだった気がします。
それもあって、こどもとの接し方で最初は苦戦したのを覚えていますね。
──どうやって苦戦を乗り越えたんですか?
フォトクリエイト入社1年目に、僕の師匠のような方のスタイルに寄せました。
まずは、こどもに合わせる。
なんというか、自分の精神年齢を下げて、こどものわちゃわちゃしたノリに自分も乗っていく。
大人の対応をするんじゃなくて、こどもの目線まで下げて、自分も楽しくやります。
──こどもの目線に下げるなんてすぐにできるものなんですか?
撮影している中で、このスタイルが自分にあってるなとは感じたので、師匠のスタイルを真似しつつ、自分のやり方を探してで……
こどもたちと楽しく関われるようになって、今ではスクールの仕事に適性があったんだなって思えるようになりました。
でも、やっぱり自分のスタイルを見つけるまでには1年ぐらいはかかったな(笑)。
──ここからは、髙橋さんのルーツをお聞きします。カメラや写真が好きになったきっかけは?
最初にカメラを買ったのは、たしか高校2年生。
もともと中学まではサッカーを8年やってたんですけど、ちょっともうやる側は満足したんで、高校に入るタイミングで観る側に回ろうと思って。
それでJリーグの鹿島アントラーズの試合を観に行ったんです。
その時のプロが撮影した写真を見たら自分も撮ってみたいなって思いました。
その時に初めて一眼レフを初めて買いましたね。
── 一眼レフで撮影しはじめるのってどんな感じなんですか?
カメラを持ちはじめた頃は、自分で撮った写真を眺めたりとか、自分のSNSにアップしたりするっていうのが楽しかったですね。
SNSだとまわりの反応も感じられて嬉しくて。今思えば、撮影を続けられた要因なのかも。
もう1つは高校での撮影ですね。
通っていたのがわりと自由な高校だったんで、文化祭や体育祭とかで勝手にカメラを持っていって撮影してました。
撮った写真を勝手に教室の壁に貼ったり(笑)。
いろいろ失敗もしたんですけど、仲間とおもしろがることができて。
ネットだけじゃなくて高校の仲間とリアルな場面で自分の写真を共有できたのが楽しかったですね。
──素敵な思い出ですね!
そうですね。
ネットになると反応はその瞬間が一番ピークだったりするんですけど、リアルな場面だと教室の壁に勝手に貼り付けた写真を眺めることでいつでも思い出を振り返ることができますよね。
あの時の”楽しかった”・”嬉しかった”っていうのは今でも思い出せます。
それも教室の壁に勝手に貼り付けた写真をそのままにしてくれたおかげですね(笑)。
──高校卒業後、専門学校に入学されるんですよね?
高校が普通科ではなかったので、わりと就職組が多い学校でした。
その中で、このまま就職するよりは、せっかく楽しいものを見つけられたので、仕事にできないかなって考えたんです。
あまり深くは考えずに今就職するよりは、カメラを学んでみようかなと。
──専門的に学ぶと写真って変わるものですか?
かなり変わりますね。カメラの基礎知識から学びますし、1枚の写真を見てこれはどこから?設定は?ボディやレンズは何を使っている?など、本当に詳しいところまで教えてもらえます。
でも、学べば学ぶほど、1枚の写真を撮るためにフォトグラファーがどれだけ考えているのかがわかってきて……。
はたして自分にできるのかな?みたいなことを当時は悩みましたね。
──その後の就職活動はどうでしたか?
ちょうどそのタイミングでコロナ禍になり、新卒でフォトグラファーの採用や募集自体が減ってしまって……。
当然写真を撮る仕事がしたかったんですけど、難しそうだったので、他の仕事をしながら頑張ってみようと思っていました。
そしたら3月頃に一本の電話がありまして……
それが過去の就職関連イベントで縁があったフォトクリエイトでした。
そこから内定が決まって、4月には入社で……。本当に「爆速」でしたね(笑)。
──速すぎですね(笑)社員フォトグラファーとなって新たに苦労や悩みはありましたか?
フォトクリエイトの撮影は、販売写真なのでお客さまにいいなって思ってもらえるような写真を撮る必要があります。
そのためには、まず自分がお客さまにいいなって思ってもらえる写真を再現しないといけない。
その再現性が自分で満足できるような写真になるまで苦労したのを覚えてますね。
──満足できるような写真ってどんなものなんですか?
直感的なもの、理論的なもの、両方あります。
理論が6~7割ですかね。
現場の状況によって、カメラの細かな設定はもちろんですが、被写体の位置や向き、背景はどうするかなど、一言でいえば組み立てが大きいですね。
──現場で撮影をする中で、特に嬉しかったエピソードを教えてください。
1年目にいただけた自分の写真に対するコメントです。
フォトクリエイトでは、フォトグラファーが感動の共有と買っていただいた写真の傾向がわかるという理由から、お客さまからの写真へのコメントが見ることができます。
夏祭りの撮影した際に”ステキな写真をありがとうございました”というコメントをいただきました。
今でも覚えていて、コロナ禍でもあり撮影も苦戦中だっただけに本当に嬉しかったです。
──スポーツの撮影も多いと聞きました。
スポーツを撮影するうえで「これを伝えたい!」というのはありますか?
「躍動感」と「瞬間」ですかね。
「瞬間」っていう言葉の中にも結構いろんな意味があると思うんですけど……。
例えばサッカーでいうと、点を決めた瞬間やチームが勝った瞬間には、選手にとってのその瞬間はもちろん、チーム関係者やサポーターにとってのその瞬間でもあります。
いろいろな視点があるから撮影できるし、伝えられるって思っています。そういう意味での「瞬間」を写真に残したいですね。
──初心者がスポーツで迫力ある写真をとるためのアドバイスはありますか?
ファインダーを覗き続けることですね。
例えば、選手を撮るってことで考えると、一瞬一瞬を逃さないために、ファインダー越しに選手を追いかけ続けることが大切です。
あとは、当たり前かもしれないですけど、そのスポーツのルールを理解すること。
それがいい写真を撮るための近道の1つかなって思います。
──「好き」を仕事にすると、好きじゃなくなったり、楽しくなくなったりするとも聞きますが、高橋さんはどうですか?
僕は、それがあんまりなくて。
例えば、電車に乗ると広告があるじゃないですか?
そこで使われている写真を見ると、この1枚はどうやって撮ってるのかな?とか自然に考えちゃうんですよ。
普段過ごしている中で、ふと「仕事脳」になることが多々あって、それが僕はむしろ楽しいと感じているんです。
スポーツを見てると特にそうです。
競技場のあそこで撮りたいなとか、このカメラ使って撮りたいなとか(笑)。
──すごく写真が好きなことが伝わる考え方ですね!では、フォトグラファーとしてこれからの目標を教えてください。
フリーランスとしては1年目なので、まずは基盤を、と思ってます。
もっと自分を知ってもらったり、自分から売りこんだりして仕事をとれるようにもしたいです。
そして、いずれはスポーツの現場で、日本代表クラスの試合を撮影してみたいです。
もちろん今の幼稚園での撮影もすごく楽しいので、写真の1枚1枚に子どもたちの思い出を残すことも続けていきたいです。
──最後に、「スキ」から一歩を踏み出して写真をフォトグラファーを目指したいという方に向けてメッセージをお願いします。
一歩を踏み出すことって簡単なようで、多分簡単じゃないですよね。
一歩踏み出すまでが正直、自分もおっくうなタイプではあるので。
僕はそんなに考えて踏み出したわけではないんです。
だから、まずやってみることが大事かなって思います。
何事もやってみないとわからない。まず何か1つでもやってみること、行動してみることでしょうか。
悩みすぎずフランクにはじめてみて、それがどんどん楽しくなっていって、深く掘り下げるようになって……。
それが自分にとって"向いている"ってことじゃないですかね。やってみることがはじまりだと思います。
自然体な語り口調ですが、普段から写真のことをずっと考えている髙橋さん。
はじめてみたら楽しくなり、それが続けられたら”向いている”になる。
髙橋さんのメッセージは、今まさに一歩を踏み出そうとしている方の背中をそっと押してくれるような気がします。
貴重なお話をありがとうございました!
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